しわ・たるみの機械の治療(フラクショナルレーザー・高周波RF・HIFU):学会の診療指針はどれも「弱く推奨」。効果は手術や注入に及ばないが、体に異物を残さない。やけど・傷あと・色素沈着に注意
日本皮膚科学会など5学会の「美容医療診療指針」(2020年)によると、しわ・たるみに使われる主な機器は、フラクショナルレーザー、高周波(RF、ラジオ波)、HIFU(高密度焦点式超音波)です。3つとも「治療を希望する患者には弱く推奨」で、効果は外科手術や注入剤に及ばないものの、傷あとが残ることはまれで、体に異物を残さない選択肢とされています。一方で、やけど・傷あと・色素沈着や、HIFUでは神経の傷害によるしびれなどの副作用に注意が必要で、国内で承認された機器は限られています。

メル美注射やメスはこわいから、機械でしわやたるみをケアしたいんだ。レーザーとかラジオ波とか、いろいろあってよくわからない…。

プレ男ぼくも、目の下のたるみが気になってきた。機械の治療って、どのくらい効くんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 「美容医療」から、今回はしわ・たるみの機械の治療の話です。日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会・日本美容外科学会(JSAPS・JSAS)の5学会による「美容医療診療指針」(令和元年度厚生労働科学特別研究事業、2020年)の「シワ・タルミに対するレーザー等の機器による治療」をもとにまとめ、改訂版(令和3年度厚生労働科学研究補助金)の内容も確認しました。
主な機器は3つ
| 機器 | しくみ | 指針の推奨度 |
|---|---|---|
| フラクショナルレーザー | ごく細いレーザー光を細かい間隔で当て、皮膚を小さな円柱状に蒸散・熱凝固させて、修復・再生をうながす | 弱く推奨 |
| 高周波(RF、ラジオ波) | 電気のエネルギーで皮膚の内部を温め、修復・再生をうながす | 弱く推奨 |
| HIFU(高密度焦点式超音波) | 超音波を一点に集めて、皮膚の深いところや皮下組織を熱凝固させ、引き締める | 弱く推奨 |
(美容医療診療指針 CQ2-1-1〜2-1-3 より)
- 指針は、3つとも「治療を希望する患者には、行うことを弱く推奨する」としています
- その理由は、効果は外科手術や注入剤を用いた治療に及ばないものの、傷あと(瘢痕)ができることはまれで、体の中に異物を残さないため、手術以外の方法を希望する人の選択肢のひとつになる、というものです

メル美「手術や注入ほどは効かないけど、異物を残さない」っていう位置づけなんだね。
フラクショナルレーザー
- 皮膚を蒸散させるタイプ(炭酸ガスレーザーなど)と、蒸散させず内部を熱凝固させるだけのタイプがあります
- 当てたところの治りが早く、色素沈着や傷あとのリスクも低くなるとされています
- ただし、色素沈着、やけど、傷あとなどの副作用に注意が必要です
- 承認状況:炭酸ガスレーザーの本体は国内で承認されているものが多いものの、フラクショナル照射に必要なアタッチメントで医療機器として承認されているのは、指針の時点で1種類だけです
高周波(RF)
- モノポーラ(単極)は深いところを広く温められ、たるみ治療の主流とされています。バイポーラ(双極)はごく浅いところが中心で、表面の引き締めが中心です
- 比較的安全とされていますが、やけど、傷あとなどの副作用に注意が必要です
- 承認状況:医療機器として国内で承認されているのは、指針の時点で1種類だけです
- なお、指針の評価は医療機関での治療が対象で、家庭用の市販の機器は対象にしていません
HIFU(ハイフ)
- 指針は、HIFUを合併症の危険性が低く、たるみ治療の選択肢のひとつとして「弱く推奨」としています
- ただし、副作用として傷あとや神経のまひなどがあげられ、十分な注意が必要とされています
- 承認状況:指針の時点では、HIFUの機器はすべて国内未承認です
- ただし、レーザーのように特定の組織だけを選んで壊すことはできないため、解剖の知識がないと、皮膚の下の神経・血管・筋肉を傷つけるおそれがあります。施術のあとにしびれや感覚の異常が出た例も報告されています
- 日本では、HIFUを医師でない人が業として行えば医師法違反になると、厚生労働省が2024年に通知しています(HIFU(ハイフ)は、医師しか行えない)

しわ・たるみの機械の治療は、学会の診療指針では、手術や注入ほどの効果はないものの、異物を残さない選択肢のひとつとされています。やけどや色素沈着などの副作用と、使う機器が承認されているかを確認してから受けましょう。
受ける前に確かめたいこと
-
どの機器を使うのか、日本で承認された医療機器か
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期待できる効果の程度(手術や注入とくらべて)と、何回くらい必要か
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やけど・傷あと・色素沈着などの副作用と、起きたときの対応
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医師が行うか、医師の指示のもとで行うか
-
ほかの方法(注入、手術)の説明も受けて、自分で選ぶ
-
注入については顔の吸収されないフィラー、シミのレーザーはシミのレーザー治療の記事もどうぞ

プレ男効果の程度と副作用を聞いて、ほかの方法とくらべてから決めるよ。
まとめ
- しわ・たるみの主な機器は、フラクショナルレーザー・高周波(RF)・HIFU
- 5学会の診療指針では、3つとも「弱く推奨」
- 効果は手術や注入に及ばないが、傷あとはまれで異物を残さない
- やけど・傷あと・色素沈着、HIFUではしびれなどに注意。承認された機器は限られる(HIFUは指針の時点ですべて未承認)
参考文献
- 日本皮膚科学会, 日本形成外科学会, 日本美容皮膚科学会, 日本美容外科学会(JSAPS), 日本美容外科学会(JSAS). 美容医療診療指針(令和元年度厚生労働科学特別研究事業). 日本美容外科学会会報 42(特別号), 2020. 第2章第1節 シワ・タルミに対するレーザー等の機器による治療(CQ2-1-1、CQ2-1-2、CQ2-1-3). https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/biyosinryo.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
- 日本皮膚科学会, 日本形成外科学会, 日本美容皮膚科学会, 日本美容外科学会(JSAPS), 日本美容外科学会(JSAS). 美容医療診療指針(令和3年度厚生労働科学研究補助金). 日本美容外科学会会報 44(特別号). https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/biyo2v.pdf (閲覧日:2026年10月5日)(第2章第1節。3つの機器の推奨度は改訂版でも同じ)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。