
マジ男「いい人止まり」ってよく言われるんだ。女性は結局、ちょい悪でかっこいい人に惹かれるのかな…。

ハイ男オレはモテるけど、「結婚相手としては…」って言われたことがある。これって何なんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、進化心理学でよく話題になる「Good genes(良い遺伝子)」と「Good dad(良い父親)」の話です。論文データベースで確認した研究をもとに、仮説と、実際の証拠を分けてまとめました。
「Good genes」と「Good dad」という考え方
- 進化心理学では、人類の長い歴史のなかで、子育てに時間とエネルギーを注ぐことと、新しい相手を探すことのあいだに「トレードオフ」があったと考える説があります
- 2000年に発表された論文(Gangestad & Simpson)は、次のように論じました
- 遺伝的な質の高さを感じさせる特徴をもつ男性は、短い関係の相手として好まれやすい
- いっぽうで、遺伝的な魅力と、子育てに協力してくれる姿勢のあいだにはトレードオフがある
- だから、男性も女性も、状況に応じて、短い関係と長い関係の戦略を使い分けるように進化した
- ここから、「Good genes(遺伝子のいい男)」と「Good dad(いい父親になりそうな男)」という言い方が広まりました

アソ美ドキドキする人と、結婚したい人がちがうのは、進化のせいだったの!?
「月経周期で好みが変わる」説は、本当?
この考え方から、「妊娠しやすい時期には、遺伝的な質を感じさせる男性にとくに惹かれる」という「排卵期シフト仮説」が生まれ、たくさんの研究が行われました。ところが、結果は割れています。
| 研究 | 結果 |
|---|---|
| 2014年のメタ分析(Gildersleeveら、50研究) | 仮説どおりの好みの変化が見られた。ただし、短い関係の魅力を評価したときだけで、長い関係の魅力では見られなかった |
| 2014年の反論(Woodら) | 支持する結果は一部の研究に引っぱられている。周期の時期をホルモン検査で確かめた正確な研究ほど、効果はゼロに近づく。未発表の研究では効果が見られない |
| 2018年の大規模研究(Jonesら、584人を長期に追跡) | 男性の顔の男らしさへの好みが、ホルモンの変化と関係しているという説得力のある証拠はなかった。ただし、女性は全体として、短い関係を想定するときに、より男らしい顔を好む傾向があった |
- つまり、「周期によって好みが大きく変わる」という説は、今もはっきりしていないのです

マジ男有名な説でも、大きな研究で確かめたら、はっきりしなかったんだ。

月経周期で好みが変わるという仮説は、2014年のメタ分析で支持された一方、より正確な方法の研究や584人の大規模研究では裏づけられませんでした。仮説と証拠は分けて考えることが大切です。
婚活に生かせること
- 進化の仮説はあくまで集団の傾向を説明しようとするもので、一人ひとりの好みを決めるものではありません
- 実際の婚活では、長い関係の相手として何を見るかがポイントです。国の調査では、未婚者が結婚相手に求める条件の1位は、男女とも「人柄」。女性の70.2%が「家事・育児の能力や姿勢」を重視しています(結婚に愛は必要?)
- 「いい人止まり」と言われても、いっしょに暮らし、子育てを支え合える姿勢は、結婚相手としてしっかり評価されているポイントです
- 「かっこいいけど結婚相手としては…」と言われるなら、家事・育児への姿勢や誠実さを伝える工夫を

アソ美「進化のせい」にしないで、結婚相手には何を求めたいか、自分で考えてみる。

ハイ男オレも、「いっしょに家事をするタイプ」ってところ、もっと見せていこうかな。
まとめ
- 「Good genes(遺伝的な魅力)」と「Good dad(子育てへの協力)」のあいだにトレードオフがある、という進化心理学の説(2000年)
- 「月経周期で好みが変わる」説は、2014年のメタ分析で支持、同年の反論と2018年の584人の研究では裏づけられず。はっきりしていない
- 仮説は集団の傾向の話。一人ひとりを決めるものではない
- 結婚相手に求められる条件の1位は「人柄」。家事・育児への姿勢は、しっかり評価されている
参考文献
- Gangestad SW, Simpson JA. The evolution of human mating: trade-offs and strategic pluralism. Behav Brain Sci. 2000;23:573-587. https://doi.org/10.1017/S0140525X0000337X (閲覧日:2026年9月30日)
- Gildersleeve K, Haselton MG, Fales MR. Do women’s mate preferences change across the ovulatory cycle? A meta-analytic review. Psychol Bull. 2014;140:1205-1259. https://doi.org/10.1037/a0035438 (閲覧日:2026年9月30日)
- Wood W, Carden L. Elusiveness of menstrual cycle effects on mate preferences: comment on Gildersleeve, Haselton, and Fales (2014). Psychol Bull. 2014;140:1265-1271. https://doi.org/10.1037/a0036722 (閲覧日:2026年9月30日)
- Jones BC, et al. No Compelling Evidence that Preferences for Facial Masculinity Track Changes in Women’s Hormonal Status. Psychol Sci. 2018;29:996-1005. https://doi.org/10.1177/0956797618760197 (閲覧日:2026年9月30日)
- 国立社会保障・人口問題研究所. 第16回出生動向基本調査 結果の概要(2021年). https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/JNFS16gaiyo.pdf (閲覧日:2026年9月30日)
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