親の介護ベッドと電動車いす、ほぼ毎年死亡事故:ベッドは手すりのすき間に首や頭がはさまる事故が半数以上、電動車いすは側溝への転落や踏切。JIS適合品、すき間をふさぐ、走る道を家族で確認【NITE】
NITE(製品評価技術基盤機構)によると、2016〜2025年の10年間に、65歳以上の人が被害にあった介護ベッドの事故は43件、電動車いすの事故は59件で、ほぼ毎年、死亡事故が起きています。介護ベッドでは、すき間に体がはさまる事故が半数以上。電動車いすでは、側溝や川などへの転落、踏切での電車との接触、坂道や段差での転倒が多くなっています。原因は製品の不具合ではなく、使い方や確認不足が半数以上。家族や介助者ができる、事故を防ぐポイントをまとめました。

プレ男実家のじいちゃんが、最近電動車いすで買い物に行くようになったんだ。介護ベッドもレンタルしたって。

メル美便利になる一方で、事故もあるって聞いたよ。家族が気をつけてあげられること、あるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。
今回は、介護ベッドと電動車いすの事故の話です。NITE(製品評価技術基盤機構)の注意喚起「敬老の日に願い、届ける、安全なくらし ほぼ毎年死亡事故が発生!介護ベッド・電動車いすなどの高齢者の事故を防ぐ」(2026年9月17日)をもとにまとめました。
10年で、介護ベッド43件・電動車いす59件
2016〜2025年の10年間に、65歳以上の人が被害にあった事故は、
| 介護ベッド(43件) | 件数 | 電動車いす(59件) | 件数 |
|---|---|---|---|
| すき間にはさまる | 23 | 側溝や川などに転落 | 26 |
| 背上げ部などが落ちる | 5 | 踏切で電車と接触 | 13 |
| 火災 | 5 | 下り坂や段差などで転倒 | 11 |
| 転倒 | 2 | 火災 | 7 |
| その他 | 8 | その他 | 2 |
- どちらも、ほぼ毎年、死亡事故が起きています。事故が起きると死亡や重傷になる割合が高いのも特徴です
- 原因は、どちらも「誤使用・不注意(またはその疑い)」が半数以上。使う前の確認や周りの見守りで防げる可能性がある事故が多い、とされています
NITE が紹介している死亡事故の例:
- 介護ベッドの手すりとマットレスのすき間に首がはさまった状態で見つかった(2022年、80歳代)
- 電動車いすごと水路で見つかった(2024年、80歳代)
- 電動車いすで、遮断機がおりる直前に踏切に入り、出口側の遮断機を持ち上げて出ようとして転倒し、列車と接触した(2021年、60歳代)

プレ男どれも、製品がこわれていたわけじゃないんだ…。
介護ベッドで気をつけること
JIS規格に合った製品を使う
- ベッドのサイドレールや手すりのすき間に頭や首がはさまる窒息事故などを防ぐため、JIS T 9254(在宅用電動介護用ベッド)が2009年に改正され、すき間の決まりが見直されました(2015年にも見直し)
- 2009年より前に作られた製品には、JIS規格に合っていないものが、まだ使われている可能性があります。そうした製品は、すき間にはさまるのを防ぐ対策をしましょう
- 新しく介護ベッドを使うときは、JISマーク付きの製品を選ぶ
すき間をできるだけなくす
- JIS規格に合っていても、すき間からベッドの外の物を取ろうとしたり、体勢をくずしたりして、頭や首、手足がはさまるおそれがあります
- 頭や手足がすき間に入ったまま、まちがってリクライニングを操作して、はさまれることもあります
- 使う人の体の状態や体格に合わせて、スペーサーや保護カバーで、すき間をふさいでおく
- 家族や介助者も、取扱説明書で危ないところやまちがった使い方を確かめましょう
電動車いすで気をつけること
走る道を、家族・介助者と確認する
はじめて道路に出るときは、家族や介助者と、走る練習、交通ルール、安全な道順を確かめます。次のような危ない場所は近づかず、さけるようにします。
- ガードレールのない崖や、ふたのない側溝・水路
- 踏切
- 渡るのに時間がかかる広い道路や、信号のない交差点
- 転倒や衝突のおそれがある急な坂道
やむを得ず通るときは、脱輪しないよう、踏切や道の端を走らないようにします。取扱説明書には、踏切はできるだけ避ける、渡るときは介助者に同行してもらう、警報機が鳴り始めたり遮断機がおり始めたりしたら、絶対に踏切に入らない、と書かれています。
乗る前に、バッテリーと点検
- バッテリー残量を必ず確認。途中で切れると、帰れなくなったり、踏切の中で止まってしまったりするおそれがあります
- 転倒防止装置(転倒防止バーなど)があれば、正しく働くか確かめる
- ハンドルやアクセルレバーのゆるみ、タイヤのひびなどを乗る前に点検。取扱店などで定期点検も受ける

介護ベッドと電動車いすの事故は、製品の故障より、使い方や環境が原因のことが多いです。ベッドのすき間をふさぐ、電動車いすで走る道を家族で一緒に確かめる。見守りで防げる事故があります。
ほかにも、年齢とともに起こりうる事故
NITE は、介護ベッドや電動車いす以外でも、加齢による認知機能や体の機能の変化で、思わぬ事故が起こることがある、としています。たとえば、
- 洗剤や柔軟剤を飲み物とまちがえて飲む
- 運動器具(EMS機器など)を、若い人と同じ感覚で使って、けがや体調不良を起こす
- 視力の低下もあって、ガスこんろの火が服についたことに気づくのが遅れ、やけどをする(冬の「もふもふ」セーターでガスこんろは要注意)
- 使っている杖などの福祉用具がこわれてけがをする
大掃除で使う踏み台は踏み台・足場台の事故を防ぐ、リコール情報はリコール対象かを確かめる方法へ。

プレ男今度帰ったら、じいちゃんと買い物の道を一緒に歩いて、踏切をさけるルートを探してみる。

メル美ベッドの手すりのすき間も、一緒に見てみてね。
まとめ
- 65歳以上の事故は、10年で介護ベッド43件・電動車いす59件。ほぼ毎年死亡事故
- 介護ベッドはすき間にはさまる事故が半数以上。JIS適合品を、すき間はスペーサーや保護カバーで
- 電動車いすは側溝・水路への転落、踏切、坂道や段差。走る道を家族と確認、危ない場所はさける
- 乗る前にバッテリー残量と点検。定期点検も
- 原因の半数以上は使い方や確認不足。家族の見守りが大切
参考文献
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE). 敬老の日に願い、届ける、安全なくらし
ほぼ毎年死亡事故が発生!介護ベッド・電動車いすなどの高齢者の事故を防ぐ(2026年9月17日). https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2026fy/prs260917.html (閲覧日:2026年10月4日) - 同 発表資料(PDF). https://www.nite.go.jp/data/000162418.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。