
メル美わたし、子どものころおたふくかぜで右耳が聞こえなくなったの。最近、急に天井がぐるぐる回るめまいが何回か起きて…。

プレ男昔の難聴と、いまのめまいって関係あるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、遅発性内リンパ水腫の話です。難病情報センターの「遅発性内リンパ水腫」(令和7年12月更新、難治性聴覚障害に関する調査研究班)をもとにまとめました。めまいのいろいろな原因はめまいの記事にまとめています。
どんな病気?
- 突然、または時期がわからない高度の難聴が先に起こり、その数年〜数十年後に、ぐるぐる回るめまい(回転性めまい)をくり返す病気です
- 以前の難聴が、長い年月をへて内耳に内リンパ水腫(内耳のリンパ液が多すぎる状態)を引き起こして起こると考えられていますが、原因はわかっていません
- 遺伝性の病気とは考えられていません
どんな人に多い?
- 2020年の全国調査で約962人、人口10万人あたり0.8人程度と推定されています
- 患者さんの約半数が9歳以下で高度の難聴になっていました
- 先にあった難聴の原因は、原因不明が最も多く、次いで突発性難聴やおたふくかぜ(ムンプス)による難聴でした
- そのため、子どものころから片方の耳がまったく聞こえない人、ウイルスによる内耳炎や突発性難聴になった人に多いと考えられています(突発性難聴)

メル美子どものころの難聴が、何十年もたってめまいの原因になることがあるんだ。
症状と経過
- 片方または両方の耳の高度の難聴のあと、バランスを保つ器官(前庭)に内リンパ水腫が生じ、回転性めまいをくり返すと考えられています
- めまい発作のあと、初めは軽いふらつきまで回復しますが、発作をくり返すとふらつきが残るようになります
- さらにくり返すと、発作は止まっても、バランスの働きが大きく損なわれてふらつきが続き、日常生活に大きな支障が出ます
治療
- 根本的に治す治療はありません
- めまい発作を防ぐために、利尿薬などの薬を飲みます
- ストレスがめまい発作を起こしやすくしている場合は、生活の環境を改善してストレスを減らすことも有効とされています
- それでも発作が抑えられない場合は、中耳に圧をかける治療や手術を行います
日常生活の注意
- 過労や介護などのストレス、睡眠不足、不規則な生活があると、めまい発作が起こりやすくなります。生活の環境を改善し、ストレスを減らすことが大切です

遅発性内リンパ水腫は、子どものころから片方の耳が聞こえない人や、突発性難聴になった人に、何年もたってから回転性めまいをくり返す病気です。過労や睡眠不足、ストレスで発作が起こりやすくなるので、生活の環境を整えることが大切です。
- 脳卒中のサインは脳卒中・心筋梗塞のサインの記事もどうぞ

プレ男昔のおたふくかぜの難聴のことも伝えて、耳鼻咽喉科で相談してみようね。睡眠もしっかりとろう。
まとめ
- 高度の難聴が先にあり、数年〜数十年後に回転性めまいをくり返す病気
- 約962人。約半数は9歳以下で難聴に
- 先の難聴の原因は原因不明・突発性難聴・おたふくかぜなど
- くり返すとふらつきが残ることも。根本的な治療はなく、薬で発作を予防
- 過労・介護・睡眠不足・不規則な生活をさけ、ストレスを減らす
参考文献
- 難病情報センター. 遅発性内リンパ水腫(指定難病305)(情報更新日:令和7年12月、難治性聴覚障害に関する調査研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/148 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。