予防2026年9月25日

コンドームで性感染症はどれくらい防げる?数字で見る予防効果と、正しい使い方

コンドームは性感染症の予防の基本。でも「つけているから絶対大丈夫」ではありません。HIV・クラミジア・淋菌・ヘルペス・HPVなど、病気ごとの予防効果を研究の数字で紹介し、効果を上げる正しい使い方をまとめました。

目次
  1. コンドームの予防効果—病気によって違う
  2. 「毎回」だけでなく「正しく」が大事
  3. コンドームで防ぎにくい性感染症
  4. コンドームの正しい使い方
  5. まとめ

プレ男コンドームをつけてれば、性病は全部防げるんだよね?

メル美それが、病気によって防げる程度が違うんだって。

こんにちは、Dr. Taro です。 性感染症の予防といえば、まずコンドーム。でも、「コンドームをつけているから大丈夫」と思っていませんか? コンドームはとても大切な予防法ですが、すべてを防げるわけではありません。今回は、コンドームで性感染症がどれくらい防げるのかを、研究の数字で見ていきます。 初めてのセックスの前に知っておきたいこと(同意・避妊・性感染症)は、初めてのセックスの前にの記事にまとめています。

コンドームの予防効果—病気によって違う

コンドームを毎回使った人と使わなかった人を比べた研究から、感染のリスクがどれくらい減ったかをまとめました。

コンドームで減らせる感染のリスク(毎回使った場合、使わない場合と比べて):HIV(男女間)約80%、HIV(男性間のアナルセックス)約70%、HPV(女性)約70%、クラミジア・淋菌・トリコモナス約60%(毎回・正しく使った場合)、性器ヘルペス約30%。梅毒は質の高い研究が少ない。研究ごとに対象や条件が違うため、単純には比べられない

病気 減ったリスク
HIV(男女間) 約80%
HIV(男性間のアナル) 約70%
HPV(女性) 約70%
クラミジア・淋菌・トリコモナス 約60%(※)
性器ヘルペス 約30%
梅毒 質の高い研究が少ない

※毎回・正しく使った場合。性感染症クリニックの受診者929人を6か月追いかけた研究です。

※研究ごとに対象や条件が違うため、数字を単純に比べることはできません。

「約6割防げる」は、「約4割は残る」ということ

たとえば、クラミジア・淋菌・トリコモナスでは、コンドームを毎回・正しく使った人は、使わなかった人より感染する可能性が約6割(59%)低くなっていました。 これはとても大きな効果です。でも裏を返せば、約4割のリスクは残るということです。コンドームをつけているから大丈夫、ではありません。

コンドームは大切な予防法ですが、「つけているから絶対大丈夫」ではありません。心当たりがあれば、コンドームを使っていても検査を受けましょう。

「毎回」だけでなく「正しく」が大事

上のクラミジア・淋菌・トリコモナスの研究では、次のような結果でした。

HIV(男性間のアナルセックス)の研究でも、「ときどき使う」だけでは、使わない場合と比べてはっきりした効果は見られませんでした。 つまり、コンドームは、最初から最後まで、毎回、正しく使ってはじめて効果を発揮します。

コンドームで防ぎにくい性感染症

性感染症には、大きく分けて2つのうつり方があります。

オーラルセックスでは?

オーラルセックスでも、コンドームはつけたほうがよいです。とはいえ、現実的には、オーラルセックスでコンドームを使う人はあまりいません。コンドームを使わない場合、のどの淋菌やクラミジア、梅毒などがうつることがあります。心当たりがあれば、性器だけでなく、のどの検査も受けましょう。くわしくは 咽頭炎・扁桃炎のページをご覧ください。

コンドームの正しい使い方

米国CDCの案内をもとに、ポイントをまとめました。

  1. 自分に合ったサイズのコンドームを使う(このサイトからのおすすめ)
  2. 毎回、新しいコンドームを使う。最初から最後までつける(途中からつけない)
  3. 勃起したペニスの先に、巻いてある側を外側にしてあてる
  4. 先端の空気を抜いて、精液だまりをつくりながら、根元までかぶせる
  5. 射精したら、コンドームの根元を押さえて、精液がこぼれないようにペニスを抜く
  6. 途中で破れたと感じたら、すぐにやめて、新しいものにつけかえる
  7. 潤滑剤は、水性のものを使う。ワセリンやボディローションなど油性のものは、ラテックス(ゴム)製のコンドームを傷め、破れる原因になる

このサイトの経験では、サイズの合わないコンドームでの長時間のセックスのあとなどに、亀頭の下にひものような硬いしこりができる人がいます(非性病性硬化性リンパ管炎)。多くは自然に治ります。

コンドーム以外の予防法(ワクチン、検査、PrEPなど)は、性感染症を防ぐ方法まとめの記事にまとめています。

コンドームを使うとかゆい・腫れるときは、コンドームを使うとかゆい・腫れるも見てください。

ピルなどほかの避妊法や殺精子剤と性感染症の関係は、避妊と性感染症の予防は別のものにまとめています。

まとめ


参考文献

  1. Weller S, Davis K. Condom effectiveness in reducing heterosexual HIV transmission. Cochrane Database Syst Rev. 2002;(1):CD003255. https://doi.org/10.1002/14651858.CD003255 (閲覧日:2026年9月25日)
  2. Smith DK, Herbst JH, Zhang X, Rose CE. Condom effectiveness for HIV prevention by consistency of use among men who have sex with men in the United States. J Acquir Immune Defic Syndr. 2015;68:337-344. https://doi.org/10.1097/QAI.0000000000000461 (閲覧日:2026年9月25日)
  3. Winer RL, et al. Condom use and the risk of genital human papillomavirus infection in young women. N Engl J Med. 2006;354:2645-2654. https://doi.org/10.1056/NEJMoa053284 (閲覧日:2026年9月25日)
  4. Crosby RA, et al. Condom effectiveness against non-viral sexually transmitted infections: a prospective study using electronic daily diaries. Sex Transm Infect. 2012;88:484-489. https://doi.org/10.1136/sextrans-2012-050618 (閲覧日:2026年9月25日)
  5. Martin ET, et al. A pooled analysis of the effect of condoms in preventing HSV-2 acquisition. Arch Intern Med. 2009;169:1233-1240. https://doi.org/10.1001/archinternmed.2009.177 (閲覧日:2026年9月25日)
  6. Koss CA, Dunne EF, Warner L. A systematic review of epidemiologic studies assessing condom use and risk of syphilis. Sex Transm Dis. 2009;36:401-405. https://doi.org/10.1097/OLQ.0b013e3181a396eb (閲覧日:2026年9月25日)
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  8. Centers for Disease Control and Prevention. Condom Use: An Overview. https://www.cdc.gov/condom-use/index.html (閲覧日:2026年9月25日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。