
プレ男会社の先輩が、飲み会の次の日にお腹と背中が痛くて救急車で運ばれたんだって。「すい炎」って言われたらしい。

メル美お酒で悪くなるのって、肝臓のイメージしかなかった。すい臓も?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、お酒とすい臓の病気の話です。厚生労働省の「e-ヘルスネット」の記事「アルコールとすい臓病」(久里浜医療センター・横山顕臨床研究部長、2019年1月10日更新)をもとにまとめました。
すい臓は、消化とホルモンの臓器
- すい臓は、胃の後ろ側、背中に近いところにあります
- 消化酵素(たんぱく質・脂質・糖質を消化する)を腸に出して、食べものの消化を助けます(外分泌)
- インスリンやグルカゴンなどのホルモンを血液に出して、血糖を調節しています(内分泌)
男性のすい炎は、お酒が原因のことが多い
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すい臓の病気には、急性すい炎、慢性すい炎、慢性すい炎から起こる糖尿病があります
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原因には、お酒の飲みすぎのほか、胆石や自己免疫の病気などがありますが、男性ではお酒の飲みすぎが最も多く、急性すい炎の約半数、慢性すい炎の約80%弱を占めています
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飲みすぎる人がすべてすい臓の病気になるわけではありませんが、原因として多いのが飲みすぎです
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より新しい2021年の全国調査(日本の研究グループ)では、男女あわせて
- 急性すい炎の原因は、お酒が31.2%でいちばん多く、次が胆石(22.5%)、原因不明(22.1%)
- 慢性すい炎の原因は、お酒が69.6%でいちばん多く、次が原因不明(24.3%)。慢性すい炎の患者数は約7万3,590人と推定され、2016年より30%増えています。女性の慢性すい炎でも、お酒が原因の割合が39.5%と増えていることが注目されています
急性すい炎:おへその上の激しい痛み
- 典型的には、上腹部(おへその上あたり)の激しい痛みで始まり、だんだん強くなって数時間後にピークになります
- 背中側の痛みも比較的特徴的な症状です
- 吐き気や嘔吐をともなうことが多く、食欲不振、発熱、お腹が張った感じ、下痢などが出ることも
- 重症では、意識が下がる、血圧が下がる、脈が速くなる、唇や指先が紫色になるなどのショック症状が出て、亡くなることもあるこわい病気です
- 治ったあとも飲みすぎを続けると、発作をくり返してすい臓が壊れ、慢性すい炎になります

急性すい炎は、おへその上あたりの激しい痛みや背中の痛み、吐き気で始まることが多く、重症では命にかかわることもあります。男性ではお酒の飲みすぎが原因として最も多いとされています。
慢性すい炎:体重が減る、脂っぽい便、糖尿病
- すい臓が線維化して、消化酵素やホルモンを出す働きが落ちます
- 急性すい炎と同じような症状のほか、体重減少、脂肪便(便が水面に油のように広がる)、食欲低下、全身のだるさ
- インスリンが出にくくなって糖尿病になり、のどの渇き、尿が多いなどが出ることも。インスリンによる治療が必要になります
- 慢性すい炎の状態では、お酒がやめられないアルコール依存症になっている場合が多く、とくに糖尿病になっていて断酒できない場合は経過が悪くなります
- お酒が原因の慢性すい炎と診断されたら、断酒のためにアルコールの専門医療機関の受診が勧められています

プレ男すい臓が傷むと、糖尿病にもなるんだ…。
予防は、飲みすぎないこと
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お酒が原因のすい炎の予防には、飲みすぎないこと、バランスのよい食事を腹八分目にとることが大切です
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量の目安として、厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年)は、お酒の量を「純アルコール量(g)」で考えることをすすめています。計算式は「飲む量(ml)×度数/100×0.8」で、たとえばビール500ml(5%)なら20gです
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同じガイドラインでは、国の健康づくりの計画(健康日本21)の「生活習慣病のリスクを高める量」として、1日あたり純アルコールで男性40g以上、女性20g以上が示されています。ただし、病気ごとにリスクが上がる量はちがい、少ない量でもリスクが上がる病気もあります

メル美肝臓だけじゃなくて、すい臓のためにも飲みすぎないようにしようね。
まとめ
- すい臓は消化酵素と血糖のホルモンをつくる臓器
- 男性では、急性すい炎の約半数、慢性すい炎の約80%弱がお酒の飲みすぎによる(2019年の記事)。2021年の全国調査では男女あわせて急性31.2%、慢性69.6%がお酒
- 急性すい炎はおへその上の激しい痛み、背中の痛み、吐き気。重症では命にかかわる
- 慢性すい炎は体重減少、脂肪便、糖尿病。断酒が必要
- 予防は飲みすぎないこと
参考文献
- 横山顕. アルコールとすい臓病. 厚生労働省 e-ヘルスネット(2019年1月10日更新). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-01-003.html (閲覧日:2026年9月29日)
- Tanaka Y, Masamune A, et al. Nationwide epidemiological survey of acute pancreatitis in Japan, 2021. J Gastroenterol. 2025;60(11):1437-1448. https://doi.org/10.1007/s00535-025-02284-2 (閲覧日:2026年10月2日)
- Masamune A, et al. The evolving landscape of chronic pancreatitis in Japan: findings from a nationwide epidemiological survey in 2021. J Gastroenterol. 2026. https://doi.org/10.1007/s00535-026-02518-x (閲覧日:2026年10月2日)
- 厚生労働省. 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(2024年2月). https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38541.html (閲覧日:2026年10月2日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。