
オタ男「女性は結局、年収で選ぶ」ってネットで見て、ちょっと落ちこんでて…。

アソ美わたしは「男の人は見た目しか見てない」って聞くよ。世界の研究ではどうなってるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、結婚相手に求める条件の男女差について、2つの論文の原文をもとにまとめました。
- ウォルター(Walter)ら「Sex Differences in Mate Preferences Across 45 Countries: A Large-Scale Replication」(学術誌 Psychological Science、2020年)
- セルターマン(Selterman)ら「Do Men and Women Exhibit Different Preferences for Mates? A Replication of Eastwick and Finkel (2008)」(学術誌 SAGE Open、2015年)
日本の未婚者が結婚相手に求める条件は、結婚相手に求める条件は?国の調査(2021年)の記事にまとめています。
研究1:45か国・1万4,399人の「理想の相手」
- 1989年に、心理学者のバス(Buss)が37の文化・1万人以上で行った有名な調査を、新しいデータでやり直した研究です。論文によると、1989年の調査でも、男女ともやさしさと知性をいちばん大事にしていました
- 今回は45か国の1万4,399人(年齢の中央値25歳)が、理想の長く付き合う相手を5つの点について1〜7で答えました。大学と地域の両方で集めていて、日本は入っていません(韓国・中国などは入っています)
理想の相手に求める度合い(1〜7、平均)
| 女性 | 男性 | |
|---|---|---|
| やさしさ | 6.23 | 6.12 |
| 健康 | 6.10 | 6.00 |
| 知性 | 6.03 | 5.92 |
| 見た目の魅力 | 5.56 | 5.85 |
| 経済的な見通し | 5.48 | 5.11 |
- 男女とも、やさしさ・知性・健康を、経済力や見た目より重く見ていました
- 経済的な見通しは女性、見た目の魅力は男性のほうが重く見ていて、論文は、この男女差は世界のどこでも見られるとまとめています
- やさしさ・知性・健康も、女性のほうが少しだけ高く求めていました

アソ美男女とも、いちばんは「やさしさ」なんだ。見た目とお金の差は、思ったより小さいね。
研究2:実際に会って話すと、男女差は見られなかった
- アメリカのメリーランド大学の学生307人が、18回のスピードデートの会に参加しました。1人あたり平均約9人と、4分間ずつ話しています
- 話した相手ごとに、「見た目の魅力」「経済的な見通し(仕事の将来性・意欲)」「人柄(楽しい・応えてくれる・信頼できる・親しみやすい)」をどう感じたかと、恋愛として惹かれた度合いを答えました。おたがいに「また会いたい」となった相手がいた人は、その後30日間、3日ごとにアンケートで追っています
- これは、2008年のイーストウィック(Eastwick)とフィンケル(Finkel)の研究を、同じ方法でくり返した実験(追試)です
わかったこと
- 相手を見た目が魅力的、経済的な見通しがある、人柄がよいと感じるほど、恋愛として惹かれていました(相関は見た目0.36、人柄0.29、経済的な見通し0.19)
- ただし、この結びつきの強さに、男女のちがいは見られませんでした。「女性は経済力を、男性は見た目を、とくに重く見る」という傾向は、実際に会って話した場面では出てこなかった、という結果です
- 論文は、アンケートで答える理想の条件は、実際に会ったときの惹かれかたを予測する力が小さい、という考えを支える結果だとしています

オタ男理想を聞かれたときの答えと、会って話したときの気持ちは、ちがうことがあるんだ。

45か国の調査では、男女とも「やさしさ」をいちばん求めていました。経済力と見た目には男女差がありましたが、実際に会って話したスピードデートの実験では、その男女差は見られませんでした。
研究の限界
- 研究1は、理想をたずねたアンケートです。実際にだれを選んだかを調べたものではありません。参加者の約64%はすでに付き合っている相手がいました
- 研究1の国は、研究者が協力できた国で、日本は入っていません。論文も、質問の形が1989年の調査と少しちがうことを限界にあげています
- 研究2の参加者は大学生(年齢を答えた人の平均は約19歳)で、追跡のアンケートの回収が少なく、マッチの数も元の研究より少なめでした。論文は、大学生はスピードデートの研究にあまり向いていない可能性や、4分の会では長い付き合いの相手として見ていないかもしれないことを限界にあげています
- 別の方法で行ったスピードデートの研究では、男女差が見られたものもある、と論文自身が紹介しています
婚活に当てはめると
- 世界の調査では、男女ともいちばん求めていたのはやさしさでした。「女性はお金だけ」「男性は顔だけ」とはいえません
- 理想の条件を並べたリストと、実際に会ったときの「また会いたい」は、一致しないことがある。条件のリストだけでは相手を決めきれない理由のひとつになりそうです
- 「いい遺伝子」と「いい父親」をめぐる研究は「Good genes」と「Good dad」、恋愛と結婚の条件の話は結婚に「愛」は必要?の記事もどうぞ

オタ男年収で負けた気になってたけど、まずは会って、ちゃんと話すことを大事にするよ。

アソ美わたしも、条件のリストだけで決めずに、会ったときの感じも大事にしてみる。
まとめ
- 45か国・1万4,399人の調査では、男女ともやさしさ(女性6.23・男性6.12)をいちばん求め、知性・健康も経済力や見た目より上だった
- 経済的な見通しは女性、見た目は男性のほうが重く見る男女差は、世界の各地で見られた
- 大学生のスピードデートの実験では、見た目・人柄・経済的な見通しを感じるほど惹かれたが、その結びつきに男女差は見られなかった
- 理想のアンケートと、会ったときの気持ちはちがうことがある
参考文献
- Walter KV, Conroy-Beam D, Buss DM, et al. Sex Differences in Mate Preferences Across 45 Countries: A Large-Scale Replication. Psychological Science. 2020;31(4):408-423. doi:10.1177/0956797620904154. https://doi.org/10.1177/0956797620904154 (閲覧日:2026年10月22日)
- 同上(ドレスデン工科大学リポジトリ掲載版). https://tud.qucosa.de/id/qucosa%3A71969 (閲覧日:2026年10月22日)
- Selterman DF, Chagnon E, Mackinnon SP. Do Men and Women Exhibit Different Preferences for Mates? A Replication of Eastwick and Finkel (2008). SAGE Open. 2015;5(3). doi:10.1177/2158244015605160. https://doi.org/10.1177/2158244015605160 (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。


