大人の教養An Evening of Culture

第一幕Act I — Love & Letters

『源氏物語』「葵(あおい)」の巻祭りの見物の場所とりで、六条御息所の車は、光源氏の正妻・葵の上の家来たちに押しのけられた。その屈辱から燃えあがった恨み。出産の床で、葵の上の口から聞こえてきたのは、別の女の声だった——与謝野晶子訳で読む「車争い」と生霊

No.1352026年10月22日

『源氏物語』の第9帖「葵」を、青空文庫の与謝野晶子訳(『全訳源氏物語 上巻』角川文庫)で読みます。新しい斎院の御禊の日、光源氏の行列を見ようと出かけた六条御息所の車は、源氏の正妻・葵の上の一行に押しのけられ、奥へ追いやられます。「御禊の日の屈辱感から燃え立った恨みは自分でももう抑制のできない火になってしまった」。やがて身ごもった葵の上は、どんな僧の祈祷でも離れない物の怪に苦しみ、出産の床で、源氏の前で、その声も様子も御息所に変わります。源氏の後悔と、御息所の苦しみまで紹介します。

目次
  1. 年上の恋人と、正妻
  2. 車争い
  3. 「抑制のできない火」
  4. 出産の床で聞こえた声
  5. 葵の上の死と、源氏の後悔
  6. まとめ

プレ男『源氏物語』って長すぎて、どこから読めばいいかわからないんだよね。

メル美「嫉妬」の話なら「葵」の巻が有名だよ。祭りの日の車の場所とりから始まるの。

今回は、紫式部『源氏物語』の第9帖「葵」です。青空文庫の与謝野晶子訳(底本:『全訳源氏物語 上巻』角川文庫、1971年改版)で読みました。本文中の「」の言葉は、この晶子訳からの引用です(原文の古文ではありません)。

晶子訳では、源氏の正妻を「葵夫人」とよび、「この人のことを主にして書かれた巻の名を用いて書く」と断っています。一般には「葵の上」の名で知られています。

※この巻には、物の怪(もののけ)・生霊のしわざとされる病と、出産のあとの死がえがかれています。

年上の恋人と、正妻

車争い

メル美押しのけられて、しかも恋人は正妻の前でだけきちんとして通っていく。いちばんつらい見え方だね…。

「抑制のできない火」

出産の床で聞こえた声

プレ男御息所自身も、自分がそんなことをしているって、はっきりはわからないんだね。

葵の上の死と、源氏の後悔

「葵」の巻の六条御息所は、人を呪う心などないと思いながら、物思いのために魂が体からはなれていくのかもしれないと苦しみます。晶子訳は、その恨みを「自分でももう抑制のできない火」と書いています。

まとめ


参考文献

  1. 紫式部(与謝野晶子訳). 源氏物語 09 葵(底本:『全訳源氏物語 上巻』角川文庫、角川書店、1971年改版). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000052/card5024.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。