病気の解説2026年9月25日

水いぼ(伝染性軟属腫)は大人もうつる?陰部にできる水いぼと、性感染症としての注意点

子どもの病気と思われがちな水いぼ。大人では、性行為で陰部やその周りにできることがあります。うつり方、治るまでの期間、治療、気をつけたいことをまとめました。

目次
  1. 水いぼ(伝染性軟属腫)ってどんな病気?
  2. 症状は?
  3. 自然に治るの?
  4. 検査・診断は?
  5. 治療は?
  6. 気をつけたいこと—ほかの性感染症と、HIV
  7. パートナーに伝えるのが気まずい…
  8. 予防するには
  9. まとめ

プレ男水いぼって子どもの病気じゃないの?大人もうつるの?

こんにちは、Dr. Taro です。 「水いぼ」と聞くと、子どもの病気を思い浮かべる人が多いと思います。でも実は、大人では性行為でうつって、陰部やその周りにできることがあります。今回は、大人の水いぼ(伝染性軟属腫)のお話です。

水いぼ(伝染性軟属腫)ってどんな病気?

水いぼは、伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)ウイルスという、ポックスウイルスの仲間による皮膚の感染症です。皮膚に、小さなつやのある粒(できもの)ができます。

水いぼは、一般には性感染症として知られていないかもしれません。でも、大人の陰部の水いぼは、性行為でうつっていることが多いのです。 子どもの水いぼは、性感染症ではありません。この記事では、主に大人の陰部の水いぼについてお話しします。

症状は?

水いぼの経過:うつってから出てくるまで2〜7週(長いと6か月)。できものは2〜5mmのつやのある粒で、真ん中がくぼむ。自然に治るまで6〜12か月(長いと数年)

かいたり、つぶしたりすると、ほかの場所にうつって数が増えることがあります。気になっても、さわらないようにしましょう。

陰毛のそり・脱毛で広がることも

水いぼは、自分の体のほかの場所にもうつります。できものがあるところをカミソリでそったり、脱毛(ワックスなど)をしたりすると、広がりやすくなるので、治るまでは控えましょう。

自然に治るの?

健康な人では、水いぼは自然に治る病気です。多くは6〜12か月ほどで治りますが、長いと数年かかることもあります。 治るときに大切なのは、体の免疫がウイルスを見つけて、やっつけることです。治る前には、できものやそのまわりが赤くなったり、かゆくなったりすることがあります。これは、免疫がウイルスに反応して治りはじめているサインのことがあります。

ただ、治るまでの間に、ほかの人にうつしたり、自分の体で数が増えたりすることがあります。

検査・診断は?

水いぼは、できものの見た目が特徴的なので、ふつうは医師が見て診断します。ダーモスコピー(拡大して見る器具)を使うこともあります。

ほかの病気と見分けにくいときは、できものの一部をとって顕微鏡で調べることもあります。見た目が似ている病気には、尖圭コンジローマや梅毒などの性感染症もあるので、自己判断せずに受診しましょう。

治療は?

このサイトでは、健康な人では自然に治るのを待つ(経過を見る)ことを基本と考えています。ヨーロッパのガイドラインでも、健康な人では治療せずに自然に治るのを待つのは妥当とされています。

一方で、次のような場合には治療をすることもすすめられています(ヨーロッパのガイドライン)。

治療には、次のような方法があります。医師とよく相談して決めましょう。

新しい塗り薬(カンタリジン)

2025年9月に、水いぼ(伝染性軟属腫)の治療薬としてカンタリジン外用液が承認され、11月から保険で使えるようになりました。

治療でいったん見えるものをすべて取っても、しばらくは新しいできものが出てくることがあり、何度か治療が必要になることもあります。

気をつけたいこと—ほかの性感染症と、HIV

水いぼが陰部にできたということは、性行為で感染した可能性があるということです。ヨーロッパのガイドラインでは、陰部の水いぼがある人には、ほかの性感染症の検査もすすめることになっています。

また、HIV などで免疫が落ちていると、水いぼがたくさんできたり、大きくなったり、なかなか治らなかったりします。大きな水いぼが、HIV 感染に気づくきっかけになった例も報告されています。数が多い、大きい、治りにくいときは、HIV の検査も考えましょう。

パートナーに伝えるのが気まずい…

わかります。でも水いぼは、肌と肌がふれるだけでうつる、ありふれたウイルスです。子どものころにかかったことがある人も多い病気です。

メル美性病になるより、修羅場になる方がヤバい!

プレ男責め合うより、2人で気をつけながら治すのがいちばんの近道です。

パートナーに水いぼがなければ、治療は必要ありません。ただ、うつることがあるので、できものがないか様子を見てもらうとよいでしょう。

予防するには

コンドームも使いましょう。ただし、水いぼはコンドームで覆えない場所(陰毛のあたりや太もも)にもできるので、コンドームだけでは防ぎきれないことがあります。

まとめ


参考文献

  1. Edwards S, et al. 2020 European guideline on the management of genital molluscum contagiosum. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2021. https://doi.org/10.1111/jdv.16856 (閲覧日:2026年9月25日)
  2. Centers for Disease Control and Prevention. About Molluscum Contagiosum. https://www.cdc.gov/molluscum-contagiosum/about/index.html (閲覧日:2026年9月25日)
  3. Centers for Disease Control and Prevention. Clinical Overview of Molluscum Contagiosum. https://www.cdc.gov/molluscum-contagiosum/hcp/clinical-overview/index.html (閲覧日:2026年9月25日)
  4. MSDマニュアル プロフェッショナル版. 伝染性軟属腫(2023年6月改訂). https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/14-皮膚疾患/ウイルス性皮膚疾患/伝染性軟属腫 (閲覧日:2026年9月25日)
  5. 鳥居薬品株式会社(塩野義製薬株式会社ウェブサイト掲載). ウイルス性疣贅治療剤(適応症:伝染性軟属腫)の日本における新発売について. 2026年2月9日. https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2026/02/20260209.html (閲覧日:2026年9月25日)
  6. カンタリジン外用液0.71% 添付文書情報(KEGG MEDICUS). https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00071837 (閲覧日:2026年9月25日)
  7. 日本性感染症学会(編). 性感染症 診断・治療ガイドライン2026. 診断と治療社, 2025年12月18日発行.

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。