尖圭コンジローマってどんな病気?イボの原因・治療・HPVワクチンをやさしく解説
性器や肛門のまわりにイボができる尖圭コンジローマ。原因のHPV、治療の方法、ワクチンによる予防までまとめました。

プレ男陰部に、小さなイボみたいなものができたんだけど…。

メル美イボができる性感染症があるって聞いたことがあるよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、性器や肛門のまわりにイボができる性感染症、尖圭(せんけい)コンジローマのお話です。「見た目が気になるけど、恥ずかしくて受診しにくい」という声をよく聞く病気です。
尖圭コンジローマってどんな病気?
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)による感染症です。性器や肛門のまわりに、とさか(鶏冠)のような形や、乳頭のような形のイボができます。
原因のほとんど(約90%)は、HPVのなかでも6型と11型というタイプです。これらは、がんとの関係が少ない「低リスク型」とされています。
一方、HPVには子宮頸がんなどの原因になる「高リスク型」(16型・18型など)もあります。イボの中から高リスク型が見つかることもあるので、女性は子宮頸がん検診も忘れずに受けましょう。
日本では
尖圭コンジローマも、一部の医療機関だけが報告する「定点把握」の病気です。2024年の報告数は6,387人(男性4,288人、女性2,099人)で、男女とも若い世代に多く報告されています。 ※一部の医療機関からの報告なので、実際の患者数ではなく「傾向」を見るための数字です。
どうやってうつるの?
主な感染経路は、性行為による粘膜の接触です。 まれに、手指を通じて幼い子どもに感染したり、出産のときに赤ちゃんに感染したりすることもあります。
症状は?
- 感染してからイボが出るまでは、2〜3か月ほどのことが多いですが、数週間で出ることもあれば、長いと2〜3年たってから出ることもあります
- 場所は、男性は陰茎(亀頭や包皮など)や陰のう、女性は腟や外陰部、子宮の入り口など。男女とも、肛門やそのまわり、尿道の出口にもできます
- 自覚症状は少ないことが多いですが、違和感やかゆみ、痛みが出ることもあります
治療しないでいると、自然に消えることもあれば、そのまま変わらなかったり、大きくなったり数が増えたりすることもあります。
コンジローマと間違えやすい、正常なもの
陰部のブツブツには、コンジローマと間違えやすい正常なものもあります。ブツブツ・イボ・しこり全体の見分け方は、陰部にブツブツができたの記事にまとめています。
- 亀頭のふちに並ぶ小さなブツブツ:真珠様陰茎小丘疹
- 陰茎や外陰部、唇の小さな黄色っぽいブツブツ:フォアダイス
- 腟の入り口の小さな指のような突起:腟前庭乳頭腫症
- 陰のうや外陰部の赤〜紫の小さなブツブツ:被角血管腫
放っておくと、イボが大きくなったり数が増えたりすることもあります。「恥ずかしいから…」と放っておかずに、気になったら早めに受診してくださいね。
検査・診断は?
尖圭コンジローマは、イボの形が特徴的なので、ほとんどの場合、医師が見た目で診断します。
ほかの病気と見分けがつきにくいときは、イボの一部をとって顕微鏡で調べる病理検査をすることもあります。
- ふつうの組織検査では、HPVに感染した細胞に特徴的な変化(コイロサイトーシス)が見つかれば、「コンジローマらしい」というところまで分かります
- より正確に診断するには、特殊な染色(免疫染色)でHPVの6型・11型がいることを確かめる必要があります。ただ、実際の診療でそこまで行うことはほとんどありません
治療は?
イボを取り除く治療と、塗り薬による治療があります。
イボを取り除く治療
- 切除、炭酸ガスレーザー、電気メスで焼く、液体窒素で凍らせるなどの方法があります
- 一度に多くのイボを取り除けるのが利点ですが、再発することもあります
塗り薬(イミキモドクリーム)
- 外性器や肛門のまわりのイボに使う塗り薬です
- 1日1回、週3回、寝る前にイボに薄く塗り、起きたら(塗ってから6〜10時間を目安に)石けんで洗い流します
- 塗ったまま長く置いたり、毎日塗ったりすると、ただれなど皮膚の症状が強く出やすくなるので、使い方を守りましょう
治療のあとも、3か月は様子を見る
尖圭コンジローマは、治療しても、また出てくる(再発する)ことがある病気です。 感染してからイボが出るまで2〜3か月ほどかかることが多いため、治療が終わっても最低3か月は経過を見て、再発を早めに見つけることが大切です。
また、自分が治っても、パートナーがウイルスを持っていれば、またうつる可能性があります。パートナーも受診して、症状があれば治療を受けましょう。
妊娠中の人へ
妊娠中に尖圭コンジローマができた場合は、赤ちゃんへの感染を防ぐため、出産までに治療を終えることがすすめられています。妊娠中の人や妊娠を考えている人は、主治医に相談してください。
パートナーに伝えるのが気まずい…
わかります。見た目の変化があるので、なおさら気になりますよね。 でも、HPVは性行為を経験する年頃になれば、男女を問わず多くの人が感染するありふれたウイルスです。感染してからイボが出るまで時間がかかるので、「いつ、誰から」は分からないことがほとんどです。

