大人の教養An Evening of Culture

第一幕Act I — Love & Letters

芥川龍之介『袈裟と盛遠』「己は今夜、己の憎んでいない男を殺さなければならない」——人妻・袈裟の夫を殺す約束をした武士・盛遠と、その夜、夫の身代わりに殺されるのを待つ袈裟。上下二つの独白でえがく、愛と憎しみと恐怖

No.0912026年10月12日

芥川龍之介の短編『袈裟と盛遠』(1918年4月『中央公論』初出)。上は盛遠の独白、下は袈裟の独白。三年ぶりに再会した人妻の袈裟と関係をもった武士・盛遠は、袈裟の夫・渡左衛門尉を殺そうと自分から言いだし、日と時刻を決めてしまいます。「己はあの女を蔑んでいる。恐れている。憎んでいる。しかしそれでも猶……」。一方、灯火の外で盛遠を待つ袈裟は、夫の身代わりになって死ぬ覚悟を語ります。「私は夫のために死ぬのではない。私は私のために死のうとする」。青空文庫の本文で紹介します。

目次
  1. 上下二つの独白
  2. 上 盛遠:「己の憎んでいない男を殺さなければならない」
  3. 「渡を殺そうではないか」
  4. 下 袈裟:「あの人は必ず、来る」
  5. 夫の身代わりに
  6. まとめ

プレ男『袈裟と盛遠』って、人の名前?

メル美うん。人妻と、その夫を殺そうとする男。二人が、同じ夜にそれぞれ心の中を語る小説なの。

今回は、芥川龍之介の短編『袈裟と盛遠』(けさともりとお)です。青空文庫の本文(底本:ちくま文庫『芥川龍之介全集2』)で読みました。初出は『中央公論』1918年(大正7年)4月、本文の末尾には「(大正七年三月)」とあります。本文中の「」の言葉は、青空文庫の本文からの引用です。

※この作品には、性的に相手を辱める行為、殺人の計画、自ら死をえらぶ決意がえがかれています。この記事では、性的な場面のくわしい描写はしません。

上下二つの独白

上 盛遠:「己の憎んでいない男を殺さなければならない」

「渡を殺そうではないか」

プレ男蔑んでいる、恐れている、憎んでいる、でも愛しているのかも…。自分でも自分がわからなくなってる。

下 袈裟:「あの人は必ず、来る」

夫の身代わりに

メル美袈裟が「たった一人の男しか愛せなかった」と言うその人が、今夜、彼女を殺しにくる…。

『袈裟と盛遠』は、上下二つの独白でできています。盛遠は「それでも猶、己はあの女を愛しているせいかも知れない」と言い、袈裟は「私は夫のために死ぬのではない。私は私のために死のうとする」と語ります。

まとめ


参考文献

  1. 芥川龍之介. 袈裟と盛遠(底本:『芥川龍之介全集2』ちくま文庫、筑摩書房). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/card75.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。