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ブン子この前のデート、話の中身はふつうだったのに、なんだか「話が合う」って感じたの。あれって何だったんだろう。

オタ男わかる。ぼくは逆に、会話のたびに変な「間」ができちゃって、気まずくなるんだよね…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、会話のテンポ(返事までの時間)の研究です。米国ダートマス大学のテンプルトン、チャン、レイノルズ、コーン・ルボーモン、ウィートリーが、2022年に米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した論文「Fast response times signal social connection in conversation」の原文をもとにまとめました。調べたのは声で話す会話で、LINEの返信の速さではありません。
どんな研究?
- 研究1:ダートマス大学の学生66人(女性33人)。同じ性別の11人ずつのグループで、1人が10人と1回ずつ、自由なテーマで10分話しました(合計322の会話)。ほとんどは初対面です
- 会話のあと、楽しさを答え、録画した自分の会話を見ながら、その瞬間ごとに「どれくらいつながっていると感じたか」をマウスで記録しました
- 「返事までの時間」は、前の人が話し終わってから、次の人が話し始めるまでの時間を、ミリ秒(1000分の1秒)単位で測りました
- 研究2:研究1の参加者のうち22人が、親しい友だち3人とも会話しました(65の会話。恋人は除いています)
- 研究3:研究1の会話の音声(10往復くらい)の「間」だけを編集し、5分の1に短くした版、2倍に長くした版、元のままの版を作って、450人に聞いてもらいました
わかったこと(1):返事が速い会話ほど、楽しく、つながったと感じた
- 論文によると、ふつうの会話で返事までの時間はとても短く、0.2秒(200ミリ秒)くらいがいちばん多い長さです
- 研究1では、返事までの時間が短い会話ほど、楽しかった・つながったと感じられていました
- 1つの会話の中でも、返事が速い瞬間ほど、つながりを強く感じていました
- 返事が速い人は、10人の相手の多くから、楽しかった・つながったと感じられていました
- 研究2の親しい友だちどうしの会話でも、返事が速い瞬間ほど、つながりを強く感じていました
わかったこと(2):大事なのは「相手が自分に返してくれる速さ」
- 「つながった」と感じるかどうかは、自分が返す速さより、相手が自分に返してくれる速さのほうと強く関係していました(初対面どうしでも、友だちどうしでも)
- 論文は、相手がすぐに返してくれることは、「ちゃんと聞いてくれていた」というしるしになっているのだろう、と考えています

ブン子わたしが「話が合う」って感じたのは、相手がすぐ返してくれたからかもしれないんだ。
わかったこと(3):聞いている人にも伝わる
- 研究3では、同じ会話でも、「間」を短くした版は、元のままの版より、楽しそう・つながっていると感じられました
- 「間」を長くした版は、元のままの版より、楽しさが低く感じられました(つながりの差は、はっきりしませんでした)
- 聞いた人は、「間」に注目するようには言われていません。それでも、テンポの差だけで印象が変わりました

オタ男じゃあ、ぼくもがんばって、すぐ返すようにすればいいの?

この研究で測った「返事までの時間」は、0.2秒ほどの、意識して調整できないほど短い時間です。論文はそのため「ごまかせない」しるしだと考えています。テンポは、わざと速くするより、相手の話をよく聞いた結果として生まれるもののようです。
婚活に当てはめると
論文が書いていることから、いえることは次のくらいです。
- この研究の「速さ」は、0.25秒より短いような、意識して調整できない時間の話です。論文は、そのためごまかせない(正直な)しるしになっている、と書いています。「速く返す練習をすればいい」という研究ではありません
- 論文は、速く返すには、相手が次に何を言うか、いつ話し終わるかを予想できている必要がある、と説明しています。速さは、相手の話をよく聞いていることの結果でもあると考えられています
- 論文は、つながりを感じていると返事が速くなり、返事が速いとつながりを感じる、というおたがいに強めあう関係があるのだろう、とも考えています
注意したいこと:
- 研究1・2の参加者は米国の大学生で、研究1は同じ性別どうしの、10分の自由な会話です。デートの会話で同じになるかは、この論文からはわかりません
- 論文は、口げんかのような会話では、相手にかぶせて話すような速い返事は、かえって「聞いていない」しるしかもしれない、と書いています
- 調べたのは声で話す会話です。LINEの返信の速さの研究ではありません(LINEの返信の速さについては婚活のLINE、返信が遅いと不安になる?もどうぞ)

ブン子テンポを気にするより、相手の話をちゃんと聞くほうが先なんだね。

オタ男次は、返すことより、聞くことに集中してみるよ。
- 相手の話を深める質問の研究はデートで好かれるのは「質問する人」?、会話の終わりどきの研究は会話の「やめどき」は、相手にもわからない、初デートの話題は初デートの会話、何を話す?の記事もどうぞ
まとめ
- ふつうの会話で、返事までの時間は0.2秒くらいがいちばん多い
- 返事が速い会話ほど、楽しく、つながったと感じられた。初対面どうしでも、親しい友だちどうしでも
- 効いていたのは、相手が自分に返してくれる速さ。外で聞いている人も、速い会話を「つながっている」と感じた
- 意識して調整できないほど短い時間の話。わざと速くするより、よく聞くことが先
参考文献
- Templeton EM, Chang LJ, Reynolds EA, Cone LeBeaumont MD, Wheatley T. Fast response times signal social connection in conversation. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 2022;119(4):e2116915119. doi:10.1073/pnas.2116915119. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8794835/ (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

