地震のけがの約30〜50%は家具・家電の転倒や落下:固定していない食器棚は震度6弱で転倒、冷蔵庫は震度6強で大きく移動。約47%が「危ないと思うのに固定していない」。固定器具には一定の効果【国民生活センター】
一人暮らしの部屋の冷蔵庫や棚、テレビ。地震にそなえて固定していますか。国民生活センターによると、過去の大地震の調査では、けがの原因の約30〜50%が家具・家電の転倒・落下・移動によるものでした。たおれた家具で避難経路がふさがれるおそれもあります。振動台の試験では、固定器具を使っていない食器棚は震度6弱相当の揺れで転倒し、冷蔵庫は震度6強相当で前に大きく移動しました。アンケートでは約47%が「危ないと思う家具・家電があるのに固定していない」と答えています。固定器具には転倒防止の一定の効果がありました。家具・家電を固定しましょう。

プレ男部屋の冷蔵庫も本棚も、置いてあるだけ。重いから、地震でもたおれないよね?

メル美試験では、固定していない食器棚が震度6弱でたおれて、冷蔵庫も震度6強で大きく動いたんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は地震のときの家具・家電の転倒防止です。国民生活センターの「地震による転倒の防止策-電気給湯設備の貯湯タンクと家具・家電について-」(2018年6月7日公表、2024年8月23日更新)をもとにまとめました。
なぜ固定が必要?
- 過去の大規模地震の調査では、けがの原因の約30〜50%が、家具・家電の転倒・落下・移動によるものでした
- けがだけでなく、避難経路がふさがれて、避難のさまたげになるおそれもあります
- 震度5強以上になると、固定されていない家具・家電がたおれたり動いたりするとされています
アンケートでわかったこと
- 約35%が、地震で家具・家電がたおれた・落ちた・動いた経験がある
- 約68%が、その危険性があると思っている
- 約47%が、「危ないと思う家具・家電があるのに固定していない」
- 約77%が、固定器具での転倒対策は必要だと思っている

プレ男危ないとわかってても、固定していない人が半分くらいいるのか。ぼくもだ…。
振動台の試験
- 地震の揺れを再現する振動台で試すと、固定器具を使っていない食器棚は震度6弱相当の揺れで転倒しました
- 冷蔵庫は震度6強相当の揺れで、前に大きく移動しました
- いろいろな固定器具には、転倒防止の一定の効果が見られました(試験は特定の家具・地震波・設置方法での結果です)
「震度7対応」の表示を過信しない(東京都)
東京都の商品テスト(2015年3月10日)では、壁や家具を傷つけずにつけられる粘着マット式・ストッパー式・ポール式の器具7検体を、タンスや食器棚につけて震度6強相当の揺れで試すと、「震度7」での効果を期待させる表示の商品もふくめ、7検体すべてで家具が転倒(転倒相当をふくむ)しました。一方、単体では転倒した器具でも、食器棚の上と下に組み合わせて固定すると、転倒せず移動が10cm以下におさまった例がありました。器具は条件によっては期待どおりの効果が出ないこともあるので、表示を過信せず、上下の組み合わせなど、できるだけ効果の高い対策を。なるべく生活空間に家具を置かない工夫も大切です(テストは特定の条件での結果で、器具の優劣を示すものではありません)。
アドバイス
- 家の中の家具・家電には、固定器具を使った転倒防止策をしましょう
薄型テレビは、耐震マットだけでは子どもの力で倒れることも(東京都)
東京都の調査(2018年7月31日)では、40・50インチの薄型テレビを、固定なし、耐震マット、テレビ付属の固定器具の3つの条件で試すと、固定なしと耐震マットでは、倒すのに必要な力が1〜2歳児の引く力を下回ることがありました。テレビ台に登った子どもがテレビといっしょに落ちて頭を打った、37インチのテレビが腹部に落ちて肝臓を損傷した事故も。付属のバンドなどでしっかり固定しましょう(バンドがなければメーカーに問い合わせを)。乳幼児が遊びに来る可能性のある家も同じです。
組み立て式家具は、組み立て中と組み立て後に注意(東京都)
ネット通販などで買う組み立て式家具。東京都のアンケート(2015年1月)では、組み立てた経験のある人の約42%がスムーズに組み立てられなかった経験があり、そのうち約7%が組み立て中にけがをしていました。
- 本棚の部材のバリ(とげ)が刺さって出血/仮組みした部品を立てておいたら倒れてそばの家族にあたった/組み立てたあとねじがゆるんで棚がくずれた
- 組み立てにくかった人の6割以上は、説明書がわかりにくいと答えていました。説明書を事前によく確かめ、自分で組み立てられるか買う前に確認を
- バリがあれば手袋、ほかの人に支えてもらいながら複数人で作業。組み立てたあとも定期的にねじのゆるみを確かめる

過去の大地震では、けがの原因の約30〜50%が家具・家電の転倒・落下・移動によるものでした。固定器具には転倒防止の一定の効果があるので、家具・家電を固定しましょう。
地震のあとの火災の注意は地震のあと、電気がもどった瞬間に火事に?、引越しの家電の置き場所は引越し・新生活の家電の事故へ。

プレ男週末に、本棚と冷蔵庫の固定器具を買いに行く。管理会社にも相談しよう。

メル美たおれたときに、避難経路をふさがないかも見てね。
在宅ワークの机と椅子の表示の読み方は、在宅ワークの机と椅子、通販の表示はどう読む?へ。
まとめ
- 大地震のけがの約30〜50%は家具・家電の転倒・落下・移動
- 固定していない食器棚は震度6弱で転倒、冷蔵庫は震度6強で大きく移動(試験)
- 約47%が「危ないと思うのに固定していない」
- 固定器具には一定の効果
- たおれた家具は避難経路もふさぐ
- 「震度7対応」の表示を過信しない。器具は上下の組み合わせが有効な例も(東京都)
- 薄型テレビは耐震マットだけでは不十分なことも。付属のバンドで固定
- 組み立て式家具は、組み立てたあともねじのゆるみを点検
参考文献
- 国民生活センター. 地震による転倒の防止策-電気給湯設備の貯湯タンクと家具・家電について-(2018年6月7日公表、2024年8月23日更新). https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180607_1.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 東京都. 家具の転倒防止器具、表示どおりの効果が得られない?!
器具の組み合わせによる使用が有効です!(2015年3月10日). https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/anzen/test/kagu_tentouboushi.html (閲覧日:2026年10月10日) - 東京都. 薄型テレビは倒れないように固定しましょう!薄型テレビの転倒による乳幼児のけがに関する調査(2018年7月31日更新). https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/anzen/test/usugataterebi.html (閲覧日:2026年10月10日)
- 東京都. 組み立て式家具に関する調査を実施しました(2016年2月10日更新). https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/anzen/test/kumitatekagu.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。