ヒゲ・VIO脱毛のやけどに注意:毛根を壊すレーザー脱毛は「医行為」。国民生活センターに5年で964件の危害相談
レーザーなどで毛根(毛乳頭など)を壊す脱毛は、医師が行うべき「医行為」とされ、医師免許のない人が業として行えば医師法違反です。国民生活センターには、脱毛によるやけどや皮膚障害の相談が5年間で964件寄せられました。ヒゲやVIOの脱毛を考える男性が知っておきたいリスクと、受ける前の確認点をまとめました。

プレ男毎朝のヒゲそりが面倒で、脱毛しようかな。エステとクリニック、どっちがいいんだろう。

メル美やけどのトラブルもあるって聞くよ。まずはリスクを知っておこう。
こんにちは、Dr. Taro です。 「メンズメディカル」から、脱毛のリスクの話です。厚生労働省の通知と、国民生活センターの報告をもとにまとめました。
毛根を壊す脱毛は「医行為」
- 厚生労働省の通知(2001年)では、レーザーなどの強い光を毛根に当てて、毛乳頭や皮脂腺開口部などを壊す行為は、医師が行うのでなければ健康被害のおそれがある「医行為」とされています
- 医師免許のない人が業として行えば、医師法第17条違反になります
- 2025年8月の通知でも、脱毛などの医行為を、看護師などが医師の指示なく行うことは違反であると、あらためて示されています

プレ男毛根を壊すような脱毛は、お医者さんの仕事なんだ。
やけどなどの危害:5年で964件
国民生活センターには、2012年度から2016年度の約5年間に、脱毛による危害の相談が964件寄せられました。
| 施術を受けた場所 | 件数 |
|---|---|
| エステ | 680件 |
| 医療機関 | 284件 |
- 多かったのは、皮膚障害とやけど(熱傷)です
- 報告された例には、「赤くはれ上がった」「肛門まわりの光脱毛でやけどを負い、治るまで1年以上かかることもあると言われた」「やけどのように腫れ、色素沈着が残った」などがあります
- 医療機関でも危害は起きています。どこで受ける場合も、リスクの説明を受けることが大切です
受ける前に確認したいこと
国民生活センターのアドバイスをもとにまとめました。
- エステの脱毛と医療機関の脱毛の違いをよく理解する
- ホームページや広告をうのみにせず、自分でも情報を集める
- 施術の前に、リスクについて十分な説明を求める
- 長期の契約は、クーリング・オフや中途解約のルールも確認する(美容医療の契約トラブル)
やけどなどが起きたら
- すぐに医療機関(皮膚科など)を受診しましょう
- 契約や対応のトラブルは、消費生活センター(消費者ホットライン 188)に相談できます
知っておきたいトラブル:毛のう炎と「硬毛化」
- 毛のう炎:毛穴(毛のう)の炎症で、ニキビのようなぶつぶつができます。国民生活センターには、脱毛エステの施術のあと、背中や胸、わきなどに広く発疹ができ、皮膚科で毛のう炎と診断された事例が寄せられています
- 硬毛化(こうもうか):レーザーや光で脱毛したのに、かえって毛が濃く・太くなることがあります。医学では「逆説的多毛」と呼ばれます
- 約1万人を対象にした研究をまとめた解析(2021年)では、起こったのは約3%。顔や首に多く、それ以外の部位では0.08%とまれでした。多くの研究で、治療を続けるうちに少しずつよくなっていました
- 原因は、まだよくわかっていません
- 国民生活センターには、硬毛化を改善するために強いレーザーを当てたところ、やけどを負ったという事例も寄せられています
- ひげの脱毛でも、医療機関でのレーザー脱毛のあとに、ほおがやけどのようになった事例が報告されています

プレ男ひげ脱毛を考えてたんだけど、顔は硬毛化が起こりやすいのか…。
- 受ける前に、こうしたリスクと、起きたときの対応について、説明を受けておくと安心です
まとめ
- レーザーなどで毛根を壊す脱毛は「医行為」。医師以外が業として行えば医師法違反
- 脱毛の危害相談は5年で964件(エステ680件、医療機関284件)。多いのは皮膚障害とやけど
- 受ける前に、リスクの説明と契約のルールを確認
- やけどなどが起きたら、すぐに受診し、188にも相談
参考文献
- 厚生労働省. 医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(平成13年11月8日 医政医発第105号). https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta6731&dataType=1&pageNo=1 (閲覧日:2026年9月28日)
- 厚生労働省. 美容医療に関する取扱いについて(令和7年8月15日 医政局長通知). https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc9325&dataType=1&pageNo=1 (閲覧日:2026年9月28日)
- 国民生活センター. なくならない脱毛施術による危害(2017年5月11日). https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20170511_1.html (閲覧日:2026年9月28日)
- Snast I, Kaftory R, Lapidoth M, Levi A. Paradoxical Hypertrichosis Associated with Laser and Light Therapy for Hair Removal: A Systematic Review and Meta-analysis. Am J Clin Dermatol. 2021. https://doi.org/10.1007/s40257-021-00611-w (閲覧日:2026年9月28日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。