地震のあと、電気がもどった瞬間に火事に?「通電火災」を防ぐ:避難するときはブレーカーを切る、家電は1台ずつ。揺れで電気を止める「感震ブレーカー」も
消防庁の令和6年版消防白書によると、過去の大規模地震で起きた火災のうち、電気が原因のものは半数以上を占めていました。NITE(製品評価技術基盤機構)は2026年8月、地震のときと電気がもどるときの注意点をまとめました。揺れがおさまったら電気製品のスイッチを切ってプラグを抜く、避難するときは分電盤のブレーカーを切る、もどったら製品の損傷や水没を確かめ1台ずつコンセントに差す。不在でも揺れを感じて電気を止める「感震ブレーカー」、ガスの注意もまとめました。

プレ男大きな地震が来たら、とにかく外に逃げればいいんでしょ?家の電気のことまで考えてなかった。

メル美停電から電気がもどったときに、火事になることがあるって聞いたよ…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、地震のあとの「通電火災」の話です。NITE(製品評価技術基盤機構)の注意喚起「事例から学ぶ、地震後の電気・ガスによる二次被害」(2026年8月27日)と、消防庁の「令和6年版 消防白書」をもとにまとめました。
いちばん大事なのは、まず自分の身の安全です。そのうえで、できる範囲でやっておきたいことを紹介します。
地震の火災は「電気」が原因のことが多い
- 消防白書によると、過去の大規模地震で起きた火災のうち、電気を原因とするものは半数以上を占めていました
- 令和6年能登半島地震では、輪島市の朝市通りのまわりで起きた火災が、焼けた面積 約4万9千平方メートル、約240棟が焼損する大規模な火災になりました。NITE によると、この火災も電気に起因した可能性があるとする調査結果があります
- 震災のときの製品事故は、主に「地震の直後」と「電気・ガスがもどるとき(復旧時)」に起きます
なぜ、電気がもどると火事になるの?
NITE によると、
- 揺れで家具や家電が動いたり倒れたりして、電源コードが傷ついたり切れかけたり、電源プラグが変形したりすることがあります。それに気づかないまま停電から電気がもどると、火災になるおそれがあります
- 倒れた電気ストーブなどに、落ちてきた服や紙などの燃えるものがふれた状態で電気がもどると、火災につながります
- 花びんや水槽の水がこぼれて電気製品の中に入り、ショートして発火することもあります

プレ男自分が家にいないあいだに電気がもどって、火事になることもあるのか…。
ふだんからできること
- 家具をできるだけ壁に固定する
- 電気ストーブなどの暖房器具は、棚や服から離して置く
- 電気製品のまわりに、花びんや水槽など水気のあるものを置かない
- 使わない電気製品は、プラグをコンセントから抜いておく
- 電源プラグやタップはこまめに掃除し、変形していないか、コードが家具の脚で踏まれていないか確かめる(家電が増えたら、コンセントまわりを点検)
- 分電盤とガスの元栓の場所と、操作のしかたを確かめておく
- 感震ブレーカーをつける(下で説明します)
揺れがおさまったら(身の安全が最優先)
- 電気製品のスイッチを切って、プラグを抜く。とくに電気こんろや電気ストーブなどのヒーターが入った製品
- 懐中電灯などで明かりを確保してから、分電盤のブレーカーを切る
- 自宅から避難するときは、分電盤のブレーカーを切る
- ガス機器の火を消す。避難するとき余裕があれば、ガスの元栓を閉める
- ガスのメーター(マイコンメーター)は、震度5程度以上の揺れで自動的にガスを止めます
- ガスのにおいがしたら、火をつけない、換気扇や電気のスイッチにさわらない。窓や戸を開けて換気する
避難したときに停電や製品の損傷がなくても、そのあとの余震で同じことが起きる可能性があります。

地震のときは、まず身の安全を。そのうえで、避難するときは分電盤のブレーカーを切りましょう。電気がもどるときに火事になる「通電火災」を防ぐためです。
電気がもどるとき
- ブレーカーが切れているか確かめる。家にいなかった、避難のとき余裕がなかった、という場合は、帰ったらまずブレーカーを切り、プラグを抜く
- 電気製品がこわれていないか、水に浸かっていないかを確かめる。損傷・浸水した電気製品やガス・石油機器は、そのまま使わない。中に水や泥、塩分が残っていると、火災や不完全燃焼のおそれがあります。メーカーや販売店に点検・修理を相談
- 見た目に異常がなければ、ブレーカーを入れ、電源プラグを1台ずつコンセントに差して、様子を見ながら使う
- エラー表示が出たら、取扱説明書で内容を確かめる。無視して使いつづけない
- 変な音・においがしたら、すぐに使うのをやめて、メーカーや販売店に相談する
- 変形した電源プラグは使わない
感震ブレーカーとは
- 震度5強相当の揺れを感じると、自動的に電気を止める機器です。家にいないときや、ブレーカーを切る余裕がないときでも電気が止まるので、電気製品による火災を防ぐのに有効です(NITE)
- 分電盤タイプのほか、コンセントタイプや簡易タイプもあります
- 自宅の分電盤などが感震ブレーカーかどうかは、「感震ブレーカー」「感震機能」「感震センサー」などの表示が目安です。わからないときは、型番を調べたりメーカーに問い合わせたりします
- 内閣府・消防庁・経済産業省が普及に取り組んでいて、都道府県や市区町村によっては、設置費用の助成や機器の配布があります。お住まいの自治体で確かめてみましょう
- 消防白書では、感震ブレーカーの設置率は低いままで、知られていない、どれを選べばいいかわからない、取り付けが難しいなどが課題とされています

メル美コンセントにつけるタイプもあるんだ。賃貸でも使えるか、調べてみよう。
あわせて備えたいこと
- 停電にそなえるポータブル電源やモバイルバッテリーは、正しく保管を
- 家族と連絡をとるためのスマホの設定は、いざというときのスマホ設定へ

プレ男まず分電盤の場所を確認して、ストーブのまわりを片づける。感震ブレーカーの助成がないかも調べる!

メル美避難するときは、ブレーカーを切る。家族にも伝えておくね。
まとめ
- 過去の大規模地震の火災は、電気が原因のものが半数以上(消防庁)
- 揺れがおさまったら、電気製品のスイッチを切りプラグを抜く。避難するときはブレーカーを切る
- 電気がもどるときは、損傷・浸水を確かめ、1台ずつコンセントに差す。浸水した製品は使わない
- ガスのにおいがしたら、火やスイッチにふれず換気
- 感震ブレーカーは、留守でも揺れで電気を止める。自治体の助成も確かめる
参考文献
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE). 事例から学ぶ、地震後の電気・ガスによる二次被害
通電火災・ガス事故を防ぐチェックポイント(2026年8月27日). https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2026fy/prs260827.html (閲覧日:2026年10月4日) - 同 発表資料(PDF). https://www.nite.go.jp/data/000162206.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
- 総務省消防庁. 令和6年版 消防白書 Topics 3 感震ブレーカーの普及推進. https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r6/topics/68739.html (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。