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プレ男「酒は百薬の長」って言うでしょ?少しくらい飲んだほうが、体にいいんだよ。

メル美でも最近、「お酒は1滴も飲まないのがいちばん健康」ってニュースを見たよ。どっちが本当なの?
こんにちは、Dr. Taro です。 お酒は「百薬の長」ではなかった! ——今回は、世界のビッグデータ、WHO、厚生労働省のガイドラインをもとに、「少しなら体にいい」は本当かをマジレスします。
「百薬の長」には続きがある
- 「酒は百薬の長」は昔からよく言われますが、吉田兼好は『徒然草』で「百薬の長とは言へど、よろずの病は酒よりこそ起これ」(百薬の長とはいうけれど、あらゆる病気は酒から起こる)と書いています
- 昔の人も、お酒を手放しでほめていたわけではなかったのです
195か国のビッグデータ:害がいちばん少ないのは「ゼロ」
- 世界疾病負担研究(GBD 2016)は、195の国と地域について、1990〜2016年の飲酒と健康のデータを解析しました(医学誌『Lancet』、2018年)
- 694のデータソースと、飲酒のリスクに関する592の研究をもとに、23の病気やけがとの関係を調べています(1杯=純アルコール10gで計算)
- 結果、すべての病気やけがを合わせて、健康への害を最も小さくする飲酒量は「週0杯」でした
- 飲む量が増えるほど、死亡全体のリスク、とくにがんのリスクが上がっていました
- 2016年、飲酒は世界で死亡と健康損失の原因の第7位。15〜49歳では第1位で、男性の死亡の12.2%、女性の死亡の3.8%が飲酒によるものと推計されています

プレ男15〜49歳では、飲酒が死亡の原因の第1位…!オレたちの世代がいちばん影響を受けてるんだ。
WHO:「リスクは最初の1滴から」
WHO欧州事務局は2023年1月、次のように発表しています。
- 飲酒について、健康に影響しない安全な量はない
- 健康へのリスクは、どんなお酒でも最初の1滴から始まる
- アルコールは、大腸がんや女性の乳がんなど、少なくとも7種類のがんの原因になる
- 欧州で飲酒が原因のがんの約半分は、大量飲酒にあたらない人に起きている
- 少量〜中くらいの飲酒が心臓の病気や2型糖尿病に与えるかもしれないよい効果が、同じ量の飲酒によるがんのリスクを上回ることを示した研究はない

世界のデータの解析では、健康への害を最も小さくする飲酒量はゼロでした。WHOも、健康に影響しない安全な飲酒量はないとしています。
日本のガイドライン:少しでもリスクが上がる病気も
厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年2月)では、日本人の研究をもとに、病気ごとに発症リスクが上がる飲酒量(純アルコール量)をまとめています。
| 病気 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 高血圧 | 少しでも飲むと上がる | 少しでも飲むと上がる |
| 食道がん | 少しでも飲むと上がる | データなし |
| 胃がん | 少しでも飲むと上がる | 週150g(1日約20g) |
| 脳卒中(出血性) | 週150g(1日約20g) | 少しでも飲むと上がる |
| 大腸がん | 週150g(1日約20g) | 週150g(1日約20g) |
| 乳がん | データなし | 週100g(1日約14g) |
(表はガイドラインの表1から一部を抜粋。1日あたりの量は、週の量を7で割った参考値)
- 純アルコール20gは、ビール(5%)500mlくらいです
- 国の健康づくりの計画(健康日本21)では、1日の純アルコールが男性40g以上、女性20g以上を「生活習慣病のリスクを高める量」としていますが、ガイドラインでは「これらの量は個々人の許容量を示したものではありません」とされています
- 女性とお酒は女性は男性より酔いやすい、すい臓への影響は飲みすぎとすい炎、酔い方の個人差は「酒癖が悪い」と異常酩酊、運転への影響は「1杯だけなら運転できる」は危ないの記事もどうぞ

メル美高血圧や男性の食道がんは、少しでも飲むとリスクが上がるんだね。
でも、「年齢で結果がちがう」という続報も
公平のために、2022年の続報も紹介します。
- 同じ研究グループのGBD 2020(『Lancet』、2022年)は、204の国と地域について、地域・年齢・性別ごとにくわしく解析しました
- 15〜39歳では、健康への害を最も小さくする量は1日0〜0.6杯ほど(地域による)で、若い人ほど「ゼロ」に近い結果でした
- 40歳以上では、グラフがJ字型になり、地域によっては少量の飲酒で害がやや小さくなる結果でした。これは、中高年では心臓の病気などの影響が大きくなるためと考えられます
- 健康に害のある量を飲んでいる人の59.1%は15〜39歳、76.9%は男性でした
- 研究グループは、年齢や地域に合わせたおすすめが必要で、とくに若い人への対策が必要だとしています

プレ男つまり、20代のオレたちにとっては「少しなら体にいい」はほぼ成り立たないってことか…。
じゃあ、どうすればいい?
- 飲まない人が、健康のためにわざわざ飲みはじめる理由はありません
- 飲む人は、「百薬の長」ではなく「飲むほどリスクが上がるもの」と考えて、量を減らすのがおすすめです。純アルコール量で量を把握しましょう(デートの料理とお酒の選び方)
- お酒を減らすと血圧が下がることも報告されています(お酒を減らすと血圧が下がる)
- 少しで顔が赤くなる体質の人は、とくにがんのリスクに注意(お酒とがん・顔が赤くなる体質)

メル美飲むなら「体にいいから」じゃなくて、「楽しむ分だけ、少なめに」だね。

プレ男2杯目からはノンアルにしてみるよ。
まとめ
- 『徒然草』でも「よろずの病は酒よりこそ起これ」
- 195か国のビッグデータ(GBD 2016)で、健康への害を最も小さくする飲酒量はゼロ
- WHO(2023年):安全な飲酒量はない。リスクは最初の1滴から
- 日本のガイドライン(2024年):高血圧・男性の食道がんなどは少しでもリスクが上がる
- 続報(GBD 2020):若い人ほど「ゼロ」がよい。40歳以上は地域によってJ字型
- 「百薬の長」ではなく、飲むなら少なめに
参考文献
- GBD 2016 Alcohol Collaborators. Alcohol use and burden for 195 countries and territories, 1990-2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. Lancet. 2018;392:1015-1035. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)31310-2 (閲覧日:2026年9月29日)
- GBD 2020 Alcohol Collaborators. Population-level risks of alcohol consumption by amount, geography, age, sex, and year: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2020. Lancet. 2022;400:185-235. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(22)00847-9 (閲覧日:2026年9月29日)
- WHO Regional Office for Europe. No level of alcohol consumption is safe for our health(2023年1月4日). https://www.who.int/europe/news/item/04-01-2023-no-level-of-alcohol-consumption-is-safe-for-our-health (閲覧日:2026年9月29日)
- 厚生労働省. 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(2024年2月). https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001223643.pdf (閲覧日:2026年9月29日)
- 遠山朋海. 高齢者の飲酒と健康(『徒然草』の引用). 厚生労働省 e-ヘルスネット(2022年12月21日更新). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-04-001.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。