モバイルバッテリーの発火を防ぐ:事故は5年で1,860件、8割以上が火災に。夏の車内に置かない、PSEマーク、2026年4月からの飛行機の新ルール
スマホの充電に欠かせないモバイルバッテリー。NITE(製品評価技術基盤機構)によると、リチウムイオン電池を使った製品の事故は2020〜2024年の5年間で1,860件、その約85%が火災に発展し、特に夏に増えています。2026年4月24日からは、飛行機の中でモバイルバッテリーの充電・使用もできなくなりました。選び方、使い方、もしものときの対処をまとめました。

プレ男ネットで安いモバイルバッテリーを買ったんだ。車に置きっぱなしにしてるけど、いつでも充電できて便利!

メル美夏の車の中って、すごく暑くなるよね。バッテリーって大丈夫なの?
こんにちは、Dr. Taro です。 「ガジェット通信」、今回はモバイルバッテリーの発火の話です。
事故は増えている
NITE(製品評価技術基盤機構)の2025年6月の発表によると、
- 2020〜2024年の5年間に、リチウムイオン電池を使った製品の事故は1,860件。そのうち約85%(1,587件)が火災に発展していました
- 製品別ではモバイルバッテリーの事故が最も多く、2024年は2022年の2倍以上に増えています
- 事故は、気温が上がる春から夏にかけて増え、6〜8月にピークを迎えます
- リチウムイオン電池の中には、燃えやすい液体(電解液)が入っているため、大きな火災につながるおそれがあります

プレ男5年で1,860件!しかも夏に多いんだ…。
火災を防ぐ3つのポイント(NITE)
1. 正しく買う
- 連絡先がはっきりしたメーカーや販売店から買う
- リコール(回収)の対象ではないか確認する。買ったあとも情報をチェック
- PSEマークを確認する:モバイルバッテリーは電気用品安全法の対象で、2019年2月1日から、PSEマークのないものは製造・輸入・販売ができません
- 安すぎる非純正のバッテリーには、リスクがあることを知っておく
2. 正しく使う
- 熱を与えない:夏の車の中や、直射日光の当たる場所に置きっぱなしにしない
- 強い衝撃を与えない:落としたり、踏んだり、かばんの中で押しつぶしたりしない
3. 正しく対処する
- 充電中や使っているときは、ときどき様子を見る。熱い、ふくらんでいる、変なにおいがするなど、異常を感じたらすぐに使うのをやめる
- 万が一発火したら、大量の水で消火し、できれば水に沈めた状態にして、119番に通報する
飛行機の新ルール(2026年4月24日から)
国際民間航空機関(ICAO)の国際基準の緊急改訂を受けて、国土交通省は、機内でのモバイルバッテリーのルールを変えました。
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 預け入れ荷物 | 入れてはいけない。必ず機内に持ちこむ |
| 容量 | 160Wh以下のものだけ |
| 個数 | 2個まで(2026年4月24日から) |
| 保管場所 | 座席の上の収納棚に入れない。座席ポケットなど手元に |
| 機内で充電 | モバイルバッテリーへの充電は禁止(2026年4月24日から) |
| 機内で使う | モバイルバッテリーからスマホなどへの充電もしない(2026年4月24日から) |
| ショート防止 | 端子に絶縁テープを貼る、ケースに入れる、金属と同じ袋に入れない |
- 容量(Wh)は、「定格容量(mAh)×定格電圧(V)÷1,000」で計算できます
- 航空会社によって細かい案内がちがうことがあります。搭乗前に航空会社の案内を確認しましょう

メル美飛行機の中では、もう使えないんだね。スマホは出発前に充電しておかなきゃ。
捨てるとき
- モバイルバッテリーを燃えないごみなどにそのまま出すと、ごみ収集車や処理施設の火災の原因になることがあります。住んでいる自治体のルールや、回収をしている販売店の回収箱などを確認しましょう

リチウムイオン電池の事故は6〜8月にピークを迎えます。夏の車の中に置きっぱなしにしないことが大切です。
リチウムイオン電池が入った製品の注意は、ハンディファン、ポータブル電源の記事にもまとめています。
スマホやタブレットの充電口(USB-C)の水・ごみ・曲がりの注意は、充電口に「水」「ごみ」「斜め差し」はNGへ。
使っている製品がリコール対象か調べる方法は、そのモバイルバッテリー、リコール対象かもへ。
リチウムイオン電池のしくみと、ノーベル賞につながった歴史は、【テクノロジー解説】リチウムイオン電池ってなに?へ。
モバイルバッテリー以外もふくめた、リチウムイオン電池の選び方・使い方・捨て方は、リチウムイオン電池は「3つのC」へ。
国民生活センターの商品テストに見る、ふくらんだモバイルバッテリーなどの例は、「こわれた?」の正体はへ。
充電端子の異物や布団の中での充電の注意は、充電端子にシャーペンの芯のかけらが入ったまま充電するとへ。
まとめ
- リチウムイオン電池の製品の事故は、5年で1,860件。約85%が火災に。6〜8月がピーク
- PSEマークのある製品を、確かな店で買う。リコール情報もチェック
- 熱と衝撃を与えない。異常を感じたらすぐ使用中止。発火したら大量の水と119番
- 飛行機では、預けない、2個まで、収納棚に入れない、機内で充電も使用もしない(2026年4月24日から)
参考文献
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE). 『夏バテ(夏のバッテリー)』にご用心~「リチウムイオン電池搭載製品」の火災事故を防ぐ3つのポイント~(2025年6月26日). https://www.nite.go.jp/data/000158238.pdf (閲覧日:2026年9月29日)
- 国土交通省 航空局. モバイルバッテリーの機内持込みの新たなルールについて~4月24日から新たなルールを適用します~(2026年4月14日). https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001995959.pdf (閲覧日:2026年9月29日)
- Impress Watch. モバイルバッテリー買うなら「PSEマーク」を確認。2月1日から規制強化(2019年1月31日). https://www.watch.impress.co.jp/docs/topic/1167312.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。