電子レンジにアルミホイルで発火、IHのラジエントヒーターでタオルが燃える:調理家電の事故は5年で515件、約4割は使い方のまちがい【NITE】
NITE(製品評価技術基盤機構)によると、2020〜2024年の5年間に通知された調理家電の事故は515件で、約75%が火災でした。多いのは電子レンジとIHこんろ。原因がわかったもののうち約4割は、使う人の誤使用・不注意が関係していました。アンケートでは、電子レンジのヒヤリハットでいちばん多いのは「金属製品をレンジ加熱した」。レンジ加熱とヒーター加熱、IHヒーターとラジエントヒーターのちがい、揚げ物モード、庫内の掃除など、事故を防ぐポイントをまとめました。

プレ男焼きいもを温めなおそうと思って、アルミホイルのままレンジに入れたら、バチバチって火花が!

メル美こわっ!火を使わない家電でも、火事になることがあるんだね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、電子レンジやIHこんろなどの調理家電の事故の話です。NITE(製品評価技術基盤機構)の注意喚起「脱・取説キャンセル界隈」(2025年9月25日)をもとにまとめました。
調理家電の事故は、5年で515件
NITE に通知された製品事故のうち、2020〜2024年の5年間に起きた調理家電の事故は515件でした。
- 火災が全体の約75%(515件中388件)
- 製品別では、電子レンジ(149件)とIHこんろ(92件)が多く、次が電気ケトル(76件)、電気こんろ(52件)など
- 原因がわかった220件のうち、使う人の誤使用・不注意が関係しているものが約4割でいちばん多い
電気ケトルの事故は、2022年に同じ型式の製品で45件の発煙事故が起き、リコールになっています。電気ケトルの注意は電気ケトルは「倒れてもこぼれにくい」ものをへ。
電子レンジ:「レンジ」と「ヒーター」はちがう
多機能の電子レンジには、2つの温め方があります。
| レンジ加熱 | ヒーター加熱(オーブン・グリル) | |
|---|---|---|
| しくみ | 電磁波で、食品を内側から温める | ヒーターの熱で、食品を外側から焼く |
| 注意 | 金属を入れると火花(スパーク) | 庫内の上が高温に。布巾などが燃える |
NITE の事故例では、布巾をかぶせた料理をまちがえてグリル(ヒーター加熱)で温めはじめ、ヒーターの近くの布巾が燃えて火災になりました。取扱説明書には、「庫内で発煙・発火したらドアを開けない(開けると勢いよく燃える)」「加熱しすぎを防ぐため、ときどき庫内を確かめる」と書かれていました。
ヒヤリハットのワースト5
NITE が2025年3月に、全国の15〜89歳の19,297人に行ったアンケートでは、電子レンジの事故・ヒヤリハットにつながったまちがいは、次のとおりでした。
- 金属製品をレンジ加熱した(426件)
- 卵をレンジ加熱した(175件)
- 長時間加熱しすぎた(123件)
- モード選択やタイマー設定をまちがえた(46件)
- 耐熱性のないプラスチック容器を温めた(11件)
金属製品の例として、アルミホイル、縁に金や銀の塗料がある食器、お菓子や冷凍食品のアルミの袋、パンの袋の留め具(針金)、レトルトパウチ、カップ麺のふた(アルミ)があげられています。また、若い年代ほど、事故やヒヤリハットの経験があると答えた割合が高くなっていました。

プレ男パンの袋の針金とか、カップ麺のふたとか、つい入れちゃいそう…。
IHこんろ:「ラジエントヒーター」は鍋がなくても熱くなる
IHこんろには、2つの加熱方式があるものがあります。
- IHヒーター:磁力で、IH対応の鍋そのものが熱くなる(鉄・ステンレス・ホーローなど、鍋底に磁石がつくもの)
- ラジエントヒーター:天板の中の電熱線が熱くなり、天板を通して鍋を温める。より高温になりやすく、鍋がなくても熱くなる
どちらも天板が熱くなるのでやけどに注意。とくにラジエントヒーターの上にタオルなどの燃えるものを置きっぱなしにしないこと。NITE の事故例でも、体などがボタンに触れてラジエントヒーターのスイッチが入り、上に置いてあったタオルが燃えた可能性が考えられています。
揚げ物は「揚げ物モード」で、離れない
- 調理油は370℃以上になると発火します
- IHこんろには、油が発火する温度にならないよう温度を一定に保つ「揚げ物モード・コース」がある製品があります。ある製品では、必ずそのモードを使いましょう
- NITE の事故例では、揚げ物モードのない左のヒーターで揚げ物をしてその場を離れ、油が発火しました。取扱説明書には「天ぷら調理中は離れない」「揚げ物は右ヒーターの揚げ物モードで」と書かれていました
- IHヒーターの上で、カセットボンベや缶詰をまちがって加熱すると破裂するおそれもあります

電子レンジに金属は入れない。IHこんろの上に、調理器具以外のものは置かない。調理家電の事故の約4割は使い方のまちがいが関係しているので、取扱説明書の注意書きを一度読んでおきましょう。
事故を防ぐポイント(NITE)
- 加熱のしくみを理解して使う
- 取扱説明書や商品パッケージの注意を守る。モードとタイマーが正しいか確かめてから加熱する
- こまめに掃除する。電子レンジの庫内やドアの内側に食品かすが残っていると、炭になって火花が出て発火するおそれがあります
- 熱くなる場所には、調理器具以外のものを置かない
- 事故情報・リコール情報を確かめる(NITE の「NITE SAFE-Lite」、消費者庁の「リコール情報サイト」)
コンセントやコードの注意は、家電が増えたら、コンセントまわりを点検へ。照明器具の寿命とLEDへの切りかえは、蛍光灯は2027年末で製造終了へ。

プレ男焼きいもはお皿に移してラップ。カップ麺は別の器でお湯をわかす。レンジの中も掃除しよう。

メル美うちのIH、ふきんを置きがちだった。今日からやめる!
ガスこんろの事故と、服に火がつく「着衣着火」は、冬の「もふもふ」セーターでガスこんろは要注意へ。
油がしみたタオルの乾燥機での自然発火は、マッサージオイルのついたタオル、乾燥機に入れると自然発火することもへ。
電子レンジの事故の相談と再現テスト(サツマイモの発火・突沸)は、電子レンジでサツマイモを加熱しすぎると、約11分で発火へ。
まとめ
- 調理家電の事故は5年で515件、約75%が火災。多いのは電子レンジとIHこんろ
- 原因がわかったもののうち約4割は、使い方のまちがいが関係
- 電子レンジに金属(アルミホイル、金銀の縁の食器、パンの留め具、カップ麺のふた)を入れない。卵も注意
- 庫内で燃えたらドアを開けない
- ラジエントヒーターは鍋がなくても熱い。燃えるものを置かない。揚げ物は揚げ物モードで、離れない
参考文献
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE). 脱・取説キャンセル界隈
「電子レンジ」や「IHこんろ」等の調理家電の事故を防ぐポイント(2025年9月25日). https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2025fy/prs250925.html (閲覧日:2026年10月4日) - 同 発表資料(PDF). https://www.nite.go.jp/data/000159125.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。