
プレ男「八百屋お七」って、名前は聞いたことあるけど、どんな話?

メル美好きな人に会いたくて、火をつけちゃった女の子の話だよね…。
こんにちは、Dr. Taro です。 「大人の教養」から、江戸時代の恋と罪の物語、八百屋お七の話です。文京区の案内をもとにまとめました。
お七の物語(文京区の案内より)
- お七は、1668年に生まれ、1683年に亡くなったとされる、江戸の八百屋の娘です。生家は、駒込片町(一説には本郷追分)の大きな八百屋でした
- 天和2年(1682年)12月の「天和の大火」で家が焼け、一家は菩提寺の円乗寺に避難します
- 避難しているあいだに、お七は寺の小姓(こしょう)の山田佐兵衛と恋仲になりました
- やがて家が建て直され、お七は家に戻ります。ところが、佐兵衛に会いたい一心で、火をつけてしまったのです
- 放火は大罪です。捕らえられたお七は、天和3年(1683年)3月、火あぶりの刑になりました

プレ男家が燃えたら、また会えると思ったんだ…。切ないけど、やったことはとんでもないね。

喜多川歌麿の錦絵(1800年ごろ)。メトロポリタン美術館の作品名は「The Lovers Oshichi and Kichisaburo」(恋人のお七と吉三郎)。パブリックドメイン
文学や芝居に
- お七の話は、井原西鶴の『好色五人女』などで知られるようになりました
- その後も、歌舞伎や浄瑠璃などで、くり返し演じられてきました
どこまでが史実?:辞典によって違う「恋人の名前」
お七の話は、事件のすぐあとから小説や芝居、歌で広まったため、史実と創作が混ざって伝わっています。百科事典を比べると、細部がかなり違います。
| 辞典による違い | |
|---|---|
| 恋人の名前 | 寺小姓の「生田庄之助」(一説に左兵衛)、「山田佐兵衛」、「吉三郎」など |
| 避難した寺 | 正仙寺(一説に円乗寺) |
| 刑 | 1683年3月29日、鈴ヶ森の刑場で火刑(多くの辞典で共通) |
- 芝居などで有名な恋人「吉三郎(吉三)」の名前は、作品によって役どころが違い、日本大百科全書などでは、お七をそそのかした別の人物の名前としても出てきます
- お七が焼け出された1682年の大火は、のちの作品では、まるでお七が放火した火事のように脚色され、「お七火事」と呼ばれるようになりました(世界大百科事典)。実際には、お七の放火は翌年のことです
- 事件のようすを詳しく書いた同時代の見聞記『天和笑委集』は、井原西鶴の『好色五人女』(1686年)の素材になったと考えられています

メル美恋人の名前さえ、本によって違うんだね。それだけ、いろんな人が語り継いできたってことか。
文京区・白山に残るお墓
- お七のお墓は、文京区白山の天台宗・円乗寺にあります(都営三田線「白山」駅の近く)
- お墓は3基あり、真ん中はお寺の住職が供養のために建てたもの、右は歌舞伎でお七を演じた役者(岩井半四郎)との縁で建てられたもの、左は近所の人たちが270回忌の法要のために建てたものとされています
東京デートで白山を歩くときに話せる、ちょっと切ない江戸の話です。
まとめ
- お七は江戸の八百屋の娘(1668〜1683年とされる)
- 天和の大火で避難した寺で、小姓の佐兵衛と恋仲に
- 会いたい一心で放火し、火あぶりの刑に
- 井原西鶴『好色五人女』や芝居で知られる
- お墓は文京区白山の円乗寺に3基
- あわせて読みたい:鈴ヶ森刑場跡
参考文献
- 文京区. 八百屋お七の墓(円乗寺). https://www.city.bunkyo.lg.jp/b014/p003782.html (閲覧日:2026年9月27日)
- コトバンク(日本大百科全書(ニッポニカ)、改訂新版 世界大百科事典、ブリタニカ国際大百科事典ほか). 八百屋お七. https://kotobank.jp/word/%E5%85%AB%E7%99%BE%E5%B1%8B%E3%81%8A%E4%B8%83-143416 (閲覧日:2026年9月28日)
- コトバンク. 天和笑委集. https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A9%E5%92%8C%E7%AC%91%E5%A7%94%E9%9B%86-1188314 (閲覧日:2026年9月28日)
- The Metropolitan Museum of Art. Kitagawa Utamaro, The Lovers Oshichi and Kichisaburo(ca. 1800)(Open Access). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/45015 (閲覧日:2026年10月2日)
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