
プレ男毎年3月になると、くしゃみと鼻水で仕事にならないんだ。薬はつらくなってから買ってるけど…。

メル美わたしも目がかゆくなる。薬って、早めに飲みはじめたほうがいいって聞いたよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、花粉症の話です。環境省の「花粉症環境保健マニュアル2022」(2022年3月改訂版)と、政府の「花粉症に悩む国民の皆さんへ」をもとにまとめました。
日本人の4割以上が花粉症
- 耳鼻咽喉科医とその家族を対象にした全国調査では、花粉症の有病率は、1998年 19.6%、2008年 29.8%、2019年 42.5%と、10年ごとにほぼ10%ずつ増えています
- スギ花粉症は2019年に38.8%で、ほぼ3人に1人と推定されています
- スギ以外のイネ科やブタクサの花粉症も増えていて、2019年には25.1%
- 年代別では、スギ花粉症は10代〜50代で45%以上と高くなっています
- 眼科医とその家族の調査では、アレルギー性結膜炎の有病率は48.7%でした

プレ男10代〜50代では、2人に1人近くがスギ花粉症なんだ!
かぜとのちがい
- 花粉症の季節はかぜが流行する時期と重なり、くしゃみや鼻水などかぜの初期の症状に似ています
- ただし、花粉症では目のかゆみをともなうことが多く、かぜとちがって高い熱は出ません
薬は「飛散開始の1週間前まで」に準備
- 政府は、毎年花粉症の症状が出る人は、本格的な花粉の飛散が始まる1週間前までに、医療機関や薬局で薬を準備して使いはじめるよう呼びかけています
- 飛散開始の時期や、症状がごく軽いうちから薬を使うことで、症状を抑えられることがわかっています(初期療法)
- 市販薬も使われますが、症状が重いときは耳鼻咽喉科や眼科の受診がすすめられています。内科・小児科・アレルギー科などでも診てもらえます
- 医療機関では、飲み薬(第2世代の抗ヒスタミン薬、鼻づまりが強いときは抗ロイコトリエン薬)、鼻にスプレーするステロイド薬、目薬などが処方されます
- ステロイドの目薬は、眼圧が上がる副作用があり、放っておくと緑内障にいたる危険もあるため、使っている間は定期的な眼科の受診が必要です
- 薬だけで症状を完全に抑えるのは難しく、花粉を避けるセルフケアと薬を同時に行うことが必要です

毎年花粉症の症状が出る人は、本格的な花粉の飛散が始まる1週間前までに薬を準備して、早めに使いはじめましょう。症状が重いときは、医療機関に相談してください。
根本治療が期待できる「舌下免疫療法」
- 花粉症が完治する可能性があるのは、アレルゲン免疫療法(減感作療法)だけとされています
- 近年、重い副作用が少なく、頻繁に通院しなくてよい舌下免疫療法が実用化され、よい治療成績をあげています。舌の下にスギ花粉のアレルゲンを置いて吸収させる治療で、2014年秋に薬の販売が始まり、保険が使えます
花粉を避けるセルフケア
花粉の多い日・時間
- スギ花粉は、飛散が始まって7〜10日後くらいから多くなり、その後4週間ほどが多い時期です
- とくに、晴れて気温が高い日、空気が乾燥して風が強い日、雨上がりの翌日や気温の高い日が2〜3日続いたあとに多くなります
- 1日のうちでは、昼前後と夕方に多く飛びます
マスクとメガネ
- ふつうのマスクでも花粉を約70%、花粉症用のマスクでは約84%減らせたという実験があります。マスクの内側にガーゼを当てる「インナーマスク」で、さらに減らせます
- ふつうのメガネで目に入る花粉は約40%、防御カバーつきの花粉症用メガネでは約65%減ります
- 花粉の季節のコンタクトレンズは、刺激でアレルギー性結膜炎を悪くするおそれがあり、メガネに替えたほうがよいと考えられています
家に持ちこまない
- 外出時は、花粉がつきにくい服を選び、帰宅時に花粉を払う
- 洗濯物や布団を外に干さない
- 花粉はカーテンなどにも残るので、こまめに掃除し、カーテンは定期的に洗濯する
体を整える
- よく眠る、規則正しい生活は、正常な免疫の働きを保つために大切です(睡眠の基本)
- かぜをひかない、お酒とたばこを控えることも、鼻の粘膜を正常に保つために大切です
- 抗ヒスタミン薬の中には眠気が出るものもあります。眠気が強いときは、運転を控え、医師や薬剤師に相談しましょう

メル美来年は2月のうちに病院に行って、薬を準備しておこうね。コンタクトもメガネに替えようかな。
まとめ
- 花粉症は42.5%、スギ花粉症は38.8%(2019年)。10年ごとに約10%増加
- 毎年症状が出る人は、本格的な飛散の1週間前までに薬を準備し、早めに使いはじめる
- マスクで約70%、メガネで約40%花粉を減らせる。花粉の季節はコンタクトよりメガネ
- 洗濯物を外に干さない、帰宅時に花粉を払う
- 完治の可能性があるのはアレルゲン免疫療法。舌下免疫療法は保険で受けられる
参考文献
- 環境省. 花粉症環境保健マニュアル2022(2022年3月改訂版). https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/2022_full.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
- 政府(環境省・厚生労働省ほか). 花粉症に悩む国民の皆さんへ. https://www.mhlw.go.jp/content/001393983.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。