「クラミジア」は3種類:性感染症の「トラコマチス」、せきでうつる「肺炎クラミジア」、鳥からうつる「オウム病」。性器クラミジアは赤ちゃんの肺炎の原因にも
「クラミジア肺炎」と聞いて、性感染症と関係あるの?と驚く人もいます。東京都健康安全研究センターによると、性器クラミジア感染症の原因はクラミジア・トラコマチスで、性的な接触でうつります。一方、肺炎クラミジアはせきやくしゃみでうつり、オウム病クラミジアは鳥のふんなどからうつる別の菌。ただし、トラコマチスは出産のときに母親から赤ちゃんにうつり、赤ちゃんの結膜炎や肺炎の原因になることも。3つのクラミジアのちがいと、妊娠前に知っておきたいことをまとめました。

メル美おばあちゃんが「クラミジア肺炎」って診断されたの!クラミジアって性病じゃないの!?

プレ男え、どういうこと…?クラミジアにも種類があるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、3種類の「クラミジア」の話です。東京都健康安全研究センターの情報をもとにまとめました。
クラミジアは3種類
| クラミジア・トラコマチス | 肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ) | オウム病クラミジア(クラミジア・シッタシ) | |
|---|---|---|---|
| 主な病気 | 性器クラミジア感染症(尿道炎、子宮頸管炎など)。新生児の結膜炎・肺炎 | クラミジア肺炎(気管支炎・肺炎) | オウム病(肺炎など) |
| うつり方 | 性的な接触(性交や性交類似行為)。出産のときに母親から赤ちゃんへ(産道感染) | せき・くしゃみ(飛まつ感染)で人から人へ | 鳥(オウム、インコ、ドバトなど)の乾いたふんや分泌物を吸いこむ。人から人はほとんどない |
| 潜伏期間 | 1〜3週間 | 3〜4週間ほど | 1〜2週間ほど |
- 大人の「クラミジア肺炎」の原因は、せきでうつる肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)で、性感染症ではありません。鳥からうつるオウム病クラミジア(クラミジア・シッタシ)の肺炎は、「オウム病」として区別されます。性器クラミジアの原因のトラコマチスによる肺炎は、出産のときにうつった新生児・乳児の肺炎です

メル美同じ「クラミジア」でも、種類がちがうんだ。ほっとした…。
性器クラミジア(トラコマチス)
- 性交や性交類似行為で、粘膜や分泌物との接触によってうつります
- 症状がなく、気づかないことが多い病気です
- 男性は尿道炎(排尿時の痛み、尿道の不快感、かゆみなど)。女性は子宮頸管炎、骨盤内の炎症、肝臓のまわりの炎症、不妊などを起こしますが、多くは自覚症状がありません
- のどに感染すると、首のリンパ節がはれるなどの症状が出ることも
- 一度治っても免疫はできず、また感染します。予防は、性交類似行為も含めてコンドームを(クラミジア)
性器クラミジアと、赤ちゃんの肺炎
- 妊婦さんが感染していると、流産や早産の原因になることがあります
- 出産のときの産道感染で、赤ちゃんに結膜炎(生後5〜12日ごろ、目やに・結膜の充血)や肺炎を起こすことがあります
- 赤ちゃんの肺炎は、1〜2か月の潜伏期間のあと、ふつうは熱が出ず、呼吸が速い、ゼーゼー・ヒューヒューする、湿ったせきなどが出ます。低出生体重児などでは重くなることも
- 妊婦健診のクラミジア検査が大切な理由の一つです(妊婦健診で調べる感染症)

クラミジアには3種類あり、性感染症の原因はトラコマチスです。性器クラミジアは症状がないことが多く、出産時に赤ちゃんにうつって肺炎や結膜炎の原因になることもあります。
肺炎クラミジアとオウム病
- 肺炎クラミジア:感染しても症状がないことや、自然に治ることも。症状が出るときは、38度未満の熱で長引くせき、のどの痛み、声がれなど。高齢者や持病のある人は重くなることがあります
- オウム病:鳥との接触が重要な手がかり。突然の高熱、頭痛、だるさ、筋肉痛、せきなど、かぜに似た症状。高齢者などでは重症化し、亡くなることも。妊婦さんの死亡例も報告されているため、妊婦さんは鳥との接触を避ける配慮が必要です
- 鳥を飼うときは、ケージのふんや羽をこまめに掃除し、世話のあとは手洗い。口移しでのえさやりなどの濃厚な接触は避けましょう。ドバトのオウム病クラミジアの保菌率は20%と高いので、野生のハトやハトのふんにさわらないようにしましょう

プレ男インコを飼ってる姉ちゃんが妊娠中だから、掃除はオレが手伝おう。
まとめ
- クラミジアはトラコマチス(性感染症)、肺炎クラミジア(せき)、オウム病クラミジア(鳥)の3種類
- 「クラミジア肺炎」の多くは性感染症ではない
- 性器クラミジアは症状がないことが多い。治っても免疫はできない。コンドームで予防
- 性器クラミジアは出産時に赤ちゃんにうつり、結膜炎や肺炎の原因にも
- 妊婦さんは鳥との濃厚な接触を避ける
参考文献
- 東京都感染症情報センター(東京都健康安全研究センター). 性器クラミジア感染症. https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/chlamydia/ (閲覧日:2026年9月29日)
- 東京都感染症情報センター. クラミジア肺炎(オウム病を除く). https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/cpneumoniae/ (閲覧日:2026年9月29日)
- 東京都感染症情報センター. オウム病. https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/psittacosis/ (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。