性感染症の検査はどこで受ける?郵送検査と医療機関の検査のちがい
郵送検査、保健所、医療機関。性感染症の検査を受ける方法と、それぞれのよいところ・注意点、医師の診察を受けるメリットをまとめました。

メル美性病の検査って、どこで受ければいいの?

プレ男郵送の検査キットと病院の検査って、何が違うんだろう?
こんにちは、Dr. Taro です。 「検査を受けたほうがいいのは分かったけど、どこで、どうやって受ければいいの?」という声をよく聞きます。今回は、性感染症の検査の受け方についてお話しします。
検査を受けられる場所は、大きく3つ
- 医療機関(クリニック・病院):医師の診察を受けて、必要な検査をします
- 保健所など:HIVや梅毒などの検査を、無料・匿名で受けられるところがあります(実施している検査や日時は地域によってちがいます)
- 郵送検査:自宅で自分で検体(血液や尿など)をとって、検査会社に送る方法です
郵送検査のよいところと注意点
郵送検査は、利用する人が増えています。HIVの郵送検査だけでも、2023年には15万件以上(保健所などでの検査の約1.4倍)行われました。
よいところ
- 自分の都合のよい時間・場所で、人に会わずに検査できる
- 「医療機関に行くのはハードルが高い」という人の、最初の一歩になる
注意したいこと
- 郵送検査は「スクリーニング(ふるい分け)検査」です。陽性だった場合は、医療機関であらためて確認の検査を受ける必要があります
- 検査の精度は、検査会社によってちがうことがあります。国の研究で結果が分かっている検体を送って調べたところ、ほとんどの会社では結果が一致しましたが、一致しなかった会社もありました(2021年、6社中1社で5検体中2つが不一致)
- 自分で検体をとるため、とり方が正しくないと、正しい結果が出ないことがあります
- 検体を郵送で運ぶため、運ぶ間の温度や時間などによって、検体の状態(品質)が保ちにくいという問題があります
- 検査の説明や相談、結果が出たあとのフォローが対面ではないため、必要な情報が伝わりにくい面があります
- HIVの郵送検査で陽性になった人のうち、医療機関への受診が確認できたのは16%にとどまっていました(2023年)。陽性の結果を受け取っても、治療につながりにくいことが課題になっています
郵送検査で陽性だったら、ひとりで抱え込まずに、必ず医療機関を受診してください。早く治療を始めることが何より大切です。
医療機関で検査を受けるメリット—医師の診察があること
医療機関での検査のいちばんのちがいは、医師の診察が入ることです。
- 症状を見て診断できる 梅毒のしこりや発疹、ヘルペスの水ぶくれ、尖圭コンジローマのイボなどは、医師が見ることで診断につながることが多い病気です。郵送検査のように検体を送るだけでは、症状があるかどうかは分かりません
- どこを検査するかを、いっしょに決められる 性行為の内容によっては、性器だけでなく、のどや直腸の検査が必要なことがあります。のどや直腸の感染は症状が出にくいので、話を聞いたうえで検査する場所を決めることが大切です
- 検査のタイミングを相談できる 感染してすぐは、検査で見つからない時期(ウインドウ期)があります。いつ、どの検査を受ければよいかを相談できます
- 陽性だったら、その場で治療を始められる 確認の検査から治療、治ったかの確認、再検査まで、同じ医療機関で続けて見てもらえます
- パートナーのことも相談できる 多くの性感染症は、パートナーも一緒に検査・治療することが再感染を防ぐ鍵です
- 急いだほうがいいケースを見逃さない たとえば、HIVの感染が心配なときの予防薬(PEP)は、行為から72時間以内に飲み始める必要があります。こうした時間との勝負のケースも、すぐに相談できます
医療機関の検査は「質」が守られている
医療法による精度管理
医療機関(病院・診療所)で行う検体検査は、医療法によって、検査の精度(正確さ)を確保するためのルールが決められています。2018年12月から、次のようなことが求められています。
- 検査の精度に責任を持つ人(医師または臨床検査技師)を置くこと
- 検査の手順を決めた標準作業書や、作業の記録(作業日誌・台帳)を備えること
- 検査を外部の検査所に委託する場合も、精度を確保するための基準を満たすこと
保険の検査に使われる「体外診断用医薬品」
検査に使う試薬にも、ちがいがあります。
- 保険診療で行う検査には、薬機法にもとづく承認などの手続きを経た「体外診断用医薬品」が使われます。国の手続きを経ていない試薬では、保険の検査として認められません
- 一方、承認を受けていない「研究用試薬」というものもあります。医療機関でも、自費の検査では、体外診断用医薬品を使うかどうかは医療機関によってちがうため、自費の検査がすべて同じように質が担保されているとは限りません
郵送検査は保険診療ではないため、体外診断用医薬品を使わなければならない決まりはありません。そのため、検査の質は会社によってばらつきがあるのが実情です。 もちろん、きちんと行っている会社もあります(たとえば国の研究では、HIVの郵送検査を行っている会社は、承認を受けた体外診断用医薬品を使っていました)。郵送検査を使うときは、どのような試薬・体制で検査しているかを確かめるのも、ひとつの目安になります。
つまり、保険診療で受ける医療機関の検査は、医療法による精度管理と、承認を受けた体外診断用医薬品の使用という、二重のしくみで質が守られているのです。
どの方法を選べばいい?
- した行為によって、調べる場所(尿・腟・のど・直腸・血液)が変わります。くわしくは検査でどこを調べる?の記事を見てください
- 症状がある(痛み、かゆみ、おりもの・うみ、できもの、発疹など)→ 医療機関を受診しましょう
- 症状はないけれど心配 → 医療機関、または保健所での検査がおすすめです。郵送検査を使う場合は、陽性なら必ず医療機関へ
- HIVの感染が心配で、行為から72時間以内 → すぐにHIVを扱う医療機関に相談を
いつ検査を受ければいいかは、性行為後にやるべきことチェッカーでも確認できます。
性風俗で働く人やお店の方は、性風俗で働く人とお店のための性感染症ガイドもご覧ください。

