病気の解説2026年9月24日

尖圭コンジローマってどんな病気?イボの原因・治療・HPVワクチンをやさしく解説

性器や肛門のまわりにイボができる尖圭コンジローマ。原因のHPV、治療の方法、ワクチンによる予防までまとめました。

目次
  1. 尖圭コンジローマってどんな病気?
  2. 日本では
  3. どうやってうつるの?
  4. 症状は?
  5. 検査・診断は?
  6. 治療は?
  7. 妊娠中の人へ
  8. パートナーに伝えるのが気まずい…
  9. 予防するには—HPVワクチン
  10. まとめ

プレ男陰部に、小さなイボみたいなものができたんだけど…。

メル美イボができる性感染症があるって聞いたことがあるよ。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、性器や肛門のまわりにイボができる性感染症、尖圭(せんけい)コンジローマのお話です。「見た目が気になるけど、恥ずかしくて受診しにくい」という声をよく聞く病気です。

尖圭コンジローマってどんな病気?

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染症です。性器や肛門のまわりに、とさか(鶏冠)のような形や、乳頭のような形のイボができます。

原因のほとんど(約90%)は、HPVのなかでも6型と11型というタイプです。これらは、がんとの関係が少ない「低リスク型」とされています。

HPVには型がある:6型・11型(低リスク型)は尖圭コンジローマ(イボ)の主な原因。16型・18型など(高リスク型)は子宮頸がんなどの原因。両方に感染していることもある

一方、HPVには子宮頸がんなどの原因になる「高リスク型」(16型・18型など)もあります。イボの中から高リスク型が見つかることもあるので、女性は子宮頸がん検診も忘れずに受けましょう。

日本では

尖圭コンジローマも、一部の医療機関だけが報告する「定点把握」の病気です。2024年の報告数は6,387人(男性4,288人、女性2,099人)で、男女とも若い世代に多く報告されています。 ※一部の医療機関からの報告なので、実際の患者数ではなく「傾向」を見るための数字です。

どうやってうつるの?

主な感染経路は、性行為による粘膜の接触です。 まれに、手指を通じて幼い子どもに感染したり、出産のときに赤ちゃんに感染したりすることもあります。

症状は?

治療しないでいると、自然に消えることもあれば、そのまま変わらなかったり、大きくなったり数が増えたりすることもあります。

コンジローマと間違えやすい、正常なもの

陰部のブツブツには、コンジローマと間違えやすい正常なものもあります。ブツブツ・イボ・しこり全体の見分け方は、陰部にブツブツができたの記事にまとめています。

放っておくと、イボが大きくなったり数が増えたりすることもあります。「恥ずかしいから…」と放っておかずに、気になったら早めに受診してくださいね。

検査・診断は?

尖圭コンジローマは、イボの形が特徴的なので、ほとんどの場合、医師が見た目で診断します。

ほかの病気と見分けがつきにくいときは、イボの一部をとって顕微鏡で調べる病理検査をすることもあります。

治療は?

イボを取り除く治療と、塗り薬による治療があります。

尖圭コンジローマの治療:イボを取り除く治療(切除、レーザー、電気メスで焼く、液体窒素で凍らせる)と、塗り薬(イミキモドクリームを週3回・寝る前に塗り、6〜10時間後に洗い流す)。治療後も3か月は再発に注意

イボを取り除く治療

塗り薬(イミキモドクリーム)

治療のあとも、3か月は様子を見る

尖圭コンジローマは、治療しても、また出てくる(再発する)ことがある病気です。 感染してからイボが出るまで2〜3か月ほどかかることが多いため、治療が終わっても最低3か月は経過を見て、再発を早めに見つけることが大切です。

また、自分が治っても、パートナーがウイルスを持っていれば、またうつる可能性があります。パートナーも受診して、症状があれば治療を受けましょう。

妊娠中の人へ

妊娠中に尖圭コンジローマができた場合は、赤ちゃんへの感染を防ぐため、出産までに治療を終えることがすすめられています。妊娠中の人や妊娠を考えている人は、主治医に相談してください。

パートナーに伝えるのが気まずい…

わかります。見た目の変化があるので、なおさら気になりますよね。 でも、HPVは性行為を経験する年頃になれば、男女を問わず多くの人が感染するありふれたウイルスです。感染してからイボが出るまで時間がかかるので、「いつ、誰から」は分からないことがほとんどです。

プレ男性病になるより、修羅場になる方がヤバい!

メル美責め合うより、2人で一緒に受診して治すのがいちばんの近道です。

予防するには—HPVワクチン

尖圭コンジローマは、HPVワクチンで予防できます。6型・11型を防ぐHPVワクチンが、尖圭コンジローマの予防に使えます。これまでは4価ワクチンと9価ワクチンがありましたが、4価ワクチンは2026年12月末で販売終了の予定で、今後は男女とも9価ワクチンを接種することになります。ワクチンを取り入れた国では、若い世代の尖圭コンジローマが減ったと報告されています。

HPVワクチンで尖圭コンジローマを予防:女性は小学6年〜高校1年相当が定期接種(2026年4月から9価ワクチン)。男性は9価ワクチンが承認されているが任意接種で、自治体によっては全額の助成も。4価ワクチンは2026年12月末で販売終了予定。すでにあるイボは治せない

HPVワクチンについて、くわしくは HPVワクチンのページをご覧ください。

そのほか、コンドームを使うことも大切です。

治療のあとにまた出てきたときのことは、尖圭コンジローマがまた出てきたにまとめています。

まとめ


参考文献

  1. 国立健康危機管理研究機構. 尖圭コンジローマ. https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/condyloma-acuminatum/index.html (閲覧日:2026年9月24日)
  2. 国立健康危機管理研究機構. 尖圭コンジローマ(詳細版). https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/condyloma-acuminatum/detail/index.html (閲覧日:2026年9月24日)※ページに「更新作業中のため一部に古い情報が含まれる場合がある」との注記あり
  3. 厚生労働省. 性感染症報告数(性別にみた性感染症報告数の年次推移、2004年〜2024年). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/houkokusuu.html (閲覧日:2026年9月24日)
  4. Centers for Disease Control and Prevention. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021: Anogenital Warts. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/anogenital-warts.htm (閲覧日:2026年9月24日)
  5. イミキモドクリーム5% 電子添文(KEGG MEDICUS 掲載). https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053724 (閲覧日:2026年9月24日)
  6. 厚生労働省. HPVワクチンに関するQ&A(2026年3月25日更新). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html (閲覧日:2026年9月24日)
  7. 厚生労働省. HPVワクチンの男性への接種について(第31回ワクチン評価に関する小委員会 資料3-1、2025年9月25日). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001569950.pdf (閲覧日:2026年9月24日)
  8. 東京都保健医療局. HPVワクチンの男性への接種について. https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/info/hpv/hpvdansei (閲覧日:2026年9月24日)
  9. 品川区. 男性のHPVワクチン任意予防接種の全額助成(2026年4月1日更新). https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kenkou/yobousessyu/20240313180658.html (閲覧日:2026年9月25日)
  10. MSD株式会社. 4価HPVワクチン 販売終了に関するお知らせ(2025年11月). https://www.msdconnect.jp/wp-content/uploads/sites/5/2025/11/hpv-gardasil-info-202511.pdf (閲覧日:2026年9月25日)
  11. 日本性感染症学会(編). 性感染症 診断・治療ガイドライン2026. 診断と治療社, 2025年12月18日発行.

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。