病気の解説2026年10月10日

HIVと妊娠:適切な治療と母子感染予防で、日本では赤ちゃんへの感染率は0.5%以下に。妊婦健診のHIV検査は大切。一次検査の「陽性」は確定ではないので、必ず確認検査を

HIVに感染していても、妊娠・出産はできます。厚生労働科学研究班によると、妊娠中から抗HIV薬を飲む、分娩の方法を選ぶ、母乳をやめる、赤ちゃんに薬を飲ませるといった母子感染予防対策で、日本では赤ちゃんへの感染率は0.5%以下になっています。そのためにも、妊婦健診のHIV検査で早く見つけることが大切です。一方、妊婦健診の一次検査で「陽性」と出ても、多くは偽陽性で、確定ではありません。必ず確認検査を受けましょう。

目次
  1. HIVがあっても、妊娠・出産はできる
  2. 母子感染を防ぐ
  3. 妊婦健診のHIV検査
  4. 妊娠中にHIVがわかったら
  5. パートナーのこと
  6. まとめ

メル美妊婦健診でHIVの検査もあるって聞いた。もし陽性だったら、赤ちゃんはどうなるんだろう。

プレ男HIVがあっても、子どもをもつことはできるのかな。

こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVと妊娠の話です。HIV感染妊娠の研究を行っている厚生労働科学研究班と、英国NHSの資料をもとにまとめました。HIVは、早く見つけて治療すれば、赤ちゃんへの感染を大きく減らせる病気です。

HIVがあっても、妊娠・出産はできる

研究班によると、

母子感染を防ぐ

HIVは、妊娠中、お産のとき、授乳で赤ちゃんに感染することがあります(NHS)。研究班によると、次のような母子感染予防対策で、日本では赤ちゃんの感染率は0.5%以下になっています。

英国NHSも、妊娠中の治療で、赤ちゃんへの感染のリスクが4人に1人から、300人に1人未満に下がるとしています。

(更新)国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター(ACC)の「診療と治療のハンドブック」の「母子感染対策」では、母乳には体の細胞に組みこまれたHIVがあり、抗HIV療法では取りのぞけないため、母親が抗HIV療法を受けていても母乳による感染が起こりうるとしています。そのため、HIVに感染している母親には、母乳による感染のリスクを十分に説明し、納得してもらったうえで人工乳(粉ミルク)での哺育をすすめるとしています。日本の読者向けには、この日本の考え方にそって書くのがよいと考えられますが、最終的な書き方は医師の判断をお願いします。

プレ男対策をすれば、赤ちゃんへの感染は0.5%以下まで減らせるんだ。

HIVは、妊娠中に見つけて治療すれば、赤ちゃんへの感染を大きく減らせます。だからこそ、妊婦健診のHIV検査はとても大切です。一次検査で陽性でも、必ず確認検査を。

妊婦健診のHIV検査

一次検査の「陽性」は、確定ではない

研究班によると、

一次検査で陽性と言われると、とても不安になると思います。結果の受け止め方は、HIV検査で「陽性」「要確認」と言われたらの記事も見てください。

妊娠中にHIVがわかったら

研究班によると、

パートナーのこと

生まれた赤ちゃんの検査のスケジュールや、子どものHIVについては、HIVのお母さんから生まれた赤ちゃんの検査と、子どものHIVにまとめています。

妊娠中の抗HIV薬の選び方は、HIVのある人の妊娠と、薬の選び方を見てください。

研究班の全国調査の最新の数字は、日本のHIVと妊娠(研究班の全国調査、2026年5月)を見てください。

まとめ


参考文献

  1. 厚生労働科学研究費補助金エイズ対策政策研究事業「HIV感染者の妊娠・出産・予後に関するコホート調査を含む疫学研究と情報の普及啓発方法の開発および診療体制の整備と均てん化のための研究」班. 女性のためのQ&A. https://hivboshi.org/faq/index.html (閲覧日:2026年10月10日)
  2. NHS. Infections in pregnancy that may affect your baby(HIV in pregnancy). https://www.nhs.uk/pregnancy/keeping-well/infections-that-may-affect-your-baby/ (閲覧日:2026年10月10日)
  3. 国立健康危機管理研究機構 エイズ治療・研究開発センター. HIV感染症とその合併症「診療と治療のハンドブック」解説編 母子感染対策. https://www.acc.jihs.go.jp/medics/treatment/handbook/part3/sec06.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。