大人の教養An Evening of Culture

第六幕Act VI — The Archive

パピルスに描かれた場面。中央に大きな天びんがあり、犬の頭の神がひざまずいて天びんを調べ、右には玉座にすわる神、左には2人の女性が立っている

古代エジプトの「死者の書」死者の心臓を天びんにのせ、真実をあらわす羽根とくらべる。「わたしは人を泣かせなかった」と42の罪をしなかったと神々に誓う。じつは「本」ではなく、墓に入れた呪文の集まり

No.0582026年10月7日

古代エジプトの「死者の書」は、死者があの世で無事にすごせるように書かれた呪文や賛歌の集まりです。大英博物館のエジプト学者バッジによると、「死者の書」という名前は、19世紀のはじめのエジプト学者がつけたもので、もとは墓あらしがミイラといっしょに見つかる巻物をよんだ「死人の本」という言葉から来ています。有名なのは、死者の心臓を天びんで真実の羽根とくらべる「オシリスの審判」の場面と、「わたしは人を泣かせなかった」などと42の神々に誓う場面。メトロポリタン美術館所蔵の約3000年前のパピルスの写真とともに解説します。

目次
  1. プロフィール
  2. 「本」ではなかった
  3. 心臓を天びんではかる
  4. 「わたしは人を泣かせなかった」
  5. まとめ

プレ男「死者の書」って名前がこわい…。読むと呪われる本とか?

メル美ぎゃくに、死んだ人があの世で困らないように、お墓に入れたものなんだって。

今回は、古代エジプトの「死者の書」です。大英博物館のエジプト学者 E.A.ウォリス・バッジの解説書『The Book of the Dead』をプロジェクト・グーテンベルクで読み、メトロポリタン美術館の所蔵品の情報で確認しました。以下は、とくにことわりがなければ、バッジの解説の内容です。

プロフィール

中身 死者のための呪文、まじない、賛歌、祈り、神の名前などの集まり
書かれた場所 ピラミッドや墓の壁、棺、パピルスの巻物
エジプトでのよび名 「日の下に出るための章」(ペル・エム・ヘルウ)
「死者の書」という名前 19世紀のはじめ、エジプト学者たちがつけた
有名な場面 心臓を天びんではかる「オシリスの審判」(第125章など)

パピルスに描かれた場面。中央に大きな天びんがあり、犬の頭の神がひざまずいて天びんを調べ、右には玉座にすわる神、左には2人の女性が立っている

「アメン神の女性歌い手ナウニの死者の書」第3中間期・第21王朝、紀元前1050年ごろ。パピルスに彩色、長さ521.5cm。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)

「本」ではなかった

プレ男こわい名前は、墓あらしのよび方から来てたのか!

心臓を天びんではかる

「わたしは人を泣かせなかった」

メル美3000年以上前の人も、「人を泣かせない」「ずるをしない」ことが大切だと考えていたんだね。

バッジによると、死者の書の絵では、死者の心臓を天びんの片方に、真実と正しさをあらわす羽根をもう片方にのせて、はかる場面が大きくえがかれています。

まとめ


参考文献

  1. Budge, E.A. Wallis. The Book of the Dead. Chapters I, III, VII. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/7145 (閲覧日:2026年10月7日)
  2. メトロポリタン美術館. Book of the Dead for the Chantress of Amun, Nauny, Third Intermediate Period, Dynasty 21, ca. 1050 BCE(30.3.31、パブリックドメイン). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/548344 (閲覧日:2026年10月7日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。