大人の教養An Evening of Culture

第一幕Act I — Love & Letters

太宰治『ヴィヨンの妻』夫は酒びたりの詩人・大谷。なじみの小料理屋から5千円を盗んで逃げた夜、妻は「あとの始末は、私がいたします」。店で働きはじめた妻が、最後に言った「私たちは、生きていさえすればいいのよ」

No.1162026年10月12日

太宰治の短編『ヴィヨンの妻』(底本:新潮文庫『ヴィヨンの妻』)。終戦後の東京。詩人の大谷は家にほとんど帰らず、帰れば泥酔しています。ある深夜、中野の小料理屋の夫婦が「お金を返してほしい」とたずねて来て、大谷はナイフをちらつかせて逃げ出しました。3年間ほとんど一銭も払わずに飲み、ついには店の大事な5千円を持ち出したのです。26歳の妻は、「あとの始末は、私がいたします」と言い、翌日、坊やを背負って店へ行き、「お金が来るまで人質になる」と嘘をついて働きはじめます。夫と妻の、すれちがう言葉を、青空文庫の原文で紹介します。

目次
  1. 深夜の訪問者
  2. 小料理屋の夫婦の話
  3. 「人質」になって、店で働く
  4. 「椿屋のさっちゃん」
  5. 「生きていさえすればいいのよ」
  6. まとめ

メル美太宰治の『ヴィヨンの妻』って、題名は聞いたことあるけど、どんな話なの?

プレ男ダメな詩人の夫と、強い妻の話らしいよ。

今回は、太宰治の短編『ヴィヨンの妻』です。青空文庫の原文(底本:新潮文庫『ヴィヨンの妻』新潮社)で読みました。物語は、妻の「私」が語る形で進みます。

※この話には、暴力をちらつかせる場面、性的な被害、「死にたい」という言葉がえがかれています。この記事では、くわしい描写は省いています。

深夜の訪問者

小料理屋の夫婦の話

プレ男3年間タダ酒で、最後はお金を持って逃げる…。笑うしかないってことなのかな。

「人質」になって、店で働く

「椿屋のさっちゃん」

「生きていさえすればいいのよ」

メル美最後のひとこと、強いね。でも、強くならざるをえなかった、とも読めるよ。

『ヴィヨンの妻』の最後、自分を「人非人ではない」と言う夫に、妻は「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」と答えています。

まとめ


参考文献

  1. 太宰治. ヴィヨンの妻(底本:『ヴィヨンの妻』新潮文庫、新潮社). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/card2253.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。