プレ男性病になるより、修羅場になる方がヤバい!

メル美責め合うより、2人で一緒に受診して治すのがいちばんの近道です。
予防するには—HPVワクチン
尖圭コンジローマは、HPVワクチンで予防できます。6型・11型を防ぐHPVワクチンが、尖圭コンジローマの予防に使えます。これまでは4価ワクチンと9価ワクチンがありましたが、4価ワクチンは2026年12月末で販売終了の予定で、今後は男女とも9価ワクチンを接種することになります。ワクチンを取り入れた国では、若い世代の尖圭コンジローマが減ったと報告されています。
- 女性:小学6年〜高校1年相当の女性は、定期接種(公費)の対象です。2026年4月からは、定期接種に9価ワクチンが使われています
- 男性:9価ワクチンで、男性の尖圭コンジローマの予防が承認されています。ただし男性は、現時点では定期接種ではない任意接種のため、原則として自己負担です。自治体によっては全額の助成を受けられることもあります(たとえば東京都品川区では、男性の任意接種の費用を全額助成しています)。お住まいの市区町村に確認してみてください
- ワクチンは、これから感染するのを防ぐものです。すでにできているイボやウイルスを治すものではありません
HPVワクチンについて、くわしくは HPVワクチンのページをご覧ください。
そのほか、コンドームを使うことも大切です。
治療のあとにまた出てきたときのことは、尖圭コンジローマがまた出てきたにまとめています。
まとめ
- 尖圭コンジローマは、主にHPVの6型・11型による、性器や肛門のまわりのイボ
- 感染から2〜3か月ほどでイボが出ることが多い(長いと2〜3年後)。放っておくと増えることも
- 治療はイボを取り除く方法と塗り薬。再発することがあるので、治療後3か月は様子を見る
- パートナーも受診を
- HPVワクチンで予防できる。男性も接種できる
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構. 尖圭コンジローマ. https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/condyloma-acuminatum/index.html (閲覧日:2026年9月24日)
- 国立健康危機管理研究機構. 尖圭コンジローマ(詳細版). https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/condyloma-acuminatum/detail/index.html (閲覧日:2026年9月24日)※ページに「更新作業中のため一部に古い情報が含まれる場合がある」との注記あり
- 厚生労働省. 性感染症報告数(性別にみた性感染症報告数の年次推移、2004年〜2024年). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/houkokusuu.html (閲覧日:2026年9月24日)
- Centers for Disease Control and Prevention. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021: Anogenital Warts. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/anogenital-warts.htm (閲覧日:2026年9月24日)
- イミキモドクリーム5% 電子添文(KEGG MEDICUS 掲載). https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053724 (閲覧日:2026年9月24日)
- 厚生労働省. HPVワクチンに関するQ&A(2026年3月25日更新). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html (閲覧日:2026年9月24日)
- 厚生労働省. HPVワクチンの男性への接種について(第31回ワクチン評価に関する小委員会 資料3-1、2025年9月25日). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001569950.pdf (閲覧日:2026年9月24日)
- 東京都保健医療局. HPVワクチンの男性への接種について. https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/info/hpv/hpvdansei (閲覧日:2026年9月24日)
- 品川区. 男性のHPVワクチン任意予防接種の全額助成(2026年4月1日更新). https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kenkou/yobousessyu/20240313180658.html (閲覧日:2026年9月25日)
- MSD株式会社. 4価HPVワクチン 販売終了に関するお知らせ(2025年11月). https://www.msdconnect.jp/wp-content/uploads/sites/5/2025/11/hpv-gardasil-info-202511.pdf (閲覧日:2026年9月25日)
- 日本性感染症学会(編). 性感染症 診断・治療ガイドライン2026. 診断と治療社, 2025年12月18日発行.
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
