HIVのある人の妊娠と、薬の選び方:妊娠した人はできるだけ早く治療を。ドルテグラビルと赤ちゃんの神経管の異常は、最終的に統計的な差はなかった。2剤療法は妊娠中は使わない
HIVのある人の妊娠と抗HIV薬の選び方について、研究班の「抗HIV治療ガイドライン」(2026年3月)の「妊娠の可能性のある女性及び妊婦に対する抗HIV薬の選択について」の項をもとにまとめました。妊娠の可能性のある人では、治療を始める前に、子どもを望むかどうかと妊娠の有無を確かめ、本人が決められるよう相談を受けられることが大切です。HIVのある妊婦は、できるだけ早く抗HIV薬を始めるべきとされています。ドルテグラビルは、2018年に赤ちゃんの神経管の異常が増えるかもしれないと報告されましたが、最終的に統計的な差はないとされ、米国・欧州のガイドラインは妊婦にもすすめています。2剤療法はデータが足りないため、妊婦には使わないとされています。

メル美HIVのある人が赤ちゃんを望むとき、薬はどうするのかな。赤ちゃんへの影響が心配になりそう。

プレ男妊娠中に使える薬と、使わないほうがいい薬があるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVのある人の妊娠と、抗HIV薬の選び方の話です。研究班の「抗HIV治療ガイドライン」(2026年3月)の「妊娠の可能性のある女性及び妊婦に対する抗HIV薬の選択について」の項をもとにまとめました。ガイドラインは医療者向けの資料です。妊娠・出産と赤ちゃんへの感染を防ぐ方法は、HIVと妊娠を見てください。
治療を始める前に、妊娠の希望を確かめる
ガイドラインによると、
- 妊娠の可能性のある女性に抗HIV薬を始める前には、子どもを望むかどうかと、妊娠しているかどうかを確かめます
- 本人が決められるよう、相談(カウンセリング)がきちんと受けられるべきだとしています
- HIVのある妊婦は、できるだけ早く抗HIV薬を始めるべきとされています
ドルテグラビルと神経管の異常
ガイドラインによると、
- 2018年に、妊娠したときにドルテグラビルを飲んでいた女性で、赤ちゃんの神経管の異常(出生異常)のリスクが高まるかもしれないと報告されました
- 最終的には、ドルテグラビル以外の薬を飲んでいた場合とくらべてやや高い割合ではあるものの、統計的な差はないという結論になりました
- 米国(DHHS)と欧州(EACS)のガイドラインは、子どもを望む場合をふくめ、妊娠のどの時期の妊婦にもドルテグラビルをすすめています

HIVのある妊婦は、できるだけ早く抗HIV薬を始めるべきとされています。ドルテグラビルと赤ちゃんの神経管の異常は、最終的に統計的な差はないと結論されています。
妊娠中にすすめられる組み合わせ
ガイドラインによると、
- 妊婦にすすめられるのは、ビクテグラビル+テノホビル アラフェナミド+エムトリシタビンの配合剤や、核酸系逆転写酵素阻害薬2剤(テノホビル アラフェナミド+エムトリシタビン、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン、アバカビル+ラミブジン)に、ドルテグラビル、ダルナビル+リトナビル(1日2回)、ラルテグラビル(1日2回)のどれかを組み合わせた治療です
- 2剤療法は、データが足りないため、妊婦には使うべきでないとされています
- 母子感染の予防については、研究班の「HIV母子感染予防対策マニュアル」(第9版)にくわしく書かれているとしています

プレ男赤ちゃんを望むことを前もって伝えておけば、それに合わせて薬を選んでもらえるんだね。
HIVの治療の始め方はHIVの治療はいつ始める?、HIVのお母さんから生まれた赤ちゃんのことはHIVのお母さんから生まれた赤ちゃんの検査と、子どものHIVを見てください。
まとめ
- 治療を始める前に、子どもを望むかどうか・妊娠しているかを確かめ、相談できることが大切
- HIVのある妊婦はできるだけ早く抗HIV薬を
- ドルテグラビルと神経管の異常は、最終的に統計的な差はなかった。米国・欧州は妊婦にもすすめている
- 2剤療法は妊娠中は使わない
参考文献
- HIV感染症および血友病におけるチーム医療の構築と医療水準の向上を目指した研究班. 抗HIV治療ガイドライン(2026年3月) 妊娠の可能性のある女性及び妊婦に対する抗HIV薬の選択について. https://hiv-guidelines.jp/2026/part05-7.htm (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
