
メル美妊娠がわかって、初めての妊婦健診に行ったの。血液検査で、梅毒やHIVも調べるんだって。

プレ男え、性病の検査も?なんだかドキッとするな…。オレにできることもあるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、妊婦健診で行う感染症の検査の話です。妊娠している人は全員が受ける、ふつうの検査です。疑われているわけではないので、安心してください。
なぜ調べるの?
- 感染症の中には、妊娠中やお産のとき、母乳などを通して、赤ちゃんにうつる(母子感染)ものがあります
- 早く見つければ、治療したり、赤ちゃんにうつらない工夫をしたりできます
- なお、妊婦健診の検査とは別に、希望した人だけが受ける赤ちゃんの染色体などの検査は出生前検査の記事にまとめています
国の基準で決まっている検査と時期
厚生労働省の「妊婦に対する健康診査についての望ましい基準」(2015年)で、感染症に関する検査は次のように決まっています。
| 検査 | 時期の目安 |
|---|---|
| B型肝炎(HBs抗原) | 妊娠初期に1回 |
| C型肝炎(抗体) | 妊娠初期に1回 |
| HIV(抗体) | 妊娠初期に1回 |
| 梅毒(血清反応) | 妊娠初期に1回 |
| 風疹(抗体) | 妊娠初期に1回 |
| HTLV-1(抗体) | 妊娠初期〜30週までに1回 |
| 性器クラミジア | 妊娠初期〜30週までに1回 |
| B群溶血性レンサ球菌(GBS) | 妊娠33〜37週に1回 |
- 妊婦健診は、出産までに14回程度。市町村が費用を負担します(自己負担が出る場合もあります)(妊婦健診で何をする?)

プレ男妊娠中に、こんなにたくさん調べてくれるんだ。
それぞれの病気について
- 梅毒:日本で大きく増えています。妊娠中に感染していると、赤ちゃんが先天梅毒になることがあります(梅毒)
- HIV:妊娠中から治療することで、赤ちゃんへの感染を大きく減らせます(HIV)
- B型肝炎:お母さんが感染している場合、生まれた赤ちゃんにワクチンなどで感染を予防します(B型肝炎)
- HTLV-1:主に母乳を通して赤ちゃんにうつることがあります(HTLV-1)
- クラミジア:お産のときに赤ちゃんにうつり、結膜炎や肺炎の原因になることがあります(クラミジア)
- 風疹:妊娠中にかかると、赤ちゃんに先天性風疹症候群が起こることがあります(大人の風疹対策)
- このほか、妊娠中に気をつけたい感染症にりんご病(伝染性紅斑)や、サイトメガロウイルス・トキソプラズマがあります。赤ちゃんをRSウイルスから守る妊婦さんのRSウイルスワクチンもあります
「陽性」と言われたら
- 検査の結果が陽性でも、すぐに感染が確定するとは限りません。本当に感染しているかを確かめる検査を、追加で行うことがあります
- 感染がわかっても、治療や予防の方法があります。医師とよく相談しましょう
- 性感染症が見つかったときは、パートナーも検査・治療を受けることが大切です。そうしないと、治療してもまたうつし合ってしまいます
パートナーの男性にできること
- 妊婦健診で陰性でも、そのあと妊娠中に感染することもあります
- 妊娠中も、コンドームを使う:妊娠中は避妊の必要はありませんが、性感染症を防ぐ意味があります
- 自分も検査を受ける:とくに梅毒やクラミジアは、症状がなくても感染していることがあります(検査の受け方)
- 風疹の抗体がない男性は、ワクチンを。妊婦さんに風疹をうつさないためです

メル美2人で赤ちゃんを守るんだね。

妊婦健診の感染症の検査は、赤ちゃんへの感染を防ぐためのものです。パートナーの男性も、検査とコンドームで一緒に守りましょう。
まとめ
- 妊婦健診では、B型・C型肝炎、HIV、梅毒、風疹(初期)、HTLV-1、クラミジア(30週まで)、GBS(33〜37週)を調べる
- 目的は、赤ちゃんへの感染(母子感染)を防ぐこと
- 陽性でも治療や予防の方法がある。パートナーも検査・治療を
- 妊娠中もコンドーム、パートナーの男性も検査を
参考文献
- 厚生労働省. 妊婦に対する健康診査についての望ましい基準(平成27年3月31日厚生労働省告示第226号). こども家庭庁掲載資料. https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/ae69f83a-d0b5-4d1a-a51f-54b6eabd44a7/aa6c59aa/20251028_policies_boshihoken_nimpukenshin_01.pdf (閲覧日:2026年9月29日)
- こども家庭庁. 妊婦健診に関する取組み. https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/nimpukenshin (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。