予防2026年10月12日

避妊と性感染症の予防は別のもの:ピル、IUD、不妊手術などコンドーム以外の避妊法は、HIVやほかの性感染症を防がない。殺精子剤(ノノキシノール9)は、かえってHIVのリスクを高めることも

避妊をしていても、性感染症の予防になっているとはかぎりません。米国疾病予防管理センター(CDC)の性感染症治療ガイドライン(2021年)によると、物理的なバリアではない避妊法(ピル、IUDなど)や不妊手術は、HIVやほかの性感染症を防ぎません。殺精子剤のノノキシノール9(N-9)は、性器や直腸の粘膜を傷つけるおそれがあり、HIVに感染するリスクの上昇と関係していて、N-9つきのコンドームはN-9なしのコンドームより効果が高いわけではないため、性感染症とHIVの予防にはすすめられていません。コンドーム以外で避妊している人も、コンドームの使用などの予防を考えることが大切です。

目次
  1. コンドーム以外の避妊法は、性感染症を防がない
  2. 殺精子剤(ノノキシノール9)はすすめられない
  3. ペッサリー(子宮頸部にかぶせる避妊具)も、頼りにしない
  4. 予防はコンドームで
  5. まとめ

プレ男パートナーがピルを飲んでいるから、コンドームはいらないよね?

メル美ピルは妊娠を防ぐもので、性感染症は防がないって聞いたよ。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、避妊と性感染症の予防のちがいの話です。米国疾病予防管理センター(CDC)の「性感染症治療ガイドライン2021」の予防の章(避妊法・殺精子剤など)をもとにまとめました。

コンドーム以外の避妊法は、性感染症を防がない

CDCのガイドラインによると、

ピルやIUDなどの避妊法は、妊娠を防ぐもので、性感染症は防ぎません。性感染症の予防には、コンドームなどを考えてください。

ピルについては低用量ピルとは?、IUDとインプラントについてはIUD・皮下インプラントとは?、不妊手術については不妊手術(パイプカット・卵管結紮)を見てください。

殺精子剤(ノノキシノール9)はすすめられない

CDCのガイドラインによると、

プレ男殺精子剤をつければもっと安心、というわけじゃないんだね。かえってHIVのリスクが上がることもあるなんて。

ペッサリー(子宮頸部にかぶせる避妊具)も、頼りにしない

CDCのガイドラインによると、ペッサリーの使用で子宮頸部の淋菌・クラミジア・トリコモナスが減ったとする観察研究はありますが、コンドームにくらべてHIVやほかの性感染症を防ぐ効果が上乗せされることはなかったため、ペッサリーだけを予防にたよるべきではないとしています。

予防はコンドームで

コンドームの予防効果と正しい使い方は、コンドームで性感染症はどれくらい防げる?を見てください。避妊に失敗したときは、アフターピル(緊急避妊薬)とは?を見てください。

世界の避妊の数字は、世界の避妊(WHO、2025年)にまとめています。

まとめ


参考文献

  1. Workowski KA, et al. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021(Primary Prevention Methods: Cervical Diaphragms, Topical Microbicides and Spermicides, Nonbarrier Contraception). MMWR Recomm Rep. 2021;70(4):1–187. https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/rr/rr7004a1.htm (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。