HIVのある人の透析の受け入れ(東京都の調査):透析施設でHIV陽性の人を受け入れた経験は16.8%、肝炎の患者は93.4%。経験のない施設の47.0%が「受け入れは難しい」(2018年)
透析が必要なHIV陽性の人の受け入れについて、東京都保健医療局の「透析を必要とするHIV陽性者の受け入れに関する調査」(2018年7〜8月、都内の透析施設とエイズ診療協力病院の493か所が対象、回答340件)をもとにまとめました。治療の進歩でHIVのある人の高齢化が進み、糖尿病などで透析が必要になる人の増加が見こまれています。透析を行う施設のうち、B型・C型肝炎の患者を受け入れた経験があるのは93.4%でしたが、HIV陽性の人を受け入れた経験があるのは16.8%でした(2010年度の8.1%から2倍以上)。受け入れた経験のない施設の47.0%が「受け入れることは難しい」と答え、理由のいちばんは「HIV陽性者専用のベッドが確保できない」でした。

プレ男HIVのある人も、年をとると腎臓が悪くなって透析が必要になることがあるよね。ふつうに透析を受けられるの?

メル美受け入れてもらえないことがあるって聞いたことがあるよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVのある人の透析の受け入れの話です。東京都保健医療局の「透析を必要とするHIV陽性者の受け入れに関する調査」をもとにまとめました。
調査の背景
東京都によると、
- 治療の進歩で、早く治療を始めたHIVのある人は、感染していない人と同じような生活を送れるようになりました
- 一方で、HIVのある人の高齢化や、それにともなう合併症の問題が出てきていて、とくに糖尿病などで腎臓の働きが落ち、透析が必要なHIV陽性の人の増加が見こまれています
- 住んでいる地域の身近な医療機関で透析を受けられることが大切だとして、2018年7〜8月に、都内の透析を行う医療機関とエイズ診療協力病院の493か所を対象に調査しました(回答340件、回答率69.0%。2010年度の調査からの追跡)
肝炎の患者は93.4%、HIVは16.8%
透析を行っている施設のうち、
| 受け入れた経験 | 2010年度 | 2018年度 |
|---|---|---|
| B型肝炎・C型肝炎の患者 | 95.3% | 93.4% |
| HIV陽性の人 | 8.1% | 16.8% |
でした。HIV陽性の人を受け入れた経験がある施設は、2010年度から2倍以上にふえましたが、肝炎の患者とくらべるとまだ少ない状況でした。エイズ診療拠点病院では60.6%、無床診療所では12.0%でした。

都内の透析施設で、肝炎の患者を受け入れた経験は93.4%でしたが、HIV陽性の人は16.8%でした(2018年度)。
「受け入れは難しい」の理由
HIV陽性の人を受け入れた経験がない施設のうち、今後も「受け入れることは難しい」と答えたのは47.0%で、2010年度(64.6%)より17.6ポイント減りました。理由で多かったのは、
- HIV陽性者専用のベッドが確保できない(68.1%)
- HIV陽性者への対応の手順が整理されていない(53.8%)
- 透析中に急に具合が悪くなったときのバックアップ体制が得られるか心配(48.7%)
でした。

プレ男受け入れが進んできてはいるけど、まだ課題があるんだね。東京都の新しい指針でも、医療や介護の場での受け入れを目標にしているんだよね。
東京都は2026年4月の「東京都エイズ等対策指針」で、医療機関や福祉施設でのHIVのある人の受け入れを進めることを目標にしています(東京都が17年ぶりに新しいエイズ対策の指針)。HIVと腎臓はHIVと腎臓、HIVのある人を支える制度はHIVの医療費と支援制度を見てください。
まとめ
- HIVのある人の高齢化で、透析が必要な人の増加が見こまれている
- 都内の透析施設で受け入れた経験は、肝炎93.4%に対しHIV 16.8%(2018年度)。2010年度の2倍以上には増えた
- 経験のない施設の47.0%が「受け入れは難しい」。理由は専用ベッド、対応手順、急変時の体制
- 東京都は医療・介護の場での受け入れを進める方針
参考文献
- 東京都保健医療局. 透析を必要とするHIV陽性者の受け入れに関する調査の結果概要について(調査期間:2018年7月23日〜8月3日). https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/info/aids/aids/tousekityousa (閲覧日:2026年10月12日)
- 東京都保健医療局. 東京都エイズ等対策指針(令和8年4月策定). https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/info/aids/aids/shishin (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
