
メル美妊娠中の姉、上の子が2歳なの。子どもの食べ残しを食べたり、ほっぺにキスしたりしてるけど、気をつけることってあるのかな。

プレ男猫を飼ってる友だちの奥さんも、妊娠中だって。猫って大丈夫なのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、妊娠中に知っておきたい2つの感染症、サイトメガロウイルスとトキソプラズマの話です。どちらも、大人はかかってもほとんど症状がないのに、お腹の赤ちゃんに影響することがあるのが特徴です。妊娠中にできる予防をまとめました。
サイトメガロウイルス
どんなウイルス?
- 兵庫県によると、サイトメガロウイルスはどこにでもある、ありふれたウイルスで、感染しても症状がほとんどないか、かぜのような症状ですむことが多いとされています
- ところが、妊娠中のお母さんが初めて感染すると、お腹の赤ちゃんにうつることがあります。以前に感染していたウイルスが妊娠中にふたたび増えて(再活性化)、赤ちゃんにうつることもあります
- 赤ちゃんへの感染は、初めての感染でおよそ40%、再活性化ではもっと低いと考えられています
- 日本では、約300人に1人の赤ちゃんが感染して生まれ、そのうち約30%に聴覚障害などが起こるおそれがあります(兵庫県)
- 米国CDCも、約200人に1人の赤ちゃんが感染して生まれ、その約5人に1人に先天的な異常や長く続く健康の問題があるとしています
どうやってうつる?
米国CDCによると、サイトメガロウイルスは、唾液、尿、血液、涙、精液、母乳などの体液でうつります。
- 赤ちゃんや小さな子どもの唾液や尿との直接の接触
- 性的な接触
- 母乳(授乳している赤ちゃんへ)
- 妊娠中(お腹の赤ちゃんへ)

メル美上の子の唾液やおしっこからうつることがあるんだ。食べ残しは気をつけたほうがいいね。
妊娠中にできる予防
CDCは、次のことをすすめています。
- 子どもと食べ物、食器、コップ、おしゃぶりを共用しない(食べ残しを食べない)
- おむつ替えや、子どものトイレを手伝ったあとは、石けんと水で手を洗う
兵庫県は、新生児聴覚スクリーニング検査で「要再検」になったときは、生後21日以内の赤ちゃんの尿の検査が強くすすめられているとしています。
トキソプラズマ
どんな病気?
日本産婦人科医会の解説によると、
- トキソプラズマは、猫を最終的な宿主とする寄生虫(原虫)で、人から人へはうつりません
- 加熱が不十分な肉(馬刺し、牛刺し、鳥刺し、レバ刺し、鹿刺し、レアステーキなど)にいるものや、土や猫のふんにいるものが口から入って感染します
- お母さんはほとんど症状がありませんが、妊娠中に初めて感染すると、胎盤を通して赤ちゃんに感染することがあり、流産や、赤ちゃんの目・脳などに障害が起こることがあります
- 妊娠初期に感染すると重くなりやすく、妊娠の後期ほど赤ちゃんにうつりやすいと報告されています
妊娠中にできる予防
日本産婦人科医会の解説では、CDCがあげる予防として、次のものを紹介しています。
- 肉はよく火を通して調理する
- 果物や野菜は、食べる前によく洗う
- 肉や野菜にふれたあとは、よく手を洗う
- ガーデニングや畑仕事では手袋をつける
- 動物のふんや尿の処理のときは手袋をつける

プレ男猫のトイレの掃除は、手袋をするか、パートナーが代わるといいんだね。
妊娠中に気をつけたい食べもの全般は、妊娠中に気をつけたい食べものの記事も見てください。

サイトメガロウイルスとトキソプラズマは、大人はほとんど症状がないのに、赤ちゃんに影響することがあります。手洗い、食器を分ける、肉はよく焼く、を習慣に。
パートナー・家族にできること
- 上の子のおむつ替えやトイレの手伝い、猫のトイレの掃除、ガーデニングを代わる
- 外食では、生や加熱不十分な肉料理を避けられるお店を一緒に選ぶ
- サイトメガロウイルスは性的な接触でもうつります。気になることは、妊婦健診で一緒に相談しましょう(妊婦健診で調べる感染症)
まとめ
- サイトメガロウイルス:ありふれたウイルス。妊娠中に感染すると、赤ちゃんに難聴などのおそれ(日本では約300人に1人が感染して生まれる)。子どもの唾液や尿、性的な接触でうつる → 食器を分ける、手を洗う
- トキソプラズマ:加熱不十分な肉、土、猫のふんから。人からはうつらない → 肉はよく焼く、野菜を洗う、手袋、手洗い
- どちらも、大人は症状がほとんどないので、予防の習慣が大切
参考文献
- 兵庫県. 先天性サイトメガロウイルス感染症. https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf17/06saitomegaro.html (閲覧日:2026年10月5日)
- Centers for Disease Control and Prevention. About Cytomegalovirus (CMV)(Last reviewed: January 17, 2025). https://www.cdc.gov/cytomegalovirus/about/index.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本産婦人科医会. トキソプラズマと母子感染(鈴木俊治). https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/tokiso0504.htm (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。