日本のHIVと妊娠(研究班の全国調査、2026年5月):HIVのある妊婦は累計1,245例、母子感染は累計63例。予防策をきちんと行った例では2001年以降母子感染なし。妊婦のHIV検査は99.9%
日本のHIVのある人の妊娠と母子感染について、厚生労働科学研究班の「HIV母子感染全国調査研究報告書 令和7年度(2025年)―Web版―」の巻頭言(2026年5月)をもとにまとめました。1998年に始まった全国調査で、HIVのある妊婦は累計1,245例、母子感染は累計63例が確認されています。妊婦健診でのHIV検査の実施率は、1999年の73.2%から2024年には99.9%に上がりました。提唱された予防策をきちんと行った例では、2001年以降、母子感染は見られていません。一方で、妊娠初期の検査で陰性だったあとに感染がわかる例も報告されています。ウイルス量がよくおさえられた状態で妊娠する人がふえ、6か月以上ウイルスが検出限界未満の人の経腟分娩を支えるマニュアルも作られました。

メル美HIVがあっても、赤ちゃんにうつさずに産めるって聞いたの。日本ではどうなっているのかな。

プレ男国の研究班が、ずっと調べているんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、日本のHIVのある人の妊娠と母子感染の話です。厚生労働科学研究費補助金エイズ対策政策研究事業の研究班がまとめた「HIV母子感染全国調査研究報告書 令和7年度(2025年)―Web版―」の巻頭言(2026年5月)をもとにまとめました。
1998年から続く全国調査
研究班によると、HIV母子感染の全国調査は1998年に始まり、毎年報告書が出されています。
- 1998年度の報告書の時点では、HIVのある妊婦は累計112例でしたが、その後増え、最新では累計1,245例になっています
- 近年の1年間の例数は、おおむね20例前後です
- 母子感染は累計63例が確認されています
妊婦のHIV検査は99.9%
妊婦健診でのHIV検査の実施率は、1999年の73.2%から、2024年には99.9%に上がりました。検査の体制は高い水準で保たれていて、抗HIV治療、分娩の管理、生まれた赤ちゃんの管理の進歩で、母子感染は低い割合におさえられているとしています。

提唱された予防策をきちんと行った例では、2001年以降、日本で母子感染は見られていません。妊婦健診でのHIV検査の実施率は、2024年に99.9%でした。
予防策を行えば、母子感染は防げる
- これまでの取り組みで、提唱された予防策をきちんと行った例では、2001年以降、母子感染は見られていません
- 一方で、妊娠初期の検査で陰性だったあとに、感染がわかる例も報告されています。研究班は、再検査の体制の検討などが今後の課題だとしています
- また、HIVが陽性とわかったあとの対応や、専門の医療機関との連携には、施設ごとの差があり、標準化が必要だとしています
経腟分娩という選択肢
近年は、ウイルス量がよくおさえられた状態で妊娠する人がふえていて、お産の方法の選択肢を広げることが求められています。そこで研究班は、6か月以上ウイルス量が検出限界未満で保たれている人の経腟分娩を支えるため、「HIV母子感染予防対策マニュアル(第9版・改訂追補)〜経腟分娩マニュアル〜」を作りました。

プレ男妊娠中のHIV検査と治療があれば、赤ちゃんを守れるんだね。パートナーもいっしょに検査を受けておきたいな。
HIVと妊娠のくわしいことはHIVと妊娠、妊婦健診での感染症の検査は妊婦健診で調べる感染症、母子感染をなくす世界の取り組みはトリプル・エリミネーションを見てください。
まとめ
- 日本のHIVのある妊婦は累計1,245例、母子感染は累計63例
- 妊婦のHIV検査の実施率は2024年に99.9%
- 予防策をきちんと行った例では、2001年以降母子感染なし
- 妊娠初期の検査が陰性でも、あとから感染がわかる例も
- ウイルスがおさえられた人の経腟分娩を支えるマニュアルも作られた
参考文献
- 厚生労働科学研究費補助金エイズ対策政策研究事業「HIV感染者の妊娠・出産・予後に関するコホート調査を含む疫学研究と情報の普及啓発方法の開発および診療体制の整備と均てん化のための研究」班. HIV母子感染全国調査研究報告書 令和7年度(2025年)―Web版―(巻頭言、2026年5月). https://hivboshi.org/report/pdf/report_r7.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
