
プレ男オレ、ビール1杯で顔が真っ赤になるんだけど、「飲んでれば強くなる」って先輩に言われて、毎晩鍛えてるんだ!

メル美それ、大丈夫かな…。顔が赤くなる体質って、がんと関係があるって聞いたことがあるよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、お酒とがん、とくに顔が赤くなる体質の話です。厚生労働省の「e-ヘルスネット」の記事(国立病院機構久里浜医療センター・横山顕臨床研究部長)をもとにまとめました。
お酒は、がんの原因になる
- WHO(世界保健機関)は2007年、飲酒を、頭頸部(口腔・咽頭・喉頭)がん、食道がん(扁平上皮がん)、肝臓がん、大腸がん、女性の乳がんの原因と認定しました
- 世界がん研究基金は2018年、飲酒を胃がんの原因とも認定しています
- お酒のエタノールと、分解の途中でできるアセトアルデヒドの両方に発がん性があります
顔が赤くなる人は、日本人の約4割
- アルコールは、アセトアルデヒドに変わり、それが2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の働きで酢酸に変わります。この酵素の働きの強さは遺伝で決まっています
- ALDH2の働きが弱い人は、日本人の約40%。アセトアルデヒドの分解が遅いので、飲むと顔が赤くなり、二日酔いを起こしやすい体質です
- コップ1杯のビールで顔が赤くなる体質が、今、または飲みはじめの1〜2年にあった人は、約9割の確率でALDH2の働きが弱いタイプと判定されます

プレ男「鍛えれば強くなる」んじゃなくて、生まれつきの体質なんだ…。
「飲んでいるうちに赤くならなくなった」も要注意
- e-ヘルスネットによると、少量で赤くなる反応(フラッシング反応)は、はじめは不快なので飲酒をひかえる傾向がありますが、長年飲んでいると「耐性」ができて、不快にならずに飲めるようになることがあります
- 一方で、こうした人(フラッシャー)が大量に飲むと、食道やのどのがんのリスクが高まることもわかってきています
- 体質を見分ける「簡易フラッシング質問紙法」では、次のどちらかに「はい」なら、アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)が弱いタイプと判定します(エタノールパッチテストと同じく、約90%の精度)
- 今、ビールコップ1杯くらいの少量で、すぐ顔が赤くなる
- 飲み始めたころの1〜2年間は、そういう体質だった
- つまり、今は赤くならなくても、飲み始めのころに赤くなっていた人は、同じ体質と考えて、飲む量に気をつけましょう
赤くなる人が飲み続けると
- アセトアルデヒドが、食道と頭頸部のがんの原因になると結論づけられています
- 顔が赤くなる体質の人が飲酒家になると、頭頸部・食道のがんのリスクが特に高くなります
- これらのがんは1人に複数できやすく、飲酒と喫煙が重なると相乗的にリスクが上がり、ALDH2の働きが弱い人ではとくに多く見られます
- 野菜や果物の不足も、同じ部位のがんのリスクを高めます
- 赤くなる体質の人の飲酒では、胃がんのリスクも高まります
飲む量とがんのリスク
| がん | 報告されていること |
|---|---|
| 乳がん | 欧米の解析で、エタノール10g(5%のビール250mL)増えるごとに7.1%リスク増。日本では、週5日以上飲む閉経前の女性で1.37倍、1日平均23g以上で1.73倍 |
| 大腸がん | エタノール50gで1.4倍程度。日本人は欧米人より、同じ量でもリスクがやや上がりやすい傾向 |
| 肝臓がん | 最大の原因はB型・C型肝炎ウイルスと肝硬変。飲酒は肝硬変への進行を早める。C型肝炎が治っても1日60g以上飲むと、2倍以上の頻度で発生 |
| 胃がん | 最大の原因はピロリ菌。日本の解析で1日23gから量に応じてリスクが上がり、92g以上で約30%上昇 |

少しのお酒で顔が赤くなる体質の人が飲み続けると、食道や頭頸部のがんのリスクが特に高くなります。がん予防の観点からは、飲酒に安全な量はなく、飲まないことが最も望ましいとされています。
やめれば、リスクは下がる
- がん予防の観点からは、飲酒に安全な量はなく、最も望ましいのは飲まないことです
- 頭頸部がん・食道がん・肝臓がんでは、お酒をやめると、最初のがんや2つ目のがんのリスクが下がることが報告されています
- 禁煙・禁酒・野菜や果物をとることに取り組めば、さらにリスクは下がります(禁煙)
- 飲むなら量を決めて。お酒の量は純アルコール量で考えましょう(デートの食事とお酒)

メル美赤くなる体質なら、無理して「鍛える」必要なんてないよ。乾杯はウーロン茶でもいいんだから。
まとめ
- 飲酒は口・のど・食道・肝臓・大腸・乳房・胃のがんの原因に(WHOなど)
- ビール1杯で顔が赤くなる体質は、日本人の約40%。鍛えて変わるものではない
- 赤くなる人が飲み続けると、食道・頭頸部のがんのリスクが特に高い。喫煙が重なるとさらに
- がん予防に安全な飲酒量はない。やめればリスクは下がる
参考文献
- 横山顕. アルコールとがん. 厚生労働省 e-ヘルスネット(2025年10月15日更新). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-01-008.html (閲覧日:2026年9月29日)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット. フラッシング反応(用語解説). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/alcohol/ya-008.html (閲覧日:2026年10月2日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。