【テクノロジー解説】スマホのカメラの「目」CMOSセンサーってなに?光を電気に変える小さなマス目(画素)がならぶ。フィルムをなくしたCCDは2009年ノーベル物理学賞、その「ライバル」がCMOS
スマホのカメラで写真が撮れるのは、光を電気の信号に変える「イメージセンサー」があるからです。2009年のノーベル物理学賞は、最初に成功したデジタルのイメージセンサー「CCD」を1969年に発明したボイル博士とスミス博士に贈られました。光が当たると電子が出る「光電効果」(アインシュタインが理論化)を使い、切手ほどのシリコン板に何百万もの光のマス目(画素)がならびます。ノーベル賞の解説では、同じころに発明された「CMOS」はCCDより電気を使わず、携帯電話のカメラによく使われているとしています。しくみと歴史をやさしく解説します。

プレ男新しいスマホ、「5,000万画素のCMOSセンサー」って書いてあった。数字が大きいほどすごいのはわかるけど、CMOSってなに?

メル美むかしはフィルムのカメラだったのに、いつから写真って電気になったんだろう?
こんにちは、Dr. Taro です。 「テクノロジー解説」、今回は、スマホやデジカメの「目」にあたるイメージセンサー、とくにCMOS(シーモス)センサーです。2009年ノーベル物理学賞の公式発表と、一般向け解説「The masters of light(光の名人たち)」をもとにまとめました。
写真を「電気」にした発明:CCD
ノーベル賞の発表によると、
- 1969年、米国ベル研究所のウィラード・ボイル博士とジョージ・スミス博士が、デジタルのセンサーを使った最初の成功した撮像技術「CCD(電荷結合素子)」を発明しました。2人が黒板に最初のスケッチを描いたのは、1969年9月8日とされています
- CCD は「デジタルカメラの電子の目」です。光をフィルムではなく電子的にとらえられるようになり、写真に革命をもたらしました
- デジタルになったことで、画像の加工や共有がかんたんになりました
- 体の中を写すなどの医療や、ハッブル宇宙望遠鏡のような天文、深海の撮影にも使われています
この発明で、2人は2009年のノーベル物理学賞を受けました(同じ年、光ファイバーの研究でカオ博士も受賞)。

プレ男1969年って、人類が月に行った年だ!そのころから、いまのスマホのカメラの元があったのか。
しくみ:光が当たると電子が出る
一般向け解説によると、
- イメージセンサーは、ほかの電子部品と同じくシリコンでできています。切手くらいの大きさの板に、光を感じるマス目(光電セル)が何百万個もならんでいます
- 光が当たると電子が飛び出す「光電効果」を使います。これはアインシュタインが理論化し、1921年のノーベル物理学賞を受けたものです
- 光が強いほど、マス目にたまる電子の数が多くなります。それを読みだしてデジタルの0と1に変え、一つひとつのマス目が画像の点「画素(ピクセル)」になります
- たとえば、横1,280×縦1,024の画素なら、約130万画素です
- センサーそのものは白黒しか見分けられないので、マス目の上に赤・緑・青のフィルターをのせて色をつくります。人の目の感じ方に合わせて、緑の画素は青や赤の2倍にするとされています
CCDとCMOSのちがい
2009年の一般向け解説では、CMOSについて次のように説明しています。
- CMOS(相補型金属酸化膜半導体)は、CCD とほぼ同じころに発明された技術で、どちらも光電効果を使います
- CCDは、マス目にたまった電子を列にならんで順番に読みだします(ベルトコンベアのように)
- CMOSは、それぞれのマス目でその場で読みだします
- CMOS は電気を使う量が少なく、電池が長持ちし、長いあいだ安くつくれました
- 一方で、当時はノイズが多く、画質が落ちるため、高度な用途には感度が足りないとされていました
- CMOS は、携帯電話のふだんの写真などによく使われている、としています

メル美電気をあまり使わないから、スマホにぴったりだったんだね。

スマホのカメラの「目」は、光を電気に変える小さなマス目がならんだイメージセンサーです。フィルムをなくしたCCDは2009年のノーベル物理学賞。電気をあまり使わないCMOSが、携帯電話のカメラによく使われてきました。
画素数が多いほど、いい写真?
- 2009年の解説では、当時すでに CCD は1億画素をこえていたものの、画質は画素の数だけで決まるわけではないとしています
写真をとるときの注意
スマホで手軽にきれいな写真がとれるようになった一方で、SNSに投稿した写真から住んでいる場所がわかってしまうこともあります。投稿前のチェックはその写真で、家がバレるかもへ。スマホのカメラ部分をふくむ防水の注意はスマホの防水表示「IP68」の読み方へ。

プレ男アインシュタインの理論が、ポケットのスマホのカメラにつながってるなんて、ロマンがあるな。

メル美画素の数だけじゃないって、覚えておこう。
空撮にも使われるドローンのしくみと、社会での広がりは、【テクノロジー解説】ドローンってなに?へ。
同じ2009年に受賞した、世界のネットを運ぶガラスの糸は、【テクノロジー解説】光ファイバーってなに?へ。
まとめ
- イメージセンサーは、光を電気の信号に変えるカメラの「目」
- 1969年発明の CCD は、写真をフィルムからデジタルへ。2009年ノーベル物理学賞
- しくみは、アインシュタインの「光電効果」。マス目(画素)にたまる電子を読みだす
- CMOS は、マス目ごとにその場で読みだし、電気を使う量が少ない。携帯電話のカメラによく使われてきた
- 画質は画素の数だけでは決まらない
参考文献
- The Royal Swedish Academy of Sciences. Press release: The Nobel Prize in Physics 2009. NobelPrize.org. https://www.nobelprize.org/prizes/physics/2009/press-release/ (閲覧日:2026年10月5日)
- The Royal Swedish Academy of Sciences. The Nobel Prize in Physics 2009 — Information for the public: The masters of light. https://www.nobelprize.org/uploads/2018/06/popular-physicsprize2009.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
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