予防2026年9月25日

PrEP(HIVの曝露前予防)とは?飲み方・効果・始める前の検査をやさしく解説

HIVに感染する前から予防の薬を飲んでおくPrEP。指示どおり飲めば、性行為によるHIV感染のリスクを約99%減らせます。毎日飲む方法とオンデマンド、始める前と続けるあいだの検査、日本での実情をまとめました。

目次
  1. PrEPってなに?
  2. どんな人に向いている?
  3. 始める前の検査
  4. 飲み方
  5. 続けるあいだの検査
  6. 実際に処方されているPrEPの薬について
  7. 注射のPrEP
  8. PrEPで防げないもの
  9. まとめ

プレ男PrEPって、HIVを予防するために飲む薬なんだよね?

メル美飲み方や、始める前の検査のことも知りたいな。

こんにちは、Dr. Taro です。 「HIVが心配だけど、コンドームを毎回使うのは難しい」——そんな人に知ってほしいのがPrEP(プレップ、曝露前予防)です。前もって薬を飲んでおくことで、HIVの感染を防ぐ方法です。

PrEPってなに?

PrEPは、HIVに感染するリスクがある人が、前もって抗HIV薬を飲んでおくことで感染を防ぐ方法です。

PrEPの流れ:1 始める前の検査(HIV・B型肝炎に感染していないか、腎臓の働きを確認)、2 毎日1錠飲む(効果が最大になるまで、受け側のアナル約7日、腟性交約21日)、3 続けるあいだ(少なくとも3か月ごとにHIV検査、腎臓の検査も定期的に)。指示どおり飲めば、性行為によるHIV感染のリスクを約99%減らせる。ほかの性感染症と妊娠は防げない

どんな人に向いている?

PrEPの効果の裏付けがいちばんしっかりしているのは、男性と性行為をする男性(MSM)です。このサイトでも、PrEPは主にMSMの人に向けた予防法と考えています。

日本エイズ学会の「PrEP利用の手引き(第2版)」では、過去3か月にこんなリスクがあり、これからも同じようなリスクがある人に、PrEPを処方すべきとしています(一部)。

性風俗で働く女性など、女性の場合も、希望があればPrEPを考えることができます(下の「女性のPrEP」もご覧ください)。

また、パートナーがHIV陽性でも、治療でウイルスが検出されない状態(U=U)であれば、性行為でうつらないことが分かっています。それでも、継続的に関係を持つ場合に、安心のためにPrEPを使うことも考えられます。 PEP(もしものときの緊急の予防)をくり返し使っている人も、PrEPへの切り替えを考えましょう。

始める前の検査

PrEPを始める前に、血液検査で次のことを確かめます。

飲み方

毎日飲む方法(承認されている飲み方)

1日1回1錠を毎日飲みます。飲み始めてから、効果が最大になるまでには時間がかかります(米国CDC)。

このサイトでは、効果の裏付けがいちばんしっかりしている「毎日飲む方法」をおすすめしています。

オンデマンドPrEP(性行為の前後だけ飲む方法)

毎日ではなく、性行為の前後だけ飲む「オンデマンドPrEP」という方法もあります。

飲み方は、自分の生活に合わせて医師とよく相談して決めてください。

続けるあいだの検査

PrEPは「飲むだけ」ではなく、「定期的な検査」とセットの予防法です。3か月ごとの検査で、ほかの性感染症も早く見つけられます。

実際に処方されているPrEPの薬について

日本の医療機関でのPrEPは、価格の理由から、医療機関が海外から輸入した薬(エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドなど)を毎日飲む形で処方されていることが多いのが実情です。

国内で承認されている薬(エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩)は費用が高く、現実的な選択肢になりにくいのが実情です。

女性のPrEP

医療機関で処方されることが多い薬(エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)を女性が毎日飲むPrEPについては、まだ根拠が十分とは言えません。

女性がPrEPを希望する場合は、こうした点をふまえて、医師とよく相談して決めましょう。

注射のPrEP

海外では、2か月ごとに注射するPrEPが使われています。また、米国では2025年6月に、半年に1回の注射で予防できるPrEPも承認されました。 ただし、日本では注射のPrEPは費用がとても高く、現実的な選択肢ではありません。将来、半年に1回の注射で予防できる日が来るかもしれません。

PrEPで防げないもの

PrEPはHIVを防ぐ薬で、ほかの性感染症(梅毒・クラミジア・淋菌など)や妊娠は防げません。コンドームとの組み合わせや、定期的な性感染症の検査も大切です。

まとめ


参考文献

  1. Centers for Disease Control and Prevention. Clinical Guidance for PrEP. https://www.cdc.gov/hivnexus/hcp/prep/index.html (閲覧日:2026年9月25日)
  2. Centers for Disease Control and Prevention. Pre-Exposure Prophylaxis (PrEP). https://www.cdc.gov/hiv/prevention/prep.html (閲覧日:2026年9月25日)
  3. エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合錠 医薬品インタビューフォーム(2024年8月改訂 第11版). https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00007130.pdf (閲覧日:2026年9月24日)
  4. 日本エイズ学会. 日本におけるHIV感染予防のための曝露前予防(PrEP)利用の手引き 第2版(2025年4月14日現在). https://jaids.jp/pdf/HIV-PrEP_tebiki2.pdf (閲覧日:2026年9月25日)
  5. 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター. HIV感染症とその合併症「診療と治療のハンドブック」曝露前・曝露後の予防内服(oPEP/nPEP/PrEP). https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part3/sec03.html (閲覧日:2026年9月24日)※PrEP の国内承認(2024年8月)より前の記載を含む
  6. World Health Organization. What’s the 2+1+1? Event-driven oral pre-exposure prophylaxis to prevent HIV for men who have sex with men: update to WHO’s recommendation on oral PrEP. Technical brief(2019年7月). https://apps.who.int/iris/handle/10665/325955 (閲覧日:2026年9月24日)
  7. FDA Approves First Twice-Yearly PrEP for Long-Acting HIV Prevention. JAMA. 2025. https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2836644 (閲覧日:2026年9月25日)
  8. 厚生労働省. 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html (閲覧日:2026年9月24日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。