コンドームで性感染症はどれくらい防げる?数字で見る予防効果と、正しい使い方
コンドームは性感染症の予防の基本。でも「つけているから絶対大丈夫」ではありません。HIV・クラミジア・淋菌・ヘルペス・HPVなど、病気ごとの予防効果を研究の数字で紹介し、効果を上げる正しい使い方をまとめました。

プレ男コンドームをつけてれば、性病は全部防げるんだよね?

メル美それが、病気によって防げる程度が違うんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 性感染症の予防といえば、まずコンドーム。でも、「コンドームをつけているから大丈夫」と思っていませんか? コンドームはとても大切な予防法ですが、すべてを防げるわけではありません。今回は、コンドームで性感染症がどれくらい防げるのかを、研究の数字で見ていきます。 初めてのセックスの前に知っておきたいこと(同意・避妊・性感染症)は、初めてのセックスの前にの記事にまとめています。
コンドームの予防効果—病気によって違う
コンドームを毎回使った人と使わなかった人を比べた研究から、感染のリスクがどれくらい減ったかをまとめました。
| 病気 | 減ったリスク |
|---|---|
| HIV(男女間) | 約80% |
| HIV(男性間のアナル) | 約70% |
| HPV(女性) | 約70% |
| クラミジア・淋菌・トリコモナス | 約60%(※) |
| 性器ヘルペス | 約30% |
| 梅毒 | 質の高い研究が少ない |
※毎回・正しく使った場合。性感染症クリニックの受診者929人を6か月追いかけた研究です。
※研究ごとに対象や条件が違うため、数字を単純に比べることはできません。
「約6割防げる」は、「約4割は残る」ということ
たとえば、クラミジア・淋菌・トリコモナスでは、コンドームを毎回・正しく使った人は、使わなかった人より感染する可能性が約6割(59%)低くなっていました。 これはとても大きな効果です。でも裏を返せば、約4割のリスクは残るということです。コンドームをつけているから大丈夫、ではありません。
コンドームは大切な予防法ですが、「つけているから絶対大丈夫」ではありません。心当たりがあれば、コンドームを使っていても検査を受けましょう。
「毎回」だけでなく「正しく」が大事
上のクラミジア・淋菌・トリコモナスの研究では、次のような結果でした。
- 毎回使っていても、正しく使えていない(途中からつけた、途中で外した、破れた・外れたなど)場合は、はっきりした予防効果が見られなかった
- 毎回・正しく使った場合に、約6割リスクが下がった
HIV(男性間のアナルセックス)の研究でも、「ときどき使う」だけでは、使わない場合と比べてはっきりした効果は見られませんでした。 つまり、コンドームは、最初から最後まで、毎回、正しく使ってはじめて効果を発揮します。
コンドームで防ぎにくい性感染症
性感染症には、大きく分けて2つのうつり方があります。
- 体液(精液・腟分泌液など)でうつる:HIV、クラミジア、淋菌、トリコモナスなど。コンドームで防ぎやすい
- 皮膚や粘膜の接触でうつる:梅毒、性器ヘルペス、HPV(尖圭コンジローマ)、水いぼなど。コンドームで覆われない部分(陰のう、足のつけ根、陰毛のあたりなど)に病変やウイルスがあるとうつるため、防ぎきれない
オーラルセックスでは?
オーラルセックスでも、コンドームはつけたほうがよいです。とはいえ、現実的には、オーラルセックスでコンドームを使う人はあまりいません。コンドームを使わない場合、のどの淋菌やクラミジア、梅毒などがうつることがあります。心当たりがあれば、性器だけでなく、のどの検査も受けましょう。くわしくは 咽頭炎・扁桃炎のページをご覧ください。
コンドームの正しい使い方
米国CDCの案内をもとに、ポイントをまとめました。
- 自分に合ったサイズのコンドームを使う(このサイトからのおすすめ)
- 毎回、新しいコンドームを使う。最初から最後までつける(途中からつけない)
- 勃起したペニスの先に、巻いてある側を外側にしてあてる
- 先端の空気を抜いて、精液だまりをつくりながら、根元までかぶせる
- 射精したら、コンドームの根元を押さえて、精液がこぼれないようにペニスを抜く
- 途中で破れたと感じたら、すぐにやめて、新しいものにつけかえる
- 潤滑剤は、水性のものを使う。ワセリンやボディローションなど油性のものは、ラテックス(ゴム)製のコンドームを傷め、破れる原因になる
このサイトの経験では、サイズの合わないコンドームでの長時間のセックスのあとなどに、亀頭の下にひものような硬いしこりができる人がいます(非性病性硬化性リンパ管炎)。多くは自然に治ります。
コンドーム以外の予防法(ワクチン、検査、PrEPなど)は、性感染症を防ぐ方法まとめの記事にまとめています。
コンドームを使うとかゆい・腫れるときは、コンドームを使うとかゆい・腫れるも見てください。
ピルなどほかの避妊法や殺精子剤と性感染症の関係は、避妊と性感染症の予防は別のものにまとめています。
まとめ
- コンドームは性感染症の予防の基本。毎回使うと、HIVで約80%、クラミジア・淋菌などで約60%、ヘルペスで約30%リスクが下がる
- でも、ゼロにはならない。「つけているから大丈夫」ではない
- サイズの合ったものを、毎回・最初から最後まで・正しく使うことが大切
- 梅毒・ヘルペス・HPVなど、皮膚の接触でうつる病気は防ぎきれない
- 心当たりがあれば、コンドームを使っていても検査を
参考文献
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この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
