
プレ男「目には目を、歯には歯を」って、やられたらやり返せ、って意味でしょ?

メル美古代のハンムラビ法典にも、そういう決まりがあるんだって。でも、だれにでも同じだったわけじゃないみたい。
今回は、ハンムラビ法典です。ケンブリッジ大学クイーンズ・カレッジの C.H.W.ジョンズが1903年に出した英訳『The Oldest Code of Laws in the World』を、プロジェクト・グーテンベルクで読みました。以下は、とくにことわりがなければ、この英訳と序文の内容です。条文の日本語は、英訳から Claude が訳したものです。
プロフィール
| 定めた王 | ハンムラビ(バビロニアの王) |
| 見つかった場所 | エラムのスサ。フランス政府の調査団(J.ド・モルガンが監督)が掘り出した |
| 石碑 | 黒い閃緑岩、高さ8フィート(約2.4m)近く。いくつかに割れて見つかったが、すぐにつなぎあわされた |
| えがかれているもの | 表の上の部分に、すわった太陽神シャマシュから法をさずかる王ハンムラビ |
| 文字 | 表に16段・1114行。さらに5段あったが、けずられて磨きなおされている |
| 最初の出版 | V.シェイル神父による翻刻と翻訳(1902年、パリ) |

ハンムラビ法典の石碑(ルーヴル美術館、Sb 8)。Rmashhadi 撮影、2007年。ウィキメディア・コモンズ(撮影者によりパブリックドメイン)
- ルーヴル美術館の作品データベースでは、ハンムラビ法典の石碑(作品番号 SB 8、オリエント美術部門)は、バビロン第1王朝・ハンムラビ王の時代(紀元前1792年〜紀元前1750年)のもので、玄武岩、高さ225cm、発見は1901〜1902年とされています
なぜバビロニアの法がスサに?
- ジョンズは、エラム人はバビロニアと何百年も争ったライバルで、エラムの征服者が、バビロニアのシッパルの神殿から石碑を持ち去ったのだろう、と書いています
- けずられた5段の文字は、エラムの征服者が自分の名前と称号を刻もうとしてけずったのだろう、とも
「目には目を」(196〜201条)
| 条 | 内容(英訳より) |
|---|---|
| 196条 | 人が紳士(gentleman)の目をつぶしたら、その者の目をつぶす |
| 197条 | 紳士の手足を折ったら、その者の手足を折る |
| 198条 | 貧しい人(poor man)の目をつぶしたり手足を折ったりしたら、銀1マナをはらう |
| 199条 | 紳士の召使いの目をつぶしたり手足を折ったりしたら、その値段の半分をはらう |
| 200条 | 自分と同じ身分の人の歯を折ったら、その者の歯を折る |
| 201条 | 貧しい人の歯を折ったら、銀3分の1マナをはらう |

プレ男同じケガでも、相手の身分で罰がちがうんだ!
医師への決まり(215〜218条)
- 紳士の重い傷を青銅のメスで手当てして治したら、または目の腫れものを切って目を治したら、医師は銀10シェケルを受けとる(215条)
- 患者が貧しい人の子なら5シェケル(216条)、紳士の召使いなら主人が2シェケル(217条)
- 紳士の重い傷を青銅のメスで手当てして死なせたり、目の腫れものを切って目を失わせたりしたら、医師の手を切り落とす(218条)
大工への決まり(228〜230条)
- 大工が家を建てて完成させたら、家の広さに応じて銀を受けとる(228条)
- 大工がしっかり作らず、家がたおれて持ち主を死なせたら、その大工は死刑(229条)
- 持ち主の息子を死なせたら、大工の息子を死刑にする(230条)
最初の条文は「のろい」
- 第1条は、人にのろいをかけたのに、それを正しいと証明できなければ、のろいをかけた者は死刑
- 第2条では、のろいをかけられた人は「聖なる川」にとびこみ、川におぼれたら、のろいをかけた人がその家を手に入れる。川が無実をしめして助けたら、のろいをかけた人が死刑になる、と定めています

メル美きびしい決まりだけど、医師や大工の「仕事の責任」が、そんな大昔から法律になっていたんだね。

ハンムラビ法典の英訳によると、紳士の目をつぶした者は目をつぶされますが、貧しい人の目なら銀1マナをはらうと定められていました。
まとめ
- ハンムラビ法典は、バビロニアの王ハンムラビの法を刻んだ石碑
- フランスの調査団がエラムのスサで発見。高さ約2.4mの黒い閃緑岩
- 上には、太陽神シャマシュから法をさずかる王
- 「目には目を」(196条)は、紳士どうしの場合。貧しい人の目なら銀1マナ
- 手術で死なせた医師は手を切られ、家がたおれて持ち主を死なせた大工は死刑
- 中世イングランドの法の文書はマグナ・カルタ、古代の文書と遺物はロゼッタストーン、死者の書、死海文書もどうぞ
参考文献
- Hammurabi(英訳:C.H.W. Johns). The Oldest Code of Laws in the World(Edinburgh: T. & T. Clark, 1903). Introduction, sections 1–2, 195–201, 215–219, 228–230. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/17150 (閲覧日:2026年10月10日)
- Rmashhadi. Code of Hammurabi, SB 8 (23).jpg, 2007年. Wikimedia Commons(パブリックドメイン). https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Code_of_Hammurabi,_SB_8_(23).jpg (閲覧日:2026年10月10日)
- Musée du Louvre, Collections. Code de Hammurabi(SB 8). https://collections.louvre.fr/en/ark:/53355/cl010174436 (閲覧日:2026年10月10日)
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