
メル美妊娠中の姉から連絡があって、上の子の保育園で「りんご病」が出たって。子どもの病気だよね?妊婦さんにも関係あるの?

プレ男ほっぺが赤くなるやつだよね。大人もかかるのかな…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、りんご病(伝染性紅斑)と妊娠の話です。東京都健康安全研究センターの情報をもとにまとめました。
りんご病ってどんな病気?
- ヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症で、子どもを中心に流行します
- せきやくしゃみのしぶき(飛まつ感染)や、ウイルスがついた手で口や鼻にふれること(接触感染)でうつります
- 約10日(4〜20日)の潜伏期間のあと、両方のほっぺに、はっきりした赤い発疹が出ます。続いて、体や手足に網目のような発疹が広がり、ふつう1週間ほどで消えます
- 特別な治療法はありません。症状に合わせた治療が行われます
うつりやすいのは、ほっぺが赤くなる「前」
- 多くの場合、ほっぺに発疹が出る7〜10日前に、微熱やかぜのような症状が出ます。この時期が、いちばん人にうつしやすい時期です
- 発疹が出るころには、ウイルスの排出が減り、うつす力はほぼなくなります
- つまり、「りんご病とわかったときには、もううつす時期が過ぎている」ことが多く、気づかないうちに広がりやすい病気です

プレ男ほっぺが赤くなる前の、ただのかぜみたいな時期がいちばんうつるんだ…。
大人がかかると、妊娠中にかかると
- 子どもは一般に順調に回復しますが、大人がかかると、関節炎や頭痛など、さまざまな症状が出ることがあります
妊娠中に問題になるのは「初感染」
- りんご病に一度かかると免疫がつきます。成人の30〜80%、妊婦さんの約46〜70%は、すでに抗体(免疫)を持っているとされています
- 問題になるのは、これまでかかったことがない(抗体がない)妊婦さんが、妊娠中にはじめて感染(初感染)したときです。ウイルスが胎盤を通って赤ちゃんに感染し、胎児水腫(赤ちゃんの体に水がたまる重い状態)や流産・死産につながることがあります
- 妊娠の前半の感染のほうが重くなりやすいとされますが、後半での感染の報告もあり、安全な時期は決められません
- 一方で、妊婦さんが感染してもすぐに赤ちゃんの異常につながるわけではなく、生まれた赤ちゃんの経過が正常なことも多いとされています。感染がわかったときは、超音波検査などで赤ちゃんの状態をよく見ていくことが大切です
- 症状が出ないまま感染する(不顕性感染)こともあります。まわりにりんご病の人がいるときは、妊婦健診で医師に伝えましょう。熱やだるさのあとに発疹が出るなど、疑わしい症状があるときも、医療機関に相談を
予防:ワクチンはない。石けんで手洗いを
- りんご病にはワクチンがありません
- ヒトパルボウイルスB19は、アルコール消毒の効果が乏しいため、流水と石けんでの手洗いをしっかり行うことが大切です
- せきやくしゃみのときは口と鼻をおおい、せきがあるときはマスクをしましょう
- 妊娠中または妊娠の可能性がある人は、周りでりんご病が出ているときは、かぜのような症状の人や患者との接触をできるだけ避けましょう
- 保育園などで流行しているときは、送り迎えをひかえるなどの対応も必要とされています

りんご病は、妊娠中にかかると流産や胎児水腫が起こることがあります。ワクチンはなく、アルコール消毒も効きにくいので、石けんでの手洗いと、かぜのような症状の人との接触を避けることが大切です。
家族にできること
- 上の子の保育園の送り迎えを、パートナーや家族が代わる
- 家族にかぜのような症状が出たら、手洗い・マスクを徹底し、妊婦さんとの接触をひかえる
- 心配なことがあれば、妊婦健診のときなどに産婦人科に相談を(妊婦健診で調べる感染症)
いまの流行は?
- 東京都では、2024年11月に、りんご病の報告が警報基準に達しました(2018年以来)
- りんご病は定点把握の感染症で、流行状況は東京都感染症情報センターなどで確認できます

メル美しばらくは私が保育園のお迎えを手伝おうかな。姉には、産婦人科の先生に相談するように伝えるね。
まとめ
- りんご病はヒトパルボウイルスB19の感染症。ほっぺの赤い発疹と体の網目状の発疹
- うつしやすいのは発疹が出る7〜10日前のかぜのような時期
- 妊娠中(とくに初期)にかかると、流産や胎児水腫のことも
- ワクチンはない。アルコール消毒は効きにくいので、石けんで手洗い
- 周りで流行していたら、かぜ症状の人との接触を避け、産婦人科に相談を
参考文献
- 東京都感染症情報センター(東京都健康安全研究センター). 伝染性紅斑(2024年12月3日更新). https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/fifth-disease/ (閲覧日:2026年9月29日)
- 東京都健康安全研究センター. 感染症ひとくち情報 伝染性紅斑が増えています!(2024年11月21日). https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/assets/diseases/fifth-disease/hitokuchi-joho.pdf (閲覧日:2026年9月29日)
- 国立健康危機管理研究機構. 伝染性紅斑(詳細版). https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/5th-disease/010/index.html (閲覧日:2026年9月30日)
- 厚生労働省. 伝染性紅斑. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/fifth_disease.html (閲覧日:2026年9月30日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。