メル美性病の検査って、恥ずかしいことじゃないんだね。自分とパートナーを守るための行動なんだ。

プレ男気になったら、気軽に受けてみよう。
保険が使えるかどうかは、性感染症の検査に保険は使える?の記事にまとめています。
検査で実際に何をするか(尿、ぬぐい液、うがい液、血液)は、性感染症の検査って何をするの?の記事にまとめています。
どれくらいの頻度で検査を受けるかは、性感染症の検査、どれくらいの頻度で受ける?の記事にまとめています。
まとめ
- 検査を受ける方法は、医療機関・保健所など・郵送検査の3つ
- 郵送検査は手軽だがスクリーニング検査。陽性なら必ず医療機関で確認を
- 医療機関では医師の診察があり、症状を見た診断、検査する場所の判断、治療までつながる
- 保険診療で受ける医療機関の検査は、医療法による精度管理と、承認を受けた体外診断用医薬品で質が守られている
- 症状があるとき、急ぐとき(HIVのPEPなど)は、医療機関へ
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構. IASR 45(10), 2024「HIV郵送検査に関する実態調査と検査精度調査」. https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/45/536/article/050/index.html (閲覧日:2026年9月25日)
- 厚生労働省. 医療法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令の施行について(平成30年8月10日 医政発0810第1号). https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc3586&dataType=1&pageNo=1 (閲覧日:2026年9月25日)
- 厚生労働省. HIV検査・相談マップ「HIV検査まめ知識」. https://www.mhlw.go.jp/hivkensa/knowledge/mame (閲覧日:2026年9月24日)
- 厚生労働省. 梅毒に関するQ&A. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/syphilis_qa.html (閲覧日:2026年9月24日)
- 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター. 抗HIV薬の曝露後予防内服(PEP). https://www.acc.jihs.go.jp/general/pep_jpn.html (閲覧日:2026年9月24日)
- 厚生労働省. 令和6年度 医療機器・体外診断用医薬品の保険適用に関するガイドブック(2024年12月). https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001073851.pdf (閲覧日:2026年9月25日)
- Centers for Disease Control and Prevention. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/ (閲覧日:2026年9月24日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
