頬や額の茶色〜紫がかった茶色の小さなシミ、「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」かも:肝斑とちがって美白剤やピーリングは効かず、レーザー治療を学会が「強く推奨」。ただし何回もの治療と、色が抜けるなどのリスクも
日本皮膚科学会など5学会の「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」によると、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は、皮膚の深いところ(真皮)にメラニンをもつ細胞があるシミで、アジア人の20歳代の女性に多く、女性は頬骨のあたり、男性は額の両側にできやすいとされます。肝斑とまちがえやすいものの、美白剤やケミカルピーリングは効かず、Qスイッチレーザーなどによる治療が必須とされ、指針はレーザー治療を「強く推奨」しています。ただし、何回もの照射が必要で、色が抜ける・色素沈着などの副作用もあります。

メル美20代の後半から、頬骨のあたりに小さな茶色っぽいシミがぽつぽつ出てきたの。美白の化粧品を使っても、全然薄くならない…。

プレ男シミにも種類があるって前に読んだよね。それ、どの種類なんだろう?
こんにちは、Dr. Taro です。 「美容医療」から、今回はADM(後天性真皮メラノサイトーシス)というシミの話です。日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会・日本美容外科学会(JSAPS・JSAS)の5学会による「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」の「シミ(ADM)に対するレーザー治療」(CQ1-2、改訂版で追加)をもとにまとめました。
ADMってどんなシミ?
- 皮膚の深いところ(真皮)に、メラニンをもつ細胞(メラノサイト)がある、あとから出てくる色素の病気です
- アジア人に多く、20歳代の女性に多いとされています
- できやすい場所は、女性では頬骨のあたり、男性では額の両側です
- 小さな斑点がいくつも集まった形で、色は褐色〜褐紫色が多いとされます
- 家族の中で出ることもあります
- 真皮のメラノサイトが活発になるきっかけとして、紫外線、けが、皮膚の炎症、妊娠などがあげられていますが、きっかけがわからないことも多くあります
太田母斑とのちがい
- 似た病気の太田母斑は、生まれたとき〜1歳ごろか思春期に出て、大きな斑で青っぽい色のことが多いのに対し、ADMは20歳代に出ることが多く、小さな斑が多発します

メル美20代の女性に多くて、頬骨のあたり…。わたしのシミ、あてはまるかも。
肝斑とのちがいが、いちばん大事
- 指針が紹介する欧州の専門家の見解では、ADMの治療では肝斑と見分けて正しく診断することが最も重要とされています
- ADMは肝斑とちがい、美白剤やケミカルピーリングは効かず、Qスイッチレーザー(ごく短い時間だけ光を当てるレーザー)による治療が必須とされています
- 一方、肝斑は、強い出力のレーザーで悪くなることがあります。だからこそ、どちらのシミかの診断が大切です(シミのレーザー治療)
指針の評価:レーザー治療を「強く推奨」
- 指針は、「ADMにレーザー治療は有効である」とし、推奨度は「治療を希望する患者には、強く推奨する」です
- 安全性は「比較的安全」、承認状況は「一部承認済み」とされています
何回かの治療と、副作用
- 研究の例では、Qスイッチレーザーで7回以上の治療をして、完全に治ったのが34.4%という報告があります
- 同じ研究では、治療のあとに色が抜けた(脱色素斑)人が50%、色素沈着が出た人が12.5%でした
- 何回くらい必要か、色が抜ける・色素沈着などのリスクを、治療の前に医師から説明してもらいましょう

ADMは肝斑とまちがえやすいシミで、美白剤やピーリングは効かないとされています。まずはどの種類のシミか、皮膚科などで診断してもらってから治療を選びましょう。
受ける前に確かめたいこと
- ADMと診断されたか(肝斑や、ほかのシミとの見分け)
- 何回くらい照射が必要か、間隔は
- 色が抜ける・色素沈着などのリスクと、起きたときの対応
- 日焼け対策も続けましょう
- ほかのシミの種類と治療はシミのレーザー治療、ピーリングについてはケミカルピーリングの記事もどうぞ

メル美化粧品で消そうとするより、まず皮膚科でシミの種類を診てもらうね。
まとめ
- ADMは、真皮にメラノサイトがあるシミ。アジア人の20歳代の女性に多く、女性は頬骨、男性は額の両側
- 肝斑とまちがえやすい。ADMには美白剤やピーリングは効かない
- 5学会の診療指針(改訂版)は、ADMへのレーザー治療を「強く推奨」
- 何回もの治療が必要で、色が抜ける・色素沈着のリスクも
- まずはシミの種類の診断から
参考文献
- 日本皮膚科学会, 日本形成外科学会, 日本美容皮膚科学会, 日本美容外科学会(JSAPS), 日本美容外科学会(JSAS). 美容医療診療指針(令和3年度厚生労働科学研究補助金). 日本美容外科学会会報 44(特別号), 2022. 第1章第2節 シミ(後天性真皮メラノサイトーシス:ADM)に対するレーザー治療(CQ1-2). https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/biyo2v.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。