冬の「もふもふ」セーターでガスこんろは要注意:服に火がつく「着衣着火」で毎年100人前後が亡くなる。こんろの奥に物を置かない、燃えたら「止まって、倒れて、転がって」【NITE・消防庁】
NITE(製品評価技術基盤機構)によると、2020〜2024年の5年間のガスこんろの事故は152件で、原因がわかったものの約7割は誤使用・不注意。火の消し忘れ、近くの燃えやすいものへの着火、服への着火、ペットが操作ボタンを押す事故も。消防庁のデータでは、服に火がつく「着衣着火」で2019〜2023年に487人、毎年100人前後が亡くなっていて、炊事中はたき火中の次に多い。厚手でけば立った服やマフラーに注意、こんろの奥に物を置かない、離れるときは火を消す。服に火がついたときの対処もまとめました。

プレ男寒いから、ふわふわのフリースを着たまま鍋を作ってるんだ。奥のしょうゆを取ろうとしたら、袖がこんろの上を通って…。

メル美あぶない!袖に火がついたら、一瞬で広がるって聞いたよ。
こんにちは、Dr. Taro です。
今回は、ガスこんろと服に火がつく「着衣着火」の話です。NITE(製品評価技術基盤機構)の注意喚起「冬の“もふもふ”接近注意報!ガスこんろの事故で気を付けたい4つのポイント」(2026年1月29日)と、そこで紹介されている消防庁のデータをもとにまとめました。
着衣着火で、毎年100人前後が亡くなっている
- 消防庁の「火災の実態について」によると、2019〜2023年の5年間に、着衣着火で亡くなった人は487人。毎年100人前後です
- 内訳では、「その他」をのぞくと、たき火中がいちばん多く、炊事中が2番目に多くなっています
- 65歳以上の人が亡くなる事故が多く、NITE は、白内障が進むとガスこんろの青い炎が見えにくくなることにも注意をよびかけています
ガスこんろの事故は5年で152件
NITE に通知された2020〜2024年のガスこんろの事故は152件(うち火災111件、死亡7件)。原因がわかったもののうち約7割は誤使用・不注意でした。多かったのは、
- 火の消し忘れ・火を消さずに離れた(17件)
- 近くの燃えやすいもの(服以外)に火がついた(13件)
- こんろやグリルをまちがえて点火した(8件)
- こんろやグリルの汚れを放置した(8件)
- 服に火がついた(4件)
- ペットが操作ボタンを押して点火した(4件)

プレ男犬がボタンを押して火事になることもあるのか…。
服と炎の距離を意識する
- ガスこんろの炎は、目に見えている部分の外にも広がっています。見えている炎から離れていても、服に火がつくことがあります
- 冬は重ね着で服が厚くなり、服が熱くなっても気づきにくい
- けば立った服は、火がつくと表面を一気に炎が走る「表面フラッシュ現象」が起きることがあり、髪に燃え移るおそれもあります
- こんろに背を向けて作業しているときに服に火がついた事故もあります
着衣着火を防ぐ対策(NITE)
- 鍋ややかんの大きさに合わせて火力を調節する(鍋の底から炎があふれないように)
- こんろの奥に調味料などを置かない。どうしても置くなら、火を消してから取る
- マフラーやスカーフなど垂れ下がるものは外す。袖やすそが広がった服、毛足が長い・けば立った服、ひもがついた服はできるだけ避ける
- エプロンやアームカバーで、袖やすそが広がるのをおさえる。防炎・難燃の素材は、火がつきにくく燃え広がりにくい
- こんろのまわりにふきんや樹脂製品などの燃えやすいものを置かない

ガスこんろを使うときは、服と炎の距離を意識して。こんろの奥に物を置かず、けば立った服や垂れ下がるものは避けましょう。もし服に火がついたら、走らずに「止まって、倒れて、転がって」。
もし服に火がついたら
NITE が紹介している、神戸市消防局監修の対処方法です。
- すぐに水や消火器で消す。周りの人に大声で助けを求める。すぐ脱げる服なら脱ぐ
- 服が脱げず、近くに水や消火器がないときは「ストップ、ドロップ&ロール」
- 止まって:パニックで走ると、風で火の勢いが強くなります。まずその場で止まる
- 倒れて:体と床のすきまができるだけないように、床に倒れこむ
- 転がって:燃えているところを床に押しつけるように、左右に転がって消す
- 両手で顔をおおって、顔のやけどを防ぐ
火の消し忘れ・汚れ・ペット
- 調理中にその場を離れるときは、必ず火を消す。こんろとグリルのボタンの押しまちがいにも注意し、使うとき・使ったあとに点火・消火を確かめる
- 煮こぼれ・吹きこぼれはそのつどふく。放置すると、ガス配管がさびてガス漏れしたり、安全装置のセンサーが正しく働かなくなったりします
- 掃除の手間をはぶくために、グリルの焼き網にアルミホイルを敷くなど、取扱説明書で禁止されている使い方をしない。脂が多い調理でアルミホイルを敷き、たまった油脂が発火した事故があります
- ペットがいる家では、出かけるときにガスの元栓を閉め、操作ボタンのロック機能があれば使う。こんろの近くにペットの気をひくものを置かない
IHこんろや電子レンジの事故は電子レンジ・IHこんろの事故を防ぐ、冬の暖房器具は冬のストーブ・ファンヒーターは「距離」と「点検」へ。

プレ男しょうゆはこんろの横に置く。料理のときはフリースを脱いでエプロンにする!

メル美実家の親にも「止まって、倒れて、転がって」を伝えておくね。
高齢の家族の介護ベッドや電動車いすの事故は、親の介護ベッドと電動車いす、ほぼ毎年死亡事故へ。
グリルの汚れやアルミ箔の使い方によるガスこんろの事故は、魚焼きグリルにアルミ箔を敷いて鶏皮を焼いたらへ。
まとめ
- 着衣着火で毎年100人前後が亡くなり、炊事中は2番目に多い(消防庁)
- ガスこんろの事故は5年で152件、原因がわかったものの約7割が誤使用・不注意
- こんろの奥に物を置かない、けば立った服・垂れ下がるものを避ける、エプロンを
- 服に火がついたら水・消火器、なければ「止まって、倒れて、転がって」
- 離れるときは火を消す。汚れを放置しない。ペットがいたら元栓とロック
参考文献
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE). 冬の“もふもふ”接近注意報!
ガスこんろの事故で気を付けたい4つのポイント(2026年1月29日). https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2025fy/prs260129.html (閲覧日:2026年10月4日) - 同 発表資料(PDF。別紙2「着衣着火時の対処方法(神戸市消防局監修)」、別紙3「着衣着火の事故のデータ」をふくむ). https://www.nite.go.jp/data/000160319.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
- 総務省消防庁. 火災の実態について(NITE の発表資料で引用). https://www.fdma.go.jp/relocation/html/life/yobou_contents/info/ (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。