
プレ男毎晩けっこう飲む40代の先輩が、急に脚の付け根が痛くなって、「骨頭壊死」って言われたらしい。お酒と関係あるの?

メル美骨が壊死するって、こわい名前…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、特発性大腿骨頭壊死症の話です。難病情報センターの「特発性大腿骨頭壊死症」(令和6年11月更新)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 太ももの骨の先端で、股関節をつくる大腿骨頭の一部が、血の流れが悪くなって壊死した状態です(骨が腐るのではなく、血が通わなくなって骨の組織が死んだ状態)
- 骨壊死があるだけでは痛みはありません。壊死した部分がつぶれたときに痛みが出ます。範囲が小さければ、生涯痛みが出ないこともあります
- 痛みが出ても、手術などの適切な治療で痛みのない生活を送ることができるので、過度な心配は禁物とされています
どんな人に多い?
- 新たに発症する人は、全国で年に約2,000〜3,000人です
- 30〜50歳代に多く、男性では40歳代、女性では60歳代が多いなど、働き盛りの年代に起こりやすい病気です。男女比は1.5対1です
- 習慣的にお酒を飲む人、たばこを吸う人、膠原病や臓器移植などでステロイドを大量に使った人に比較的多く起こりますが、何のきっかけもなく起こることもあります
アルコール関連・ステロイド関連の基準
| 国際的な基準(難病情報センターより) | |
|---|---|
| アルコール関連 | 純アルコールで週320g(アルコール量400mL)を超える飲酒を6か月以上続け、その後1年以内に診断 |
| ステロイド関連 | 3か月以内に累積2gを超えるプレドニゾロン(または同等のステロイド)を使い、その後2年以内に診断 |
- 週320gは、1日あたりにすると純アルコール約46g(日本酒でおよそ2合)にあたります
- ステロイドはいろいろな病気の治療に必要な薬です。処方されているステロイドを自分の判断でやめたり減らしたりしないでください。元の病気が悪くなることがあります

プレ男毎日2合くらいを半年以上続けると「アルコール関連」の基準に入るんだ。先輩の飲み方だと当てはまりそう…。
症状
- 骨壊死が起きただけのときは、自覚症状はありません。壊死した部分がつぶれたときに症状が出て、起きてから症状が出るまでに数か月〜数年の差があります
- 比較的急に起こる股関節(脚の付け根)の痛みが特徴ですが、腰痛、ひざの痛み、おしりの痛みで始まることもあります
- 初めの痛みは安静で2〜3週で軽くなることもありますが、つぶれが進むと再び強くなります
治療
- 壊死の大きさや場所から経過がよいと判断できる場合や、症状がない場合は、杖で体重をかけない、体重を保つ、長い距離を歩かない、重い物を運ばないなどの保存療法を行い、痛みには痛み止めを使います
- ただし、これらの方法ではつぶれの進行を防ぐことはあまり期待できないため、つぶれが進むおそれのあるタイプでは、手術の時機を逃さないことが重要です。症状が出たら、変形が進む前に手術を受けるほうが治療の効果が高くなります
- 若い人では自分の関節を残す骨切り術がまず選ばれ、壊死の範囲が大きい場合や高齢の人などでは人工関節の手術が必要になることもあります

特発性大腿骨頭壊死症は、習慣的な飲酒や喫煙、ステロイドの大量投与と関係していて、男性では40歳代に多くみられます。痛みが出ても、手術などの適切な治療で痛みのない生活を送ることができます。
- お酒の量の考え方はお酒は「百薬の長」ではなかった、たばこの全身への影響はたばこの害は、がんと肺だけじゃない、ほかの股関節の病気は変形性股関節症の記事もどうぞ

メル美脚の付け根が痛むときは、腰やひざのせいと思いこまずに、整形外科で相談しようね。お酒の量も見直したいね。
まとめ
- 大腿骨頭の一部に血が通わなくなり壊死する病気
- 年に約2,000〜3,000人が発症。男性は40歳代に多い
- 習慣的な飲酒(週320g超を6か月以上)・喫煙・ステロイドの大量投与が関係
- 壊死した部分がつぶれたときに、急な脚の付け根の痛み(腰・ひざ・おしりのことも)
- 手術などで痛みのない生活に。処方のステロイドは自己判断でやめない
参考文献
- 難病情報センター. 特発性大腿骨頭壊死症(指定難病71)(情報更新日:令和6年11月、特発性大腿骨頭壊死症の早期確定診断と就労状況改善に資する大規模多施設研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/160 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。