HTLV-1ってどんなウイルス?性行為や母乳でうつる。感染しても約95%は一生症状がない
HTLV-1は、主にT細胞に感染するウイルスで、母乳による母子感染や性的接触でうつります。感染しても約95%は生涯症状のないキャリアですが、約5%が成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)を発症します。予防にはコンドームを。国立健康危機管理研究機構の情報をもとにまとめました。

プレ男HTLV-1って、あまり聞いたことないけど、性行為でうつるの?

メル美妊婦健診で検査するって聞いたことがあるよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、あまり知られていない性感染症のひとつ、HTLV-1です。国立健康危機管理研究機構(JIHS)の情報をもとにまとめました。
どんなウイルス?
- HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)は、主に体の免疫を担うT細胞に、ひそんで感染し続けるウイルスです
どうやってうつるの?
主な感染経路は次の3つです。
- 母乳による母子感染
- 性的接触
- 輸血
日本では、1986年に献血のスクリーニングが始まってから、輸血による感染はおきていません。

プレ男性行為でもうつるんだ。
感染したらどうなる?
- 感染しても、約95%は生涯、症状のないキャリア(ウイルスを持っている人)のままです
- 残りの約5%が成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)を発症します
- 約0.3%が、HTLV-1関連脊髄症(HAM)やぶどう膜炎などを発症します
検査
- 血液の抗体検査で調べます。最初の検査(スクリーニング)で陽性だったら、確認検査で判定します
妊娠中は、妊婦健診で全員が検査
- 妊娠中は、妊婦健診の中で、妊娠30週までにHTLV-1の抗体検査を行います
- 最初の検査は公費負担で、自己負担はありません。陽性だったときの確認検査は保険診療で、一部(1〜3割)の自己負担があります
妊娠中でない人の検査は、地域によってちがう
- 妊娠中でない人は、一部の保健所や医療機関で検査を受けられます
- ただし、厚生労働省も「実施状況は地域によって異なります」としていて、保健所で検査をしているかどうかは、地域によってちがいます。受けたいときは、お住まいの地域の保健所に問い合わせましょう
感染者の多い地域
- HTLV-1の感染者は、もともと九州・沖縄など、日本の西南部に多いとされてきました
- いまは、関東や関西の都市部でも増えているとされています。住んでいる地域にかかわらず、心当たりがあれば検査を考えましょう
予防
- 性行為のときはコンドームを使いましょう
- お母さんが感染している場合は、授乳のときに母乳以外を選ぶことで、母子感染を防ぎます
- 国内で承認されたワクチンはありません
まとめ
- HTLV-1は、主にT細胞に感染するウイルス
- うつり方は母乳・性的接触・輸血(輸血は1986年以降、日本ではおきていない)
- 感染しても約95%は一生症状がない。約5%がATLを発症
- 妊婦健診では妊娠30週までに全員が検査(公費)。それ以外の人の検査は地域によってちがうので、保健所に問い合わせを
- 予防はコンドーム。ワクチンはない
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構. HTLV-1感染症(感染症情報提供サイト). https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/human-t-lymphotropic-virus-type-1-infection/index.html (閲覧日:2026年9月27日)
- 厚生労働省. HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/htlv1.html (閲覧日:2026年9月27日)
- HTLV-1情報ポータルサイト(厚生労働行政推進調査事業費 研究班). 妊婦健診での検査(HTLV-1基礎知識Q&A). https://htlv1.jp/qa/qa3/ (閲覧日:2026年9月27日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
