
プレ男50代の叔父が、何か月もうみのような鼻水と鼻血が続いて、耳鼻科で副鼻腔炎の治療をしていたんだ。最近、熱と血のまじったたんが出て、尿にも血がまじるようになったって。

メル美鼻と肺と腎臓…全部つながっている病気なのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、多発血管炎性肉芽腫症の話です。難病情報センターの「多発血管炎性肉芽腫症」(令和7年12月更新、難治性血管炎の医療水準・患者QOL向上に資する研究班)をもとにまとめました。以前はウェゲナー肉芽腫症と呼ばれていました。
どんな病気?
- 細い血管の炎症(血管炎)と、肉芽腫という炎症のかたまりができる病気です
- 発熱、だるさ、食欲不振などの炎症の症状とともに、鼻・目・耳・のどなど(上気道)、肺、腎臓の3つの臓器の症状が、一度に、または次々に起こります
- 原因は不明ですが、多くの人でPR3-ANCAという自己抗体がみつかり、免疫の異常が背景にあると考えられています。遺伝性の病気ではありません
どんな人に多い?
- 年間発症率は100万人あたり2人で、欧米より日本では比較的少ない血管炎です。受給者証をもつ人は3,537人(令和5年度)です
- 40〜60歳に多く、男女差ははっきりしません(近年は女性にやや多いとする報告もあります)
症状
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全身:発熱、食欲不振、だるさ、体重減少
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(1)上気道:うみのような鼻水、鼻血、難聴、耳だれ、耳の痛み、視力の低下、目の充血や痛み、目が出てくる、のどの痛み、声がれ
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(2)肺:血痰、せき、息苦しさ
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(3)腎臓:血尿、尿が少ない、むくみ
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そのほか:紫斑、多くの関節の痛み、神経の炎症(しびれ)
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ふつうは (1)→(2)→(3) の順に起こることが多いですが、必ずしもその順ではなく、すべての症状が出るわけでもありません
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最初は、鼻や耳の病気、あるいは胸の病気と思われる症状が出て、あとで腎臓を含め全身の症状が出て、ようやく診断される場合があり、注意が必要です

プレ男鼻の症状から始まって、肺、腎臓へ…叔父の症状の順番は、この病気の特徴に当てはまるんだ。
治療と経過
- 治療の目標は、血管の炎症を完全におさめ(寛解)、それを保つことです。ステロイドと免疫抑制薬や生物学的製剤などを組み合わせます
- 治療しないと命に危険が及ぶ病気です
- 早く診断して、臓器の病変が広がらないうちに治療すると、病気が完全に落ち着く例もみられます。日本の研究では、新しい患者さん33人の6か月後の寛解の割合は97%でした
- 治療が遅れると、臓器の機能障害が残ることがあり、腎不全になると透析が必要になります。鼻の変形(鞍鼻)や視力障害などの後遺症が残る人もいます
- 再燃することがあるので、定期的に専門医の診察を受け、薬をきちんと続けましょう
日常生活の注意
- 治療中は、感染症への注意が最も重要です。帰宅時の手洗い・うがいを欠かさず、ワクチンも可能な限り受けることがすすめられています

多発血管炎性肉芽腫症は、最初は鼻や耳の病気と思われる症状から始まり、あとで肺や腎臓の症状が出てようやく診断されることがあります。早く診断して治療すると、日本の研究では6か月後に97%が寛解しました。

メル美鼻の症状からの流れを全部伝えて、早くくわしく調べてもらおうね。
まとめ
- 細い血管の炎症と肉芽腫ができる病気。旧名ウェゲナー肉芽腫症
- 上気道(鼻・耳・目・のど)→肺→腎臓の順に症状が出ることが多い
- うみのような鼻水・鼻血・難聴・血痰・血尿・むくみ
- 最初は鼻や耳の病気と思われやすい。40〜60歳に多い
- 治療しないと命に危険。早期治療で6か月後の寛解97%。治療中は感染症に注意
参考文献
- 難病情報センター. 多発血管炎性肉芽腫症(指定難病44)(情報更新日:令和7年12月、難治性血管炎の医療水準・患者QOL向上に資する研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/4011 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。