
メル美ふだんは優しい人なのに、飲むと急に怒りっぽくなって、次の日は「覚えてない」って言う人がいるの。

プレ男「酒癖が悪い」ってやつだね…。あれって性格の問題なのかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、酔い方の異常の話です。厚生労働省の「e-ヘルスネット」の記事「酔い方の異常」(久里浜医療センター・西村光太郎精神科医長、2021年10月19日更新)をもとにまとめました。
酔い方には個人差がある
- 酔いは、アルコールが脳の働きに作用して起こります。作用のしかたには個人差があるので、酔い方にも個人差があります
- ふつうは、体内のアルコール濃度が上がるにつれて、気分がよくなる → 感情のブレーキがはずれて、おしゃべりになったり大声で騒いだりする → 意識がもうろうとして会話が成り立たなくなる、と進むことが多いです
- なかには、少量で多弁になる人や、すぐ眠ってしまう人もいます
単純酩酊と異常酩酊
日本でよく使われる酔い方の分類(ビンダーの分類)では、次のように分けています。
| 分類 | どんな状態か |
|---|---|
| 単純酩酊 | 血中濃度に見合ったふつうの酔い。異常な興奮はなく、周りの状況の把握や態度は比較的保たれている |
| 複雑酩酊(異常酩酊) | 気分の変化が激しく、ささいなことで不機嫌になったり、激しい興奮が出たりする。いわゆる「酒癖が悪い」「酒乱」。一時的に静まっても興奮がぶり返し、長く続くことがある。記憶は断片的なことが多い |
| 病的酩酊(異常酩酊) | 意識障害があり、幻覚が出たり、ここがどこか・今がいつかがわからなくなったりする。周りから理解できない激しい興奮や乱暴な行動を起こし、翌日は覚えていない。それほど大量に飲まなくても起こることがある |

プレ男「酒乱」って、医学的にも「異常な酔い方」として分けられてるんだ。
事故や事件につながることも
- 複雑酩酊では、重大な感情的な犯罪や、突発的な自殺につながることもしばしばあります
- 酔ったときの犯罪は、一般に暴力や性犯罪につながりやすいことが知られています。米国の司法統計では、有罪となった人の約6割が犯行時にアルコールか薬物を使い、約3割はアルコールだけを使っていたという報告もあります
- 飲むかどうかは本人が決めることなので、酔ったうえでの犯罪にも、責任についてかなり厳しい態度がとられる傾向にあります
異常酩酊は、くり返しやすい
- 異常酩酊の背景には、遺伝的な体質、アルコール依存症、脳の病気やけが(脳挫傷や脳梗塞など)、極度の疲れや衰弱などが考えられています
- 異常酩酊はくり返すことが多く、事故や事件につながる危険が高いため、断酒を始めることが必要とされています

血中濃度に見合わない激しい興奮や、翌日覚えていないような酔い方は「異常酩酊」と呼ばれます。くり返しやすく、事故や事件につながる危険が高いため、断酒が必要とされています。
身近な人の酔い方が心配なとき
- 酔ったときに暴力をふるわれる、こわい思いをしている場合は、ひとりで抱えず相談を。恋人間の暴力についてはデートDVの記事もどうぞ
- お酒をやめられない場合は、アルコール依存症の可能性も。精神保健福祉センターや保健所、依存症の専門医療機関に相談できます

メル美性格じゃなくて「酔い方」の問題なら、お酒との付き合い方を考えてもらうきっかけになるかも。
- 飲みすぎそのものの危険は急性アルコール中毒の記事もどうぞ
まとめ
- 血中濃度に見合った酔いは単純酩酊。見合わない激しい興奮や幻覚などは異常酩酊
- 異常酩酊は、「酒乱」にあたる複雑酩酊と、翌日覚えていない病的酩酊
- 暴力・事件・自殺につながることも
- くり返しやすく危険が高いため、断酒が必要
参考文献
- 西村光太郎. 酔い方の異常. 厚生労働省 e-ヘルスネット(2021年10月19日更新). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-03-004.html (閲覧日:2026年9月29日)
- 辻本哲士. 精神保健福祉センターと保健所. 厚生労働省 e-ヘルスネット(2020年2月6日更新). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-08-003.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。