大人の教養An Evening of Culture

第一幕Act I — Love & Letters

太宰治『駈込み訴え』「申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は、酷い」——師を役人に売りにきた男が、一気にまくしたてる愛と憎しみ。「私はあなたを愛しています」「あの人を殺して下さい」。最後に名のった名前は

No.0882026年10月12日

太宰治の短編『駈込み訴え』(1940年2月『中央公論』初出)。ある男が「旦那さま」のもとへ駈けこみ、自分の師であり主である「あの人」の居所を教える、殺してくれ、とまくしたてます。あの人と同じ34歳、たった2か月おそく生まれただけ。パンと宿のやりくりをしてきたのは自分なのに、優しい言葉ひとつかけてもらえない。「私はあの人を愛している」「あの人を他人に手渡すくらいなら、手渡すまえに、私はあの人を殺してあげる」。香油を注いだ村娘への嫉妬、驢馬に乗ってのエルサレム入り、最後の夕餐。最後に男は、自分の名を名のります。青空文庫の本文で紹介します。

目次
  1. 「申し上げます。申し上げます」
  2. 「銀三十」
  3. やりくりしてきたのは、私だ
  4. 「私はあなたを愛しています」
  5. 香油と、嫉妬
  6. 驢馬と、最後の夕餐
  7. 「私の名は」
  8. まとめ

メル美太宰治の『駈込み訴え』は、ひとりの男が、ずっとしゃべりつづけるだけの小説なんだって。

プレ男しゃべるだけ?それで何が起きるの?

今回は、太宰治の短編『駈込み訴え』です。青空文庫の本文(底本:新潮文庫『走れメロス』)で読みました。初出は『中央公論』1940年(昭和15年)2月です。本文中の「」の言葉は、青空文庫の本文からの引用です。

「申し上げます。申し上げます」

「銀三十」

やりくりしてきたのは、私だ

プレ男裏方の苦労を、だれもわかってくれない…っていう怒りなんだ。

「私はあなたを愛しています」

香油と、嫉妬

メル美憎いのか、愛しているのか、本人にももうわからなくなっているね…。

驢馬と、最後の夕餐

「私の名は」

『駈込み訴え』は、地の文がなく、駈けこんだ男の訴えだけでできています。「私はあなたを愛しています」と「あの人を殺して下さい」が入りまじり、最後に男は「イスカリオテのユダ」と名のります。

まとめ


参考文献

  1. 太宰治. 駈込み訴え(底本:『走れメロス』新潮文庫、新潮社). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/card277.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。