ボツリヌストキシンはいつ効いて、いつまで続く?:ふつう2〜3日で効きはじめ、2〜3週間で最大、4〜5か月前後でうすれていく。くり返すうちに効きにくくなる「中和抗体」は、量と間隔に注意
日本皮膚科学会など5学会の「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」によると、しわに使うA型ボツリヌストキシンは、注射後ふつう2〜3日で効果が現れ、2〜3週間で最大になり、個人差はあるものの4〜5か月前後続いたあと、神経の末端が新しくできて効果がうすれていきます。治療に問題となるのは、毒素の部分にくっついて働きを止める「中和抗体」で、これができると効きにくくなります。ふだんの診療では、中和抗体ができるリスクを避けるために、注射の量や間隔に注意する必要があるとされています。製剤ごとに量の単位には互換性がなく、未承認の製剤では注意が必要です。

メル美結婚式の前に眉間のボトックスを考えてるの。何日前に打てばいいのかな。どのくらい持つんだろう。

プレ男何回も打つと効かなくなるって聞いたことがあるけど、ほんとう?
こんにちは、Dr. Taro です。 「美容医療」のボツリヌストキシンから、効きはじめと持続期間、効きにくくなる「中和抗体」の話です。日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会・日本美容外科学会(JSAPS・JSAS)の「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」の「シワ・タルミに対するボツリヌス菌毒素製剤による治療」の基礎知識をもとにまとめました。治療全体についてはボツリヌストキシン治療の記事にまとめています。
どうやって効く?
- しわの治療には、主にA型ボツリヌストキシンが使われます
- 注射すると、筋肉を動かす神経の末端で、筋肉を縮める指令(アセチルコリン)が出るのを止め、筋肉の動きを弱めます
効きはじめと持続期間
| 時期 | 目安(診療指針より) |
|---|---|
| 効きはじめ | ふつう2〜3日 |
| 効果が最大 | 2〜3週間 |
| 持続 | 個人差はあるが、4〜5か月前後 |
- 時間がたつと、神経の末端が新しく芽を出して伝達のしくみが回復し、効果はうすれていきます

メル美最大になるのは2〜3週間後なんだ。直前じゃなくて、余裕をもって相談しないとね。
効きにくくなる「中和抗体」
- ボツリヌストキシンに対する抗体には、毒素の部分にくっついて働きを止める「中和抗体」と、働きを止めない抗体があります
- 治療で問題になるのは中和抗体で、できると、トキシンが神経の受け皿にくっつけなくなり、効きにくくなります
- 製剤の作りによって、中和抗体ができにくいものもあると言われています
- ふだんの診療で、中和抗体ができるリスクを避けるには、注射の量や間隔に注意する必要があるとされています

ボツリヌストキシンは、ふつう2〜3日で効きはじめ、2〜3週間で最大になり、4〜5か月前後でうすれていきます。効きにくくなる中和抗体を避けるため、注射の量や間隔に注意が必要です。
製剤ごとに単位はちがう
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販売されている製剤は、タンパクの大きさや添加物の量がちがいます
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未承認の製剤を使う場合、製剤ごとの量や単位には互換性がないことを念頭に、臨床試験などのデータを参考にする必要があるとされています。使う製剤が承認品かどうかは、受ける前に確かめましょう(ボツリヌストキシンとヒアルロン酸の併用)
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眉間のしわについては眉間のしわのボツリヌストキシンの記事もどうぞ

プレ男「効かなくなったから量を増やそう」じゃなくて、量と間隔はお医者さんとよく相談だね。
まとめ
- ふつう2〜3日で効きはじめ、2〜3週間で最大、4〜5か月前後でうすれる
- 問題になるのは中和抗体。できると効きにくくなる
- 中和抗体を避けるには量と間隔に注意
- 製剤ごとに単位の互換性はない。承認品かを確かめる
参考文献
- 日本皮膚科学会, 日本形成外科学会, 日本美容皮膚科学会, 日本美容外科学会(JSAPS), 日本美容外科学会(JSAS). 美容医療診療指針(令和3年度厚生労働科学研究補助金). 日本美容外科学会会報 44(特別号), 2022. 第2章第4節 基礎知識. https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/biyo2v.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。