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プレ男年末になると、テレビでもコンサートでも「第九」ばっかりだよね。なんであの曲だけ特別なの?

メル美「歓喜の歌」のところは知ってるけど、どんな曲なのかはよく知らないかも。
こんにちは、Dr. Taro です。 「音楽の教養」、今回はクラシックから、ベートーヴェンの交響曲第9番、通称「第九」です。ユネスコ、EU、鳴門市、NHK交響楽団の公式の資料をもとにまとめました。
すごさ1:交響曲に、初めて「人の声」を入れた
- 第九は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770〜1827年)の最後の交響曲です
- ユネスコは、この曲の最後の楽章で、交響曲に初めて人の声が取り入れられたと紹介しています
- その歌詞が、ドイツの詩人フリードリヒ・フォン・シラーの詩「歓喜に寄す(An die Freude)」。EUの公式サイトによると、シラーがこの詩を書いたのは1785年、ベートーヴェンが曲をつけたのは1823年です
- 詩にこめられた「人類はみな兄弟になる」という理想に、ベートーヴェンも共感していた、とEUは説明しています
すごさ2:耳がほとんど聞こえないまま、初演の舞台に立った
- 初演は1824年5月7日、ウィーンのケルントナートーア劇場でした
- ベートーヴェンは、その何年も前に聴力をほとんど失っていました。それでも作曲を続け、初演では舞台に立って指揮をするような姿を見せました
- ただし、演奏者たちには「ベートーヴェンではなく、本当の指揮者ミヒャエル・ウムラウフを見るように」と伝えられていました
- 演奏が終わっても、ベートーヴェンには客席の拍手が聞こえません。アルトを歌ったカロリーネ・ウンガーが、彼の体を客席のほうへ向けたと伝えられています

メル美自分の曲への拍手が聞こえなかったなんて…。ふり向いて、はじめて気づいたんだね。
すごさ3:「世界の記憶」とEUの歌に
- 第九の自筆の楽譜は、2001年、ユネスコの「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録されました(ドイツが申請)
- ユネスコによると、「歓喜の歌」はすべての国と人々のあいだの平和の象徴になりました。多くのオーケストラが、年越しの夜にこの曲を演奏する伝統がある、とも紹介されています
- 1956〜1964年のオリンピックでは、当時の西ドイツと東ドイツの合同チームの歌として、最後の楽章の最初の節が使われました
- 1989年にベルリンの壁が崩れたあとは、ドイツの東西の人々や東ヨーロッパの人々にとって、特別な意味を持つ曲になったとされています
- 1972年に欧州評議会が「歓喜の歌」の旋律を自分たちの歌として採用し、1985年にはEUの首脳たちがEUの公式の歌にしました。EUの歌には歌詞がなく、音楽だけです
日本で最初の全曲演奏は、徳島の捕虜収容所
- 第一次世界大戦のとき、いまの徳島県鳴門市大麻町には、日本軍の捕虜になったドイツ兵を収容する「板東俘虜収容所」がありました。あったのは1917〜1920年のおよそ3年間です
- 鳴門市ドイツ館によると、所長の松江豊寿をはじめとする管理のスタッフは、ドイツ兵の人権を尊重し、できるかぎり自分たちで暮らすことを認めていました
- 盛んだった音楽活動の中で、ドイツ兵たちは1918年6月1日、第九をアジアで初めて全楽章演奏しました
- ドイツ兵たちは地元の人々とも交流を深め、親しみをこめて「ドイツさん」と呼ばれるほどだったそうです
- 鳴門市では、この史実と鳴門市文化会館の落成を記念して、1982年から市民が中心の第九の演奏会を開いています。いまは毎年6月の第1日曜日に、国内外の合唱団が集まり、約600人の大合唱になります
- 収容所のことを伝える「鳴門市ドイツ館」には、第九の初演のエピソードを映像とロボットで伝える「第九シアター」もあります

プレ男日本の最初の第九は、捕虜になったドイツ兵が歌ったんだ!しかも地元の人と仲よくなってたなんて。

日本で最初に第九が全曲演奏されたのは1918年、徳島の捕虜収容所。人権を尊重した収容所で、ドイツ兵たちが演奏しました。
いま、年末の第九を聴くなら
例として、NHK交響楽団の2026年12月の公演(公式サイトより、2026年10月22日現在)です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公演 | ベートーヴェン「第9」演奏会(指揮:マレク・ヤノフスキ) |
| 回数・会場 | 12月に6公演、NHKホール |
| 料金(一般) | S席17,000円〜D席5,000円 |
| ユースチケット | 29歳以下、一般の半額(要登録) |
| 注意 | 休憩なし。開演後は席に着けない。未就学児は入場不可 |
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- 第九は、交響曲に初めて人の声を入れた曲。歌詞はシラーの「歓喜に寄す」
- 初演の日、耳の聞こえないベートーヴェンは拍手に気づかず、歌手にふり向かされた
- 日本で最初の全曲演奏は、1918年6月1日、徳島の板東俘虜収容所のドイツ兵
- 「歓喜の歌」は、EUの歌。ただし歌詞はない
まとめ
- 1824年5月7日、ウィーンで初演。ベートーヴェン最後の交響曲
- 最後の楽章に、交響曲として初めて合唱が入った
- 自筆の楽譜は、2001年にユネスコ「世界の記憶」に。1985年からEUの公式の歌
- 日本での最初の全曲演奏は、1918年、板東俘虜収容所(いまの鳴門市)のドイツ兵捕虜
- ほかの音楽の話は、大人の音楽の教養・入門、オペラはオペラの楽しみ方もどうぞ
参考文献
- UNESCO Memory of the World. Ludwig van Beethoven: Symphony no 9, d minor, op. 125. https://www.unesco.org/en/memory-world/ludwig-van-beethoven-symphony-no-9-d-minor-op-125 (閲覧日:2026年10月22日)
- European Union. European anthem. https://european-union.europa.eu/principles-countries-history/symbols/european-anthem_en (閲覧日:2026年10月22日)
- HISTORY. Beethoven’s Ninth Symphony debuts in Vienna(May 7, 1824). https://www.history.com/this-day-in-history/may-7/beethoven-ninth-symphony-debuts-vienna (閲覧日:2026年10月22日)
- 鳴門市ドイツ館. ドイツ館とは. https://doitsukan.com/what.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 鳴門市. なると第九を彩る郷土の宝. https://www.city.naruto.lg.jp/contents/daiku/treasure.html (閲覧日:2026年10月22日)
- NHK交響楽団. ベートーヴェン「第9」演奏会(2026年12月). https://www.nhkso.or.jp/concert/202612No9.html?pdate=20261217 (閲覧日:2026年10月22日)
- NHK交響楽団. N響プロフィール. https://www.nhkso.or.jp/about/profile/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。