
プレ男80代の祖父の腕や太ももに、かゆい赤みと、パンパンにふくらんだ水ぶくれがいくつもできたんだ。糖尿病の薬を飲んでる。

メル美やけどもしていないのに水ぶくれって、何が起きているんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、類天疱瘡の話です。難病情報センターの「類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。)」(令和6年10月更新、稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 皮膚の表皮と真皮の境目にあるたんぱくに対する自己抗体(自分を攻撃する抗体)ができて、皮膚や粘膜に水ぶくれ、ただれ、赤い発疹ができる自己免疫の病気です
- 大部分は水疱性類天疱瘡で、ほかに目や口の粘膜に起こる粘膜類天疱瘡、手足のこすれる部分に起こる後天性表皮水疱症があります
- 遺伝することは通常ありません
どんな人に多い?
- 全国に7,000〜8,000人ほどと推定され、軽い人を含めるとさらに多いと予想されます。高齢化で増えていると考えられています
- 60歳以上、とくに70〜90歳代の高齢の人に多くみられます(後天性表皮水疱症は30〜60歳代に多い)
- 調査では、2型糖尿病の薬のうちDPP-4阻害薬を飲んでいる人で、水疱性類天疱瘡の発症が比較的多いことがわかっています(くわしい因果関係は不明)。一部のがんの薬(免疫チェックポイント阻害薬)の治療を受けている人でも多いことがわかってきています
症状(水疱性類天疱瘡)
- 体や手足に、かゆみをともなう盛り上がった赤い発疹
- パンパンに張った、破れにくい水ぶくれ
- ただれが多くできる
- 口の中などの粘膜に水ぶくれやただれができることもあります

プレ男高齢で、かゆい赤みとパンパンの水ぶくれ、糖尿病の薬…祖父の様子は、類天疱瘡の特徴に当てはまるところがあるんだ。
治療と経過
- 自己抗体をつくるのを抑える免疫抑制療法を行います。中等症以上ではステロイドの飲み薬が中心で、副作用を減らすために免疫抑制薬を組み合わせることもあります。軽い場合は、ステロイドの塗り薬だけでコントロールできることもあります
- 皮膚科専門医に、早く正しい診断を受けることが大切です
- 水疱性類天疱瘡は、治療で比較的早く症状がおさまることが多いとされますが、治療が効きにくいことや、再発をくり返すこともあります
- 高齢の人に多いので、ステロイドの副作用が出やすく、慎重な治療が必要です
日常生活の注意
- 水ぶくれやただれがある時期は、やわらかい素材の、着脱しやすい服を着ましょう
- ばんそうこうを直接はらない:病変全体をガーゼでつつみ、その上からばんそうこうやネットで固定します
- 口の症状が強いときは、固い食べ物をさけましょう
- ステロイドを自己判断で変えたりやめたりすると、急に水ぶくれが再発することがあるので、主治医の指示を守り、飲み忘れに注意しましょう
- ステロイドで感染症にかかりやすくなるので、熱が出たり体調が悪いときは早めに受診しましょう

類天疱瘡は、70〜90歳代の高齢の人に多く、かゆみをともなう赤い発疹と、パンパンに張った破れにくい水ぶくれができる病気です。皮膚科専門医に早く正しい診断を受けることが大切です。

メル美水ぶくれはガーゼで守って、飲んでいる薬のメモを持って皮膚科に行こうね。
まとめ
- 皮膚の境目のたんぱくへの自己抗体で水ぶくれ・ただれ・赤い発疹ができる病気
- 70〜90歳代に多い。全国に7,000〜8,000人、増加傾向
- かゆい盛り上がった赤みとパンパンに張った破れにくい水ぶくれ
- DPP-4阻害薬(糖尿病の薬)を飲んでいる人で比較的多い
- 治療はステロイド中心。皮膚科で早く正しい診断を。ばんそうこうは直接はらない
参考文献
- 難病情報センター. 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む。)(指定難病162)(情報更新日:令和6年10月、稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/4525 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。