
プレ男「ハーピー」って、ゲームだと鳥の羽がはえた女の子のモンスターだよね。

メル美神話では、人のごはんを横取りする、かなり迷惑な怪物みたい。
こんにちは、Dr. Taro です。 世界の幻獣、今回はハルピュイア(英語ではハーピー)です。ヘシオドス『神統記』(H.G.エヴリン=ホワイト訳、1914年)とアポロドーロス『ビブリオテーケー』(J.G.フレイザー訳、1921年)の英訳を、Perseusデジタル図書館で読みました。
プロフィール
| 名前 | ハルピュイア(複数形はハルピュイアイ)。英語ではハーピー |
| 姿 | 「翼のある女の生きもの」(アポロドーロス)。ヘシオドスでは「長い髪」 |
| 名前の例 | アエロ(英訳の注では「嵐のように速い」)とオキュペテ(「速く飛ぶもの」) |
| 親 | 海(ポントス)の子タウマスと、オケアノスの娘エレクトラ。虹の女神イリスの姉妹 |
| 能力 | 「翼で、風や鳥と同じ速さで飛ぶ。時のように速く、さっと飛んでいく」(ヘシオドス) |
| 出典 | ヘシオドス『神統記』265〜269行/アポロドーロス『ビブリオテーケー』第1巻2章6節、第1巻9章21節 |

フランソワ・ヴェルディエ「ゼテスとカライスにピネウス王の食卓から追いはらわれるハルピュイア」制作年不詳。チョーク、淡彩。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)
予言者ピネウスの食卓
- アポロドーロスによると、アルゴー船の英雄たちは、トラキアのサルミュデッソスに着きます。そこには、両目の見えない予言者ピネウスが住んでいました
- ピネウスが目を失ったわけは、話す人によってちがいます。「人間に未来を予言しすぎたので、神々に目をうばわれた」という説などがあります
- 神々は、ピネウスにハルピュイアも送りました。ピネウスの食卓に料理がならぶと、ハルピュイアは空から舞いおりて、ほとんどの料理をさらっていき、少しだけ残したものもくさくて、だれもさわれないほどにしてしまうのです

プレ男毎回ごはんを取られて、残りはくさい…。地味だけど、いちばんつらいやつだ。
北風の兄弟が、空中で追いかける
- アルゴー船の英雄たちが航海のことをたずねると、ピネウスは「ハルピュイアを追いはらってくれたら教えよう」と言いました
- 英雄たちがピネウスのそばに料理をならべると、ハルピュイアは叫び声をあげて急降下し、料理をさらいます
- それを見た北風の神ボレアスの息子、ゼテスとカライスは、剣をぬき、自分たちの翼で空中を追いかけました
- じつは、「ハルピュイアはボレアスの息子たちに倒される」「ボレアスの息子たちは、逃げる者に追いつけなかったときに死ぬ」という運命が決まっていたのです
逃げたハルピュイアのゆくえ
- 1人(ニコトエ、またはアエロプス)は、ペロポネソスのティグレス川に落ち、川はいまその名をとって「ハルピュス川」と呼ばれる
- もう1人(オキュペテ、またはオキュトエ。ヘシオドスはオキュポデと呼ぶ)は、エキナデス諸島まで逃げ、そこで引き返した(ギリシャ語で「エストラペー」)ので、島々は「ストロパデス」と呼ばれるようになった。そして岸で、つかれはてて、追う者とともに倒れた
- ただしアポロドーロスは、アポロニオスの『アルゴナウティカ』では、ハルピュイアはストロパデス諸島まで追われたが、もうピネウスに悪さをしないと誓って、ぶじだったとも紹介しています

メル美島の名前の由来まで、神話で説明されてるんだね。

アポロドーロスによると、ハルピュイアは翼のある女の怪物で、予言者ピネウスの食卓から料理をさらい、残りをくさくして食べられなくしました。
まとめ
- ハルピュイアは、翼のある女の怪物。虹の女神イリスの姉妹
- ヘシオドスでは、アエロとオキュペテ。風や鳥と同じ速さで飛ぶ
- 神々が、目の見えない予言者ピネウスに送り、料理をさらって、残りをくさくした
- 北風ボレアスの息子ゼテスとカライスが、翼で空中を追いかけた
- 島の名前「ストロパデス」は、ハルピュイアが「引き返した」ことから
- 歌で引きよせる怪物はセイレーン、なぞなぞの怪物はスフィンクスもどうぞ
参考文献
- Hesiod. Theogony(英訳:Hugh G. Evelyn-White、1914年). 265–269. Perseus Digital Library. https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.01.0130:card=263 (閲覧日:2026年10月4日)
- Apollodorus. The Library(英訳:Sir James George Frazer、1921年). 1.2.6, 1.9.21. Perseus Digital Library. https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.01.0022:text=Library:book=1:chapter=9:section=21 (閲覧日:2026年10月4日)
- メトロポリタン美術館. François Verdier, The Harpies Driven from the Table of King Phineus by Zetes and Calais(67.95.7、パブリックドメイン). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/339797 (閲覧日:2026年10月5日)
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