
プレ男悲しみを消す薬!? 神話には、そんなものまで出てくるんだ。

メル美『オデュッセイア』で、ヘレネが宴の酒にまぜた薬草のお話なんだって。もちろん、神話の中の薬よ。
こんにちは、Dr. Taro です。 神話の解説、今回はギリシャ神話の、ヘレネのわすれ薬と木馬の思い出です。ホメロス『オデュッセイア』第4巻(サミュエル・バトラー英訳、プロジェクト・グーテンベルク)を読みました。同じ第4巻で、メネラオスが海の老人から話を聞く場面はプロテウスへ。木馬の中に兵がいると警告した王女はカッサンドラへ。
プロフィール
| 場所 | スパルタのメネラオスの館 |
| たずねた若者 | オデュッセウスの息子テレマコスと、ネストルの息子ペイシストラトス |
| ヘレネの薬草 | 「心配も悲しみも、きげんのわるさも消す薬草」 |
| もらった相手 | エジプトのポリュダムナ(トーンの妻) |
| ヘレネの話 | こじきの姿でトロイアにしのびこんだオデュッセウス |
| メネラオスの話 | 木馬の中で、仲間の声をおさえたオデュッセウス |
1. 泣いてしまった宴
- 父オデュッセウスの行方をさがすテレマコスは、スパルタの王メネラオスの館をたずねました
- メネラオスが、オデュッセウスにしてあげたかったことを語ると、その言葉に、ヘレネも、テレマコスも、メネラオスも泣きだしました。ペイシストラトスも、トロイアでなくなった兄のことを思いだして、涙をこらえられませんでした
- ペイシストラトスは、「夕食のときに泣くのは、あまり好きではありません。朝が来たら、なくなった人のために、いくらでも泣きましょう」と言い、メネラオスも「泣くのはやめて、食事にもどろう」と言いました
2. エジプトの薬草
- 「そのとき、ゼウスの娘ヘレネは、べつのことを思いついた。心配も悲しみも、きげんのわるさも消す薬草を、酒にまぜたのだ」
- この薬草は、エジプトの女性で、トーンの妻ポリュダムナが、ヘレネにあたえたものでした。「エジプトには、混酒のかめに入れるとよい薬草も、毒になる薬草も、あらゆる薬草が生えている。そして、その国の人はみな、すぐれた医者である。パイエオンの一族だからだ」と書かれています
- ヘレネは、薬草をかめに入れ、召使いたちに酒をくばらせてから、話をはじめました

メル美悲しい気持ちのまま夜をすごさないように…っていう、ヘレネの気づかいだったのかな。
3. ヘレネが語ったオデュッセウス
- 「オデュッセウスは、トロイアにいたとき、体に傷やあざをつけ、ぼろを着て、召使いかこじきのような姿で、敵の町に入っていきました。仲間のところにいるときとは、まるでちがう姿で。だれも何も言いませんでした」
- 「わたしだけが気づいて、たずねましたが、彼はとてもかしこくて、なかなか話しませんでした。わたしが体を洗い、着物をあたえ、彼が無事に陣営にもどるまでトロイア人に言わないとちかうと、ようやくギリシャ人の計画を話してくれたのです」
4. メネラオスが語った木馬
- メネラオスは言いました。「わたしは多くの英雄とつきあったが、オデュッセウスのような人は見たことがない。木馬の中でも、なんというがまん強さと勇気をしめしたことか」
- 「木馬の中には、アルゴスのいちばん勇敢な者たちが、トロイア人をたおすために待ちぶせしていた。そのとき、あなたがやってきた。……あなたは、わたしたちのかくれ場所のまわりを3度まわってなでまわし、ひとりひとりの名をよび、わたしたちの妻の声をまねした」
- 「ディオメデスとわたしは、とびだそうか、中から答えようか迷ったが、オデュッセウスがみなをおしとどめた。アンティクロスだけが答えかけたが、オデュッセウスがその口を両手でおさえ、アテナがあなたをつれさるまで、はなさなかった。それが、わたしたちみんなを救ったのだ」

プレ男奥さんの声で名前をよばれたら、思わず返事しちゃうよね…。それをおさえたオデュッセウス、さすがだ。

『オデュッセイア』第4巻では、ヘレネはエジプトのポリュダムナからもらった薬草を酒にまぜ、そのあと、トロイアでのオデュッセウスの話をしています。
まとめ
- テレマコスがたずねたスパルタの館で、オデュッセウスを思ってみなが泣いてしまった
- ヘレネは、エジプトのポリュダムナからもらった、悲しみを消す薬草を酒にまぜた
- ヘレネは、こじきの姿でトロイアにしのびこんだオデュッセウスの話をした
- メネラオスは、木馬の中で、ヘレネに名をよばれても、仲間の声をおさえたオデュッセウスの話をした
- 同じ第4巻のプロテウス、木馬について警告したカッサンドラ、帰郷の物語オデュッセウスもどうぞ
参考文献
- Homer. The Odyssey(英訳:Samuel Butler), Book IV. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/1727 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。



