
メル美70代の祖母が、1か月くらい熱が続いて、食欲がなくやせてきたの。尿検査で血が出ていて、最近は血のまじったたんも出るって。

プレ男腎臓と肺の両方…何の病気なんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、顕微鏡的多発血管炎の話です。難病情報センターの「顕微鏡的多発血管炎」(令和7年12月更新、難治性血管炎の医療水準・患者QOL向上に資する研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 腎臓・肺・皮膚・神経などにある、顕微鏡でしか見えないほど細い血管の壁に炎症が起こり、出血や血栓で、臓器の働きが損なわれる病気です
- とくに、腎臓の糸球体と、肺の毛細血管の炎症が特徴です
- 原因は不明ですが、多くの人でMPO-ANCAという自己抗体がみつかり、免疫の異常が関係していると考えられています。遺伝性の病気ではありません
どんな人に多い?
- 年間発症率は100万人あたり18人と報告され、欧米より日本に多い血管炎です。受給者証をもつ人は11,879人(令和5年度)です
- 高齢の人に多く、発症時の平均年齢は71歳でした。男女差はありません
症状
- 発熱、食欲不振、だるさ、体重減少などの全身の症状
- 腎臓:血尿、尿検査の異常(潜血・たんぱく尿)、腎機能の低下
- 肺:肺の出血や間質性肺炎による血痰・喀血、からせき、息切れ
- そのほか、関節痛、筋肉痛、紫斑などの皮膚の症状、手足のしびれや力の低下
- 多くは全身の症状とともに、腎臓や肺の障害が短い期間に進みます。ときに、血尿だけが続くなど、ゆっくり経過することもあります

プレ男高齢で、熱と体重減少に、血尿と血痰…祖母の症状は、この病気の特徴に当てはまるところがあるんだ。
治療と経過
- 治療の目標は、血管の炎症を完全におさめ(寛解)、その状態を保つことです。ステロイドと免疫抑制薬、生物学的製剤などを組み合わせます。高齢の人が多いため、体の状態に合わせて治療の強さを調節します
- 診断後すぐに治療を始めれば、約3〜6か月で寛解が期待できます。その後も少なくとも1〜2年間、再発を防ぐ治療を続けます
- 治療しないと命に危険が及ぶ病気です。できるだけ早く診断し、初期にしっかり治療すれば、8割以上でおさまります
- 治療が遅れると、臓器の機能障害が残ることがあり、腎不全になると透析が必要になります。しびれや痛みは残ることがよくあります
- 治療で感染症にかかりやすくなるので、感染症の予防・早期の診断と治療が特に大切です

顕微鏡的多発血管炎は、平均71歳と高齢の人に多く、腎臓や肺の細い血管に炎症が起こる病気です。治療しないと命に危険が及びますが、できるだけ早く診断し初期にしっかり治療すれば、8割以上でおさまります。

メル美年のせいと思わずに、早めにくわしく調べてもらおうね。
まとめ
- 腎臓・肺などの細い血管に炎症が起こる血管炎。日本に多い
- 平均71歳と高齢の人に多い
- 発熱・体重減少に、血尿・腎機能低下、血痰・からせき・息切れ、紫斑、しびれ
- 治療しないと命に危険。早く治療すれば8割以上でおさまる
- 治療中は感染症の予防が特に大切
参考文献
- 難病情報センター. 顕微鏡的多発血管炎(指定難病43)(情報更新日:令和7年12月、難治性血管炎の医療水準・患者QOL向上に資する研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/86 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。