イギリスのHIV(UKHSA、2024年):新たな診断は4%減の3,043件。イングランドは6年続けて国連の目標「95-95-95」を達成。一方で、若い人の検査がへり、新たな診断の42%は遅い診断
イギリスのHIVについて、英国保健安全保障庁(UKHSA)の発表(2025年10月7日)をもとにまとめました。2024年、イギリスでHIVと新たに診断された人は3,043人で、2023年から4%へりました。イングランドでは、HIVとともに生きる大人の95%が診断され、診断された人の99%が治療を受け、治療中の人の98%でウイルスがおさえられていて、6年続けて国連合同エイズ計画(UNAIDS)の目標を達成しています。PrEPを使う人は11万1,123人にふえました。一方で、15〜24歳では検査が7%へり、新たな診断の42%は遅い診断で、遅く診断された大人は1年以内に亡くなるリスクが10倍でした。

プレ男イギリスでは、HIVの新しい診断がへっているって聞いたよ。

メル美うまくいっている国から、学べることがありそうだね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、イギリスのHIVの話です。英国保健安全保障庁(UKHSA)の発表「HIV diagnoses fall in England」(2025年10月7日)をもとにまとめました。ヨーロッパ全体は、ヨーロッパのHIV(2024年、ECDC・WHO欧州)を見てください。
新たな診断は4%減
UKHSAによると、
- 2024年、イギリスでHIVと新たに診断された人は3,043人で、2023年の3,169人から4%へりました
- イングランドの、男性同士で性行為をする人の新たな診断は6%へりました(859人→810人)
- HIVとともに生きる人の死亡も、751人から643人へ14%へりました
6年続けて「95-95-95」を達成
UKHSAによると、イングランドは6年続けて国連合同エイズ計画(UNAIDS)の目標を達成しています。
- HIVとともに生きる大人の95%が診断され
- 診断された大人の99%が治療を受け
- 治療中の大人の98%でウイルスがおさえられています(性行為でHIVをうつさない状態)
そのほか、
- HIVの予防薬PrEPを使う人は、2024年に7.7%ふえて11万1,123人になりました
- 性の健康のクリニックでのHIV検査は3%ふえました
- 新たに診断された人のパートナーへの連絡では、連絡した人の85%が検査を受け、そのうち5%がHIVと診断されました

HIVは、早く見つけて治療を続ければ、ウイルスをおさえ、長く健康に暮らせる病気です。遅く診断されると、1年以内に亡くなるリスクが大きく上がります。性行為があるなら、定期的に検査を受けてください。
若い人と、遅い診断が課題
UKHSAによると、
- 15〜24歳では、HIV検査が7%へりました(ほかの年代はふえています)
- 15〜24歳は、治療を受けている人の割合(96%)、ウイルスがおさえられている人の割合(91%)が、ほかの年代より低くなっています
- イングランドの新たな診断の42%が遅い診断で、遅く診断された大人は、早く診断された大人にくらべて1年以内に亡くなるリスクが10倍でした
- アフリカ出身の黒人の異性愛者では、半分が遅い診断でした
- PrEPを使う割合は、男性同士で性行為をする人では約8割でしたが、アフリカ出身の黒人の異性愛者の女性・男性では3割台と低く、ロンドン以外では異性愛者の男性の診断がふえていました

プレ男うまくいっている国でも、若い人や、検査やPrEPにつながりにくい人たちが取りのこされているんだね。
PrEPについてはPrEP(HIVの曝露前予防)とは?、治療でウイルスをおさえるとうつらないことはU=U(ユー・イコール・ユー)とはを見てください。
(更新)UKHSAの報告書「HIV testing, PrEP, new HIV diagnoses and care outcomes for people accessing HIV services: 2025 report」では、「遅い診断」を、診断から91日以内のCD4数が1mm³あたり350未満で、最近の感染の証拠がないもの、と定義しています。イングランドでCD4数がわかった人のうち、遅い診断は2023年・2024年ともに42%(2024年は928人/2,196人)でした。日本の「いきなりエイズ」(HIV感染がわかったときにすでにエイズを発症している)とは定義がちがいます。
まとめ
- イギリスのHIVの新たな診断は3,043人、4%減
- イングランドは6年続けて95-95-95を達成
- PrEPを使う人は11万1,123人
- 15〜24歳で検査がへり、ウイルスがおさえられている割合も低い
- 42%が遅い診断。遅いと1年以内の死亡リスクが10倍。定期的な検査を
参考文献
- UK Health Security Agency. HIV diagnoses fall in England(Press release, 7 October 2025). https://www.gov.uk/government/news/hiv-diagnoses-fall-in-england (閲覧日:2026年10月12日)
- UK Health Security Agency. HIV testing, PrEP, new HIV diagnoses and care outcomes for people accessing HIV services: 2025 report. https://www.gov.uk/government/statistics/hiv-annual-data/hiv-testing-prep-new-hiv-diagnoses-and-care-outcomes-for-people-accessing-hiv-services-2025-report (